歯を抜いてすぐにインプラントを埋め込む「抜歯即時埋入」

【イラスト付き】抜歯即時埋入とは、歯を抜いてすぐにインプラントを埋め込む治療法です。治療のメリットや受けられる条件を解説します。

更新日:2020/08/20

歯を抜いてすぐにインプラントを埋め込む「抜歯即時埋入」

■目次

  1. 抜歯後すぐにインプラントを入れる方法について
  2. 抜歯即時埋入法の流れ
  3. STEP1 抜歯
  4. STEP2 インプラントを埋め入れる
  5. STEP3 人工骨を補填する
  6. STEP4 最終的な被せ物の装着
  7. 記事監修

抜歯後すぐにインプラントを入れる方法について

抜歯即時埋入とは?

歯がなくなった部分をインプラントで治療する場合、通常は歯を抜いた後に歯茎の穴がきちんと治癒する2~6ヵ月ほど待ってから治療を開始します。
骨が治癒するまで行わないことが従来のインプラント治療でした。

しかし、骨の治癒期間を待ってからインプラント治療を行う方法では「治療期間が長くかかる」、「抜歯とインプラントで手術が2回以上必要になる」、「抜歯した部分の骨がやせていってしまう」などのデメリットもありました。

近年、これらの患者さんの負担となるデメリットを解消すべく、技術やインプラント製品の向上によって、抜歯したその日にインプラントを埋め入れる技術が確立されました。これを、抜歯即時埋入といいます。
抜歯した後にインプラントを埋め入れる治療手技により、外科処置は1回になり、治療期間が大幅に短縮されるだけでなく、特に前歯では歯茎の形態がそのまま保存されて、より天然の歯に近い形の被せ物を入れることができるようになりました。

【抜歯即時埋入のメリット】

・抜歯とインプラント手術の外科処置が1回の手術回数で済むため、患者さんの負担が少ない。
・抜歯と同時にインプラントを埋め込むので、従来の約半分の治療期間で済む。
・抜歯直後は、生体の治癒力が活発に働くため傷口の回復が良い。
・歯茎などの軟組織の形態が維持しやすい。
・抜歯した部分の骨がやせにくい。

抜歯即時埋入法は、上記のように多くのメリットがある治療法です。
しかし、残念ながらすべての人が治療可能な方法ではありません。

「インプラントを埋め込むための十分な骨の量がある」、「歯周病にかかっていない」などの条件がそろっていることが必要です。
抜歯即時埋入と比べ、早期埋入術(抜歯後2ヶ月程待つ)の方がインプラント埋入手術の予後が良い場合もあります。
また、歯科医師の高度なテクニックを必要としますので、どの歯科医院でも受けられる治療法ではありません。

抜歯即時埋入法の流れ

抜歯即時埋入法によるインプラント治療の流れをご紹介します。

STEP1 抜歯

麻酔後に歯を抜きます。

STEP2 インプラントを埋め入れる

抜歯後すぐに、抜歯してできた穴をドリルで整え、そこにインプラントを埋め入れます。

STEP3 人工骨を補填する

穴とインプラント体の隙間に人工の骨を入れます。
その後歯茎を閉じます。ケースによっては、仮歯を装着することが可能です。

STEP4 最終的な被せ物の装着

約3~6ヵ月後、最終的な被せ物を装着し治療は完了です。
上記内容は患者さんのお口の中の状態により変わることがあります。歯科医院でしっかりと説明を受けるようにしましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。