インプラント補綴で重要な噛み合わせ

身体の欠損した部分を人工物で補うことを「補綴[ ほてつ ]」と呼ぶことから、 失った歯の機能や見た目を回復することができる 治療の一つである インプラント 治療は、「 インプラント補綴 」とも呼ばれています。インプラントは、顎の骨に埋め入れる「インプラント体(人工歯根)」と、失った歯の代わりとなる「 上部構造 」、インプラント体と上部構造を連結する「 アバットメント 」の3つのパーツで構成されており、失った歯の機能や見た目を回復することができます。

インプラントを使用した補綴治療で重要となる、噛み合わせについてや上部構造がインプラント体に与える影響、起こりうるトラブルなどについてご紹介します。

インプラント治療で噛み合わせを取り戻すことの重要性

健康な歯

適切なインプラント治療を受けて、噛み合わせを回復することができれば、インプラントが「失った歯」と同じような役割を果たしますので、次のような事態を避けることができ、お口だけでなく、全身の健康維持や増進につながってきます。

■自分の歯(天然歯)が他に残っている場合
時間の経過とともに、周りの歯や顎などに影響を与えやすく、噛み合わせや歯並びのバランスに悪影響がでます。また、お口の周りのトラブルだけでなく、しっかり噛めないことから胃腸に障害がでたり、肩こりや腰痛などの原因となったりすることもあります。

■すべての歯がない場合
脳への血流が悪くなったり、力が入りづらくなったり、バランスがとりづらく転倒しやすくなったりします。

上部構造がインプラント体に与える影響

自分の歯(天然歯)の場合、その歯の周りに 歯根膜 というものがあり、噛み合わせると若干動いて、噛んだ力を分散させています。一方で、インプラント体の周りには、歯根膜がありません。噛んだ力が顎の骨にダイレクトに伝わるため、上部構造で噛む力を受け止めなければなりません。調整を誤ってしまうと、インプラントのどこかのパーツに負担がかかり、何らかの悪影響をもたらすことになります。このようなことから、上部構造を作製、または装着するときは、見た目だけではなく、噛み合わせのバランスを考えながら治療が進められています。

天然歯とインプラントの周囲の構造

お口の状態は少しずつ変わっていくことが多いので、経年変化に応じた調整はインプラントを長持ちさせる一つのポイントになります。インプラント治療が一段落した後は、定期的に検診を受けて、お口の状態を歯科医師に確認してもらうことが必要です。

噛み合わせの不具合が起こすトラブル

噛み合わせにトラブルが生じると、それぞれのパーツが破損してしまったり、インプラント体が顎から抜け落ちることがあります。その例をご紹介します。

トラブル例1

スクリュータイプのインプラント インプラント治療で使用するパーツには種類がありますが、インプラント体・アバットメント・上部構造をそれぞれスクリュー(ネジ)で連結させるものが多く使われています。このようなタイプは、すぐに付け外しができるメリットがありますが、何らかの理由でインプラントに強い力が加わってしまうと、それぞれのパーツに振動が加わり、スクリューが緩んでしまうデメリットがあります。その状態で使い続けると、噛み合わせがさらに変わってしまい、もっと強い力がそれぞれのパーツに加わってしまうことがあります。このような事態を避けるために、定期検診は必ず受けておきましょう。

トラブル例2

セラミック タイプの上部構造で、スクリューの穴があるものは、何かが起こった時に簡単に外せるメリットがありますが、破折しやすいデメリットがあります。硬いものは噛まないように注意された方がいいでしょう。

トラブル例3

インプラント治療を受けた歯科医院以外で歯科治療を受けることとなった場合、インプラント治療をしていない歯科医師だと、噛み合わせの調整方法が異なることもあり、治療後にそれぞれのパーツに強い力がかかってしまうこともあります。インプラント治療を受けた歯科医院でまずは噛み合わせのチェックを受けましょう。

インプラントは、残っている周りの歯を守りながら、噛み合わせ・歯並びのバランスを維持することができます。失った歯を回復させる方法は、インプラントの他にブリッジや入れ歯の治療方法があります。担当の歯科医師とよく相談して治療方法を選択しましょう。



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トラブル補綴噛み合わせ

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