骨造成をしないインプラント治療

骨造成が必要となる場合とは

重度の歯周病の場合や、長期間歯を抜けたままにしておいた場合などには、顎の骨がやせてしまうことが多く、インプラント治療を希望した場合に下記のようなことが起こります。

  • インプラントを埋入するための充分な骨の幅がない
  • インプラントを埋入するための充分な骨の高さがない

このような場合、審美性の長期的な維持・安定のためといった理由から多くの症例において骨移植骨造成(顎の骨を増やす)という外科手術が行われてきました。
しかし、40年以上のインプラント治療の歴史の中で、インプラント製品や材料などの品質が向上したことや、CTやコンピュータ・シミュレーションによる精密な診断や精確な手術が可能になったことから、骨移植・骨造成を行うことなくインプラント治療を行うことができる症例が増えてきました。


このような骨移植・骨造成を行わない治療を グラフトレスと呼びます。
グラフト(骨移植・骨造成)レス(しない)


骨移植・骨造成のデメリット

  • インプラント手術前に別の外科手術を受けることになる(手術回数が多くなる)
  • 通常3ヶ月〜6ヶ月程度で修了するインプラント治療が9〜12ヶ月と長期になる
  • 外科手術後の合併症のリスクがある
  • 手術回数や治療期間が長いため治療費も高くなる

グラフトレス・コンセプトに基づいたインプラント治療

グラフトレス・コンセプトに基づいたインプラント治療には、以下のようなものがあります。

■ ショートインプラント
下顎の神経や血管のある場所に近い部分にインプラントを埋入したい場合や、上顎洞までの骨の量があまり無い場合に、標準的なインプラント(10mm)よりも短い長さのインプラント(ショートインプラント)を使用して治療を行うことが可能です。
以前は長ければ長いほど、インプラントは安定すると考えられてきましたが、 インプラントを埋入してから約3〜6ヶ月経過して骨が完全に結合すれば、インプラントの長さは関係ないということは多くの文献で証明されています。ショートインプラントはわずか5〜7mm程度の骨の高さがあれば使用可能ですが、患者様個人の咬合力や口腔内の状態によって使用可能かどうか診断を判断いたします。


■ インプラントの傾斜埋入
インプラントを天然歯と同様に垂直に埋入するためには骨の高さが足りないといった場合において、インプラントを顎の骨に対して斜めに埋入する治療法があります。インプラントを傾斜して埋入することは、より骨質の良い部位にインプラントを埋入できることやインプラント本数を少なくすることなどに大きな優位性があります。
また、骨造成などを行う場合と比べて患者様の負担を軽減することができ、通常のインプラント手術と変わらない治療期間で治療を終えることが可能です。
ただし、適切な位置に傾斜させて埋入するためには、しっかりとした術前の診査と歯科医師の技術力が必要です。


■ オールオンフォー
歯をすべて失った方にとって、インプラント治療を行うために骨移植や骨造成を行うことは大変苦痛です。さらにインプラント治療後の治癒期間(約3〜6ヶ月)において満足に食事もできない状態だとすれば、インプラント治療を諦めるしかなかった患者さんも多いと思います。オールオンフォーとは、全ての歯を失った場合に、必要最少本数である4本のインプラント体をバランスよく骨に埋め込んで力を広く均等に配分することにより、4本のインプラントで全ての人工の歯をしっかりと支えて固定する治療法です。
骨移植・骨造成を行わなくても手術のその日の内に仮歯を入れることができるので、たった1日で食事もできるようになる画期的な治療法です。
資料提供
ふじなみ歯科医院
副院長 : 藤波 淳
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