先天性欠如歯の治療方法は?インプラント、歯列矯正など

生まれつき永久歯が生えない「先天性欠如歯」がある方の治療方法や治療の開始時期について解説しています。

更新日:2021/12/02

先天性欠如歯の治療方法は?インプラント、歯列矯正など

■目次

  1. 先天性欠如歯の治療法
  2. 先天性欠如の治療方法について
  3. ■保険診療の対象となる治療(保険診療の場合は費用を抑えることが可能)
  4. ■保険適用外で全額自己負担(自由診療)となる治療(費用が高くなる)
  5. 治療を始める時期

先天性欠如歯の治療法

先天性欠如歯の治療法

人の歯は、乳歯は20本、永久歯は28本(親知らずを入れると32本)ありますが、中には生まれつき歯の数が少ない「先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)」の方がいます。先天性欠如歯は、乳歯・永久歯のどちらにもみられますが、乳歯では非常に稀です。特に永久歯で多く見られます。ここでは、永久歯が生えない場合の治療方法や、治療を始める時期などについてご紹介します。

(※)永久歯が生まれつき生えてこなくても、乳歯が残っている場合(晩期残存)は、乳歯が抜けるまで使い続けることもあります。

先天性欠如の治療方法について

欠如した永久歯を補うには次のような方法があります。一つの治療法で行うこともあれば、いくつかの治療法を併用することもあります。

■保険診療の対象となる治療(保険診療の場合は費用を抑えることが可能)

ブリッジ : 治療期間の目安→2週間~1か月程度
先天性欠如歯の両隣にある歯の形を整えて土台とし、真ん中に偽の歯(ポンティック)のある被せ物(ブリッジ)を被せる治療法です。土台となる歯の負担が増えてしまいますが、短い治療期間で補うことができます。

部分入れ歯 : 治療期間の目安→2週間程度
部分入れ歯は人工歯にクラスプ(ばね)の付いた形状で、クラスプを先天性欠如歯の隣にある歯にかけて、入れ歯を安定させる治療法です。ブリッジやインプラントと比べると噛む力が弱くなりやすいです。また、クラスプをかける歯へ負担がかかることや、顎の骨がやせてしまう(吸収する)ことなどの問題もありますが、ブリッジと同様に短い治療期間で補うことができます。

>>入れ歯・ブリッジ・インプラントのメリット/デメリット

■保険適用外で全額自己負担(自由診療)となる治療(費用が高くなる)

歯列矯正 :治療期間の目安:1~3年程度
矯正装置を使用して歯並びや噛み合わせを整える治療法です。矯正装置をつけるので、治療期間中は多少違和感がありますが、他の歯を削ったり、大きな負担をかけることなく欠如したスペースを調整することができます。6本以上の先天性欠如歯がある方の矯正治療は保険が適用されるため、歯科医院で先天性欠如歯があると診断された場合は本数を確認してみましょう。
>>矯正歯科ネット「歯の先天欠如 … 生まれつき数が足りない歯」

インプラント : 治療期間の目安:6ヵ月~1年程度
外科手術で人工歯根(フィクスチャー)を埋め込んで、上部構造と呼ばれる人工歯(被せ物)を接続する治療法です。他の歯に負担をかけることなく、機能や見た目を補うことができます。インプラントを埋め込むには、一定の歯と歯の間のスペースが必要で、狭い場合は矯正治療を併用しなければならないこともあります。お口やお身体の状態によっては治療が難しいと診断されることもあります。
>>「歯科インプラントとは」

治療を始める時期

入れ歯や矯正治療は成長期から治療が始まることもありますが、ブリッジやインプラントは、歯の生え変わりや顎の成長などが落ち着いてから治療を始める傾向にあります。
治療をすぐに始められない場合は、先天性欠如の部分歯が傾いてきたり、噛み合わせの歯が伸びてきてしまわないよう、部分入れ歯や仮歯などを付けて過ごすこともあります。このように、治療を始める時期については、お口の状態や治療方法によって大きく異なります。
先天性欠如歯の可能性がある場合や診断された時は定期的に歯科医院へ通院し、適切な時期に治療が始められるよう、事前に相談しておくことをおすすめします。

それぞれの治療法にメリットやデメリット、リスクがあります。診査・診断を受けて歯科医師とよく相談しましょう。

記事監修

]歯科医師 古川雄亮 先生

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。