治癒促進、骨再生治癒を促進させるPRPテクニック

インプラント総合サイトです。歯科インプラントに関する治療説明、症例写真『治癒促進、骨再生治癒を促進させるPRPテクニック』についてご紹介します。歯を失ってお困りの方、入れ歯・ブリッジが合わない方は是非ご覧下さい。

更新日:2019/10/02

■目次

  1. PRPとは
  2. PRPを使ったの臨床的特長
  3. PRPの精製法
  4. ステップ1
  5. ステップ2
  6. ステップ3
  7. ステップ4
  8. ステップ5
  9. ステップ6

PRPとは

PRPとは、Platelet Rich Plasma(多血小板血漿)の略語で採取した血液の中から濃縮した血小板を取り出した血漿のことです。
血小板はそもそも体の細胞の増殖を促進する成長因子があることが発見されていて止血作用とともに血管や組織の修復機転に関与することが解明されています。

PRPを使ったの臨床的特長

骨質が悪い症例でも成功率が高くなる
骨の質が悪い、骨が薄く少ない、骨粗鬆症(中、軽度)であってもインプラントの治療が可能になりました。 また移植骨を用いて骨を作る際、移植骨にPRPを混ぜるととても強い質の良い骨を作ることが出来ます。

歯槽骨の増強に使用する
サイナスリフトやソケットリフトで上顎洞粘膜(シュナイダー粘膜)を押し上げ、インプラントを装着する部位に補填する治療法にも有効に活用できます。

インプラントの骨結合や歯茎の治癒を促進する
血小板は血液中の細胞で血液を固めて出血を止める働きをします。したがって治癒部分に素早く集合して止血機構を始動させます。
その血小板をさらに濃縮したPRPを患部に集合させると、血小板から成長因子が出て飛躍的に回復を早めることができます。 しかもそのPRPは自分自身の血小板から生成したものですから安全です。

術後の腫れが少なく痛みが伴わない
インプラントや骨再生手術後の痛みや腫れを防ぐ作用がありますので、術語のケアが楽になりました。

<注意>
血液採血とPRP生成はインプラント患者様全員に必ずしも行うものではありません。またやらないとインプラント治療ができないということではありません

PRPの精製法

ステップ1

採血 

血液凝固防止剤の入った黄色の試験管(10cc)を2本(左から2本)と 自己トロンビン用試験管4cc1本、血液血球計測用試験管2cc1本を採血する。

ステップ2

1回目の遠心分離(2300回転/9分)

黄色の蓋の採血管2本をそのまま遠心分離器に入れ、1回目の遠心分離機(2300回転/9分)で分離を行う。





血漿と血球に分離される

ステップ3

血漿部分の分離 

遠心分離した採血管から空気を吸わないように、ゆっくりと5mlシリンジに長い針(18G)を付けて、血漿と血球の分離面の境目から下1~2mmまで吸い上げる。吸い上げたものを別の試験管(赤色の蓋)にいれる。もう1本の試験管も同様にこの操作を行う。



黄色の採血管2本から、吸い上げた部分を赤の採血管1本に合わせたもの。

ステップ4

1回目の遠心分離(2300回転/9分)

黄色の蓋の採血管2本をそのまま遠心分離器に入れ、1回目の遠心分離機(2300回転/9分)で分離を行う。

ステップ5

血漿部分の分離 

2回目遠心分離後の様子、これを上方から3/4まで吸い取る。これがP.P.Pとなる。





残りの下方1/4のもの。吸い取ったP.R.P.を別の試験管にいれ、試験管ミキサーでMixし、濃度を均一にする。





上の生成したP.R.P.をミキサーにかけたものを使いやすいように5mlシリンジに入れた様子。これで液体のP.R.P.の完成

ステップ6

アクチベーターの作成

1.自己トロンビンの作成

最初に採血し放置しておいた自己トロンビン用の採血管4mlを遠心分離機(3600回転/12分)にかける。


2.血清部分の吸い取り 

遠心分離機後上澄み(血清)を上から0.75ml先ほど26Gツベリクリン針で吸い上げる。


3.10%塩化カルシウムの作成

滅菌した薬包紙に1グラムの塩化カルシウムを秤量し、10mlディスポシリンジの中に入れる。その後、蒸留水を10mlになるまで吸う。これを、付属の26G針付きのシリンジで0.25ml吸う。


4.アクチベーターの完成

上記の先ほど26Gツベリクリン針で吸い上げた0.75ml自己トロンビンに0.25mlの塩化カルシウム液を吸い取り、両者合わせて1mlにし、アクチベーターにする。


生成した血漿のP.R.P.とP.P.P.を右のような小さいシャーレに移し、この中に先ほど作った1mlのアクチベーター適量をこの中に滴下する。
この作業でゲル化して使いやすくなりインプラントの切開層の部分やGBRの人工骨に混ぜ合わせる。

記事提供

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。