インプラント手術 二回法手術について

インプラント治療での手術とは

インプラントの構造
▲インプラントの構造

歯科インプラントは、あごの骨に埋め入れる「インプラント(人工歯根)」と、失った歯の代わりとなる人工歯とも呼ばれる「上部構造」、それらインプラントと上部構造を連結する「アバットメント」の3つの部品で構成されています。インプラント治療は、歯茎を切り、あごの骨をさわる外科手術が必要です。この外科手術には、一回法と二回法があります。

一回法では、インプラントを埋め込み、アバットメントを連結するまでの外科手術を1回のみ行います。

二回法では、外科手術を2回行います。1回目の手術で、インプラントをあごの骨に埋め込み、一度歯茎を閉じてインプラントと骨が結合する(3から6ケ月)のを待ちます。2回目の手術で、アバットメントの連結を妨げるあごの骨を削り、アバットメントを連結します。これらの外科手術を経て、人工歯作製へ治療が進みます。二回法では、歯茎を閉じてあごの骨にインプラントがしっかり固定する期間を設けるので、あごの骨を増やす手術を併せて行う方や全身疾患をお持ちの方など、一回法では感染のリスクが高い方に適した方法です。

二回法の特徴
  • ほとんどのケースに対応できる
  • 感染のリスクが高い方に適している
  • 2回の外科手術をおこなう
  • 歯茎の切開を2回行うので、身体への負担がかかる
  • 人工歯が入るまでの工程が複雑なので、費用が比較的高い

【二回法の手術の流れ】

1. インプラントの埋入手術
二回法 ドリルで穴をあける 麻酔後、歯茎を切り開き、あごの骨に埋め込むインプラントと同じ長さ・太さの穴を、ドリルであけます。
二回法 インプラントを埋め込む インプラントを埋め込みます。インプラントの上部のネジ穴が、新しい骨や歯茎で塞がらないようにするため、インプラントにカバーを装着します。
二回法 縫い合わせる 歯茎からカバー部分が出ないように縫い合わせて、1回目の外科手術は終了です。
2. 結合期間(3ヶ月から6ヶ月)
手術後、埋め込んだインプラントが骨と結合するまで安静期間を置きます。骨の状態や治療部位によって異なりますが、3ヶ月から6ヶ月ほど待ちます。
3 .アバットメントの連結手術(2回目の外科手術)
二回法 歯茎を切開 麻酔後、歯茎を切り開き、カバー部分の上に新たに作られた骨を削り、インプラントからカバー部分を外します。
二回法 不要な骨を削る アバットメントを連結するために、インプラントの上部の不要な骨を削ります。
二回法 アバットメントを連結 インプラントにアバットメント(または仮のアバットメント)を連結し、アバットメント上部は歯茎の上に出ている状態で、2回目の外科手術は終了です。
4 .人工歯の取り付け
二回法 人工歯を取り付け 噛み合わせをチェックしながら人工歯を取り付けます。(仮のアバットメントの場合は交換し、アバットメントを取り付けてから人工歯を取り付けます。)
二回法のメリット・デメリット
<メリット>
  • どのようなケースにも対応できる。(あごの骨が痩せている方や審美性を求める方、全身疾患をお持ちの方など)
  • 歯茎を閉じてしっかりと骨とインプラントが結合する期間を待つため、感染をおこす可能性が低い
  • オーバーデンチャー(着脱式の総入れ歯を人工歯として使う方法)に対応できる
<デメリット>
  • 外科手術を2回行う必要があるため、身体への負担が大きい
  • 1ピースのインプラントよりも部品が多く、外科手術が2回必要なため、費用が高くなる
  • 人工歯が入るまでの工程が複雑なので、1ピースのインプラントよりも治療期間が長くなる
  • アバットメント装着後、インプラントとをつないでいるネジが緩む可能性がある
治療に関するデメリットに関しては、治療前にしっかりと治療計画を立案することや、治療後にお口の状態を定期的にチェックすることで回避できます。
また、お口と身体の状態によって一回法、二回法と治療方法を選択することも可能な場合がありますので、希望があれば担当の歯科医師に伝えてみましょう。

二回法の代表的なインプラントシステム

名称
メーカー 特徴
・カムログインプラント
株式会社アルタデント 長期にわたる基礎と臨床研究に基づいて、ドイツで開発されたインプラントシステム。
・ブローネマルクシステム
・ノーベルスピーディ
・ノーベルリプレイス
ノーベル・バイオケア・ジャパン株式会社 インプラント表面に、安定した高い骨伝導性を示し、骨との結合を促進する。多様なラインナップで治療ができる。
・アストラテックインプラント
アストラテック株式会社 インプラントの周りの骨を短期・長期に保護することができる。
・I.T.Iインプラント
ストローマン社 インプラント表面を酸処理し、粗面にすることで骨との結合を強化し、治癒期間を2ヶ月程度に短縮できる。
・POIインプラント
日本メディカルマテリアル社 日本のインプラントシステムの中では最も歴史のあるインプラントステム。費用を抑えることができる。