ソケットリフトとは ― あごの骨が不足している場合

ソケットリフトは、上顎奥歯の骨が薄い場合に行われる外科手術の一つです。ここでは、ソケットリフトの特徴についてご紹介します。

更新日:2021/12/02

■目次

  1. ソケットリフトとは?
  2. ソケットリフトのメリット・デメリット
  3. ソケットリフトの手術の流れ
  4. STEP1
  5. STEP2
  6. STEP3
  7. ※治療結果には、患者さんによって個人差があります

ソケットリフトとは?

ソケットリフトとは?

上顎奥歯の顎骨の上には、鼻とも繋がる空洞(上顎洞)があり、上顎洞は粘膜(シュナイダー膜)で覆われています。ソケットリフトとは、特殊な器具を使って上顎洞の粘膜を上げて人工骨や天然骨を補填することで、埋め入れるインプラントの深さを確保します。
確保した深さは、3~6ヵ月程度で安定します。

ソケットリフトの手術について
手術の流れはインプラントを埋め入れるときと似ており、ドリルで骨を削った穴からアプローチしますので、小さな外科処置で骨を造ることができます。ソケットリフトと併せて、骨をずらした部分に細かく粉状にした患者さん自身の骨や人工骨の移植を行います。ソケットリフトの場合、同時にインプラントの埋め入れを行います。

ソケットリフトのメリット・デメリット

■ソケットリフトのメリット
・外科処置の範囲を最小限に抑えながら、骨の厚みを造ることができる
・痛み、腫れ、術後出血のリスクが低い
・身体への負担が少ない
・手術時間は短時間で済む


■ソケットリフトのデメリット
・造れる骨の範囲が限られる
・治療を受けられる人が限られる
・粘膜の状態が目視できない
・誤って上顎洞と貫通してしまった場合、副鼻腔炎や蓄膿症の恐れがある

ソケットリフトの手術の流れ

STEP1

STEP1

骨が薄いままでインプラントを埋め入れると、粘膜を貫通し傷つけて炎症を起こしてしまう可能性があります。
また、インプラントと骨との結合が足りなくなり、インプラントの周りの骨がインプラントを支えられないことなどが考えられます。

STEP2

STEP2

歯茎を切ってドリルで骨を削ります。ドリルで削った穴に特殊な器具を挿入し、粘膜を挙上し、しっかりとインプラントを埋め入れるスペースを獲得します。
この時ドリルで開ける穴はインプラントを埋め入れる穴とほぼ同じ大きさのため、患者さんの負担は少ないとされています。

STEP3

STEP3

粘膜を挙上した部分に患者さん自身の骨を細かく粉状にしたものや人工骨補填材を移植します。
同時にインプラントを埋め入れる手術を行うことが多いでしょう。
骨の状態が悪い場合は、インプラントを埋め入れる手術は骨ができあがってから行うこともあります。
処置が完了したら歯茎を縫い合わせ、感染を予防します。

※治療結果には、患者さんによって個人差があります

患者さんの状態によっては、ソケットリフトではない骨を増やす手術をすすめられる事や、骨を増やす治療を受けられないこともあります。
詳しくは、診察・精密検査を受けて、担当の歯科医師とご相談ください。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。