インプラント周囲炎を予防するためには

インプラント周囲炎とはインプラントの歯周病のこと。周囲の骨を溶かしインプラントの寿命を縮める恐ろしい病気です。ここではインプラント周囲炎を予防するポイントをご紹介しています。日常生活の改善点も記載していますので是非参考になさって下さい。

更新日:2019/10/04

■目次

  1. インプラント周囲炎を予防するためには
  2. インプラント周囲炎の予防のポイント1 <日常生活で習慣をつける>
  3. インプラント周囲炎の予防のポイント2 <歯科で定期検診を受け続ける>
  4. まとめ

インプラント周囲炎を予防するためには

インプラント治療が成功しても、治療後のお口の状態によっては歯周病と似た病気「インプラント周囲炎」を引き起こすことがあります。インプラント周囲炎が進行すると、腫れや痛み、膿が出るなどの不快な症状がでることや、最悪の場合にはインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。インプラント周囲炎を防ぐポイントとしては、日常生活で注意することと、歯科で定期検診を受け続けることが挙げられますのでご紹介します。

→インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎の予防のポイント1 <日常生活で習慣をつける>

■プラーク(歯垢)を丁寧に落としましょう
インプラント周囲炎の主な原因はプラーク中の細菌で、これは丁寧なブラッシングで取り除くことができます。しっかりプラークを落とすためには、「お口の状態に合った磨き方」と「適切な清掃道具選び」を知っておくことが重要で、これらはお口の状態によって一人ひとり異なります。インプラント治療を受けたことにより歯並びが変化し、これまでのブラッシングの注意点と変わってしまうこともありますので、インプラント治療後に改めて歯科医師や衛生士からブラッシング指導を受けておかれるとよいでしょう。毎日適切なブラッシングでプラークを落とし、清潔なお口の環境作りをしましょう。

→インプラントを長持ちさせるためのセルフケア(自分で行う歯磨きのコツ)

■時間を決めて食事をとるとように心掛けましょう
プラークの形成は飲食の回数に比例し、時間を決めずに食事や間食をとっているとプラークが増えやすく、インプラント周囲炎を引き起こす可能性が高くなってしまいます。仕事や家事をしながらダラダラと食べる癖がある方は、生活習慣を見直しましょう。

■食事中は一口30回噛みましょう
食べ物をよく噛むと、唾液の分泌量が増える傾向にあります。唾液量が多くなると、歯や歯茎に食べ物が残りにくくなります。柔らかい食べ物ばかりとっていると、噛む回数を増やすことは難しくなりますので、野菜類や海藻類など噛む回数が自然と増えるような食品を取り入れるとよいでしょう。

■喫煙は控えましょう
喫煙は、インプラント周囲炎や歯周病を引き起こす要因の一つとされています。禁煙が難しい方は、禁煙外来の受診を検討されるか、歯科医院で相談してみましょう。歯科医院のなかには、禁煙補助剤を処方してくれるところもあるようです。

インプラント周囲炎の予防のポイント2 <歯科で定期検診を受け続ける>

<定期検診で分かること>
定期検診では、プラークや歯石の有無や、インプラントや他の歯、歯茎、噛み合わせなどの状態の確認、レントゲン写真で顎の骨の確認などをし、その結果に応じて調整や処置、指導などを受けますので、インプラント周囲炎を誘発する要因を防ぎやすくなります。

→歯科医院で行うメインテナンスとは?

■自分では落としきれない汚れを歯科医院で落としてもらいましょう
すべての歯を丁寧に磨いているつもりでも、磨き癖があり、汚れの溜まりやすい箇所がある方が多いようです。歯茎の付近にプラークが溜まり続けると、歯石が形成されやすくなります。歯石は、軽石のような構造をしているためさらにプラークが付きやすく、細菌が繁殖しやすい足場となってしまいます。歯石となってしまうと、自分自身では落とすことができませんので、歯科医院で器具や機器を使って落としてもらうことが必要です。プラークや歯石などを取ってもらうと、再び汚れが付きにくくなるメリットがありますので、定期的に受ければ健康的な状態を保ち続けることができるでしょう。

まとめ

せっかく時間と費用をかけてインプラント治療を受けたのですから、インプラント周囲炎によるトラブルで辛い思いをすることは避けたいものですね。お口の状態によっては、上記以外にも注意しなければならないこともありますので、歯科医師や衛生士と相談しながら予防に努めましょう。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。