実際のインプラント治療の流れ - 当日から手術完了まで -

このページでは、インプラント手術当日の治療の流れを、高血圧・軽度糖尿病・膠原病[こうげんびょう](結合組織病)の全身疾患をお持ちの方を一例にしてご紹介します。

更新日:2019/09/30

■目次

  1. ≪前のページへ≫
  2. STEP5  来院
  3. STEP6  CT撮影
  4. STEP7  歯科麻酔の担当医師との面談
  5. STEP8  手術
  6. STEP9  手術終了 リカバリー
  7. STEP10  手術後の説明
  8. STEP11  上部構造の作成
  9. STEP12  治療終了
  10. 術前・術後の変化
≪前のページへ≫

実際のインプラント治療の流れ - カウンセリングから前日まで -


カウンセリングや治療計画を経て、インプラント手術当日を迎えた患者様が当日どのような流れで治療を受けられるのかをご紹介します。(患者様本人のご厚意によって、撮影させていただきました)

STEP5  来院

受付にて診察券を渡していただきました。患者様は緊張しているとお話しなさっていました。受付にいるのがインプラントを主に担当している大久保衛生士です。患者様の心配事や、治療状況、ご希望をお伺いすることから、 歯周治療、インプラント手術のアシスタントまで担当しています。

最終的な歯が入った後も、メインテナンスを担当させていただきます。

STEP6  CT撮影

手術室では、すでに手術の用意が済んでおります。手術に使用する器具は滅菌され、術者(歯科医)、麻酔医、第一助手、第二助手、カメラアシスタントで手術に望みます。 観血処置に必須である生態モニター(EtCo2、SPO2、心電図、血圧)、体温測定器、血糖測定器などが配備されています。

なお、手術後の出血、異常な疼痛、悪心、嘔吐にも対応しやすいように、手術時間は原則火曜日から土曜日の午前中の手術時間になっております。患者様の安全のためですので、ご理解ください。


上図の写真は、歯科衛生士によるPMTCの様子です。手術前に患者様の口腔内を清潔にするため、プラークや雑菌を排除し手術範囲の消毒をします。

STEP7  歯科麻酔の担当医師との面談

歯科麻酔の先生との面談です。手術に対する不安や緊張を和らげ、できるかぎり患者様がいい状態で手術に臨めるようお手伝いをします。


手術では静脈内鎮静法という方法を用いて麻酔をかけます。全身麻酔と違い、患者さんの意識はしっかりあります。手術中も周りとの会話は出来ており、この患者様は「気持ち良い」とおっしゃっていました。手術中の「口をあけてください」や、「お鼻でしっかり息してください」などの指示に協力していただきながら、インプラント手術を進めていきます。

麻酔医と協力しているのが、看護士の伊藤智美です。手術中に麻酔医の指示を受けたり、患者様の悪心、嘔吐などのケア、術後の回復状況のチェックを行います。手術前からご帰宅まで、責任を持ってサポートさせていただきます。

患者様はこの時点で気持ちが良いとおっしゃっていました。麻酔がかかっている最中も、周りのスタッフと会話をしています。


最初、患者様は緊張のため血圧が150くらいまで上がっており、患者様ご自身もびっくりされていましたが、手術直前には麻酔が効き緊張も解けて、血圧は110台までに下がりました。このようにして全身の偶発症、危険の回避を行います。

STEP8  手術

インプラントは、清潔なものを体の中に入れていかなければならないので、通常の抜歯手術より厳密な滅菌環境が要求されます。使い捨てのガウン、専用グローブなど大量に使い滅菌環境を実現しています。
手術中も麻酔医と看護師が、患者様の状況に目を光らせ、手術範囲だけではなく、長時間寝ていることによる腰の痛みや、足の圧迫、点滴を取っている腕の動きなどに注意を払っております。

手術はおよそ1時間程度で終了します。

STEP9  手術終了 リカバリー

インプラントが終わりましたら、手術中目を閉じている患者様のために、まぶしくないようにライトの光を落してのリカバリー(回復)になります。

?

この時点でも患者様と麻酔医とは会話をし続けており、意識レベルのチェックが行われます。まだ患者様はボーとした感じがするとお話されておりました。手術中の痛みや、 口の中を触られている様子を聞くと全く記憶がないとのことです。


麻酔医の許可が出た後、術後のレントゲン写真を撮ります。看護師、衛生士に誘導されて撮影となります。

STEP10  手術後の説明

リカバリー後、執刀医からインプラント手術の状況、手術中に起こった出来事、今後の注意事項について説明させていただきます。


通常はここまでで2時間程度になり、滞在時間のほとんどが麻酔のリカバリーや、消毒、説明時間で、実際に手術をしている時間は、長い方で1時間程度、短い方でしたら15分で終了いたします。


こののち、患者様の止血の確認後お迎えの方と一緒にご帰宅いただきます。お迎えの方に付き添っていただくのが一番良いのですが、無理な場合は当院提携タクシー会社にてお送りいたします。タクシーチケットを用意させていただいておりますので、ご利用ください。

STEP11  上部構造の作成

この患者様は、手術当日の機能回復をお望みになられましたので、ここからインプラント上部構造(人工の歯)の作成になります。
当日に入れる歯は、いわゆる仮の歯という状態ですが、義歯の利用を今日限りにしたいとご希望され、CTの結果骨の条件もよく、手術時の骨の硬さも十分であったため即日回復をいたしました。

ここから、仮歯の完成まで2時間くらいかかります。患者様には、雑誌を読んでいただいたり休憩していただいたりご自由に過ごしていただきます。

STEP12  治療終了

患者様は手術当日に歯が入り大変喜んでいらっしゃいました。

この後、食事に関する注意事項、麻酔後の注意事項、お手入れについてお話させていただきました。この患者様は腫れもほとんどなく、術後の痛みも「痛み止めを飲む程度で消える痛み」だとおっしゃっていました。

手術後の注意事項には、術者の携帯電話番号も記載されておりますので、何かございましたら24時間対応できるようになっております。

患者様は素敵な笑顔を回復され、タクシーにてご帰宅されました。

術前・術後の変化


※ 治療の結果につきましては、個人差がございます。

記事提供

【PR】フィリップス ソニッケアー
歯科専門家使用率NO.1

フィリップス・ジャパン

あわせて読みたい記事

メディア運用会社について

メディカルネット

株式会社メディカルネット(東証グロース上場)は、より良い歯科医療環境の実現を目指し、インターネットを活用したサービスの提供にとどまらず、歯科医療を取り巻く全ての需要に対して課題解決を行っています。

当サイト「インプラントネット」を通して生活者に有益な医療情報を歯科治療の「理解」と「普及」をテーマに、自分に最適な歯科医院についての情報や、歯の基礎知識、インプラントなどの専門治療の説明など、生活者にとって有益な情報の提供を目指しています。

インプラント歯科医院を探すなら「インプラントネット」

インプラント治療を行なっている歯科医院を、全国から簡単に検索できます。お近くのインプラント歯科医院をお探しの場合にもぜひご活用ください。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。