(東京都 33歳 女性 OLのQ &A)

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インプラントにあたって骨移植が必要と言われたのですが、とても不安です。特に自分の骨を移植するのか、人工骨原料を用いるのかでとても悩んでいます。双方のメリット、デメリットなど教えてください。
インプラントをしたいと思い、すでに歯医者2ヵ所でカウンセリングを受けてきました。先生二人の回答を頂いたのですが、インプラントの本数や種類や骨移植に関して、それぞれ意見が違っていて、非常に戸惑っています。唯一一致しているのは上顎の骨移植をしない限り、インプラントできないということです。

(1)A先生が薦めた治療方法
骨移植(サイナリフト)、下顎の両側から採って上顎の奥歯の上顎洞に補填する。6ヵ月後、左4-7の間に3本、右4-6の間に2本のインプラント(ブローネマルク)を入れる。見積もりは骨移植80万円、インプラント250万円、合計で330万円。

(2)B先生が進めた治療方法
骨移植(β―TCP)、人工骨原料で補填する。安定してから、左4-7の間に4本、右4-6の間に3本のインプラント(アストラ)を入れる。見積もりは骨移植(2ヵ所)48万円、インプラント250万円、合計で298万円。

自分的な予算は300万円前後なのですが、どうせインプラントするなら、やはり一番安全かつ自分に合う方法・種類で選びたいと思っています。ただ、骨移植に対し、すごく不安です。自分の骨を使うと、採ったところの傷や膨らみなどの回復のほか、下顎に麻痺する(半永久)人もいるらしいことも聞きました。一方、人工骨原料を使うと、なんらかの副作用があるか、または自分の骨に融合できるか、インプラントは安定するか、などいろいろな不安があります。

できれば、それぞれのメリットやデメリットを教えていただきたいのですが・・・。

[東京都 33歳 女性 OL]

まず、サイナスリフトですが、このオペ方法は決して目新しい術式ではありません。多くの臨床例があり、術式的にも確立されつつあるものです。ご安心下さい。
その際の骨の採取ですが、下顎の臼歯後隆起からの自家骨採取のようですね。その部分に充分量の骨があるということならば、そこはもっとも安全なドナーサイトかもしれません。もちろん、下歯槽神経を傷つけないように術者は配慮してくれるでしょう。比較的術後が安定しており、違和感の少ない部位とされています。他には下顎骨のオトガイ部や、骨盤の骨が代表的なドナーサイトではあります。
 
また、骨補填時における人工骨補填材料についてですが、実際には自家骨だけで補いきる事は多くの場合難しく、この人工骨補填材を使用することになります。
BSE問題が起こる以前は牛骨由来のものも在りはしましたが、現在は純然たるケミカルのものや、海産物由来のものが主流です。ただし、いずれのものを用いても、身体からみれば外来物質ですので、免疫抗体反応が初期に起こり術野の周囲は腫脹します。

また、最近はより生体に対して外科的侵襲をおさえるために、サイナスリフトという術式もおおく使われます。オステオトーム法ともいいます。これは在る骨の範囲で行えるメリットがあります。