なきこさん(愛知県)の相談

カテゴリ:治療方法による差

骨が無いので前歯のインプラントは難しい

一年ほど前に前歯が虫歯なので、抜いてブリッジにしましょう、歯並びもよくなりますよ・・・と言われ抜いてしまったのですが、徐々に顔が弛んできてしまい、偏頭痛がおきるようになってしまいました。
やはり自分の歯でないので筋力が弱ってくるのか頬や目も弛んでしまい、たった一年で しわしわの別人のようになってしまったのでインプラントにして少しでも自分の歯のように刺激をあたえてあげたいのですが、骨も無いので前歯のインプラントは難しいと別の歯医者の方に言われてしまいました。
横のブリッジも二本とも神経がないようなんですが、前歯をインプラントにして横の二本は、何か被せる方法は可能でしょうか?
すごく後悔していますが、何とか前向きに考えれる方法を教えて頂きたいと願っています。

 「抜いてブリッジにしましょう、歯並びもよくなりますよ」と言われたということは、抜歯したその前歯は歯並びの列からはずれ、前に出ていたり後ろに引っ込んでいたりしたのではありませんか。このような場合に、歯槽膿漏がある程度進行している人、歯軋りの力が強い人などで早期に仮歯が入っていないと歯が移動してしまい咬み合せの位置が変わってしまいます。すると、咬み合せの力が入らなくなり咀嚼筋の力が衰えてきます。また、心理的に抜歯後は咬めないと考えてしまい咬む回数が少なくなったり軟らかい物ばかり食していると同様のことが起きます。表情筋、咀嚼筋の筋力の低下、咬み合せの位置のズレなどはしわの増加や偏頭痛にもつながります。咬み合せのずれがないか確認してもらいながら、お食事の際にしっかりと噛むことを心掛けてもらえば筋力は回復し、しわ部分の張りも戻ってくると思います。咬み合せの高さが少し高くなるだけでも口元の感じは変わってきます。仮歯が入っていたのであれば口唇の形態的な落ち込みは修正されていると思いますし、通常、前歯部少数歯の抜歯そのものだけで筋力の低下は考えにくいので、それに引き続く何かがあったと考えるのが適当だと思います。
 前歯部の欠損に関しては1本の歯の欠損で隣接する歯に神経の処置がしてあり骨も薄いのであればブリッジで良いと考えます。臼歯部もしくは前歯部多数歯の欠損の場合のインプラント埋入は咬合力を高めたり骨吸収を抑制するために有効ではありますが、「刺激」ということを考えた場合には前歯部少数歯欠損ですのでインプラントによる骨幅維持の必要性はないと思います。逆に考えると前歯部のその部分に1本インプラントを入れても咬み合わせ全体で見た場合には筋力の増加にもつながりませんし咀嚼力の増加にもつながりません。ブリッジで十分です。ブリッジの支台となる両隣在歯が歯槽膿漏で弱い場合には口腔全体を見てインプラント使用を考える場合はあります。
 ちなみに「横のブリッジも二本とも神経がないようなんですが」は用語の使い方が正しくないので状況はわかりませんが、その歯やインプラントがしっかりしていれば各々別個に被せを作ることは可能です。



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