歯の壊死とは?~神経が死んでしまった歯~

以前と比べて変色している歯がある場合、「歯が壊死しているのでは?」と不安に感じることと思います。歯をどこかにぶつけたなど、自身に思い当たるようなきっかけがなくても、虫歯を放置していると、意外と簡単に歯が壊死まで至ってしまうことがあるのです。本記事では、歯の壊死の原因や症状、治療法などを詳しくご紹介します。

更新日:2021/11/10

歯の神経を解説

■目次

  1. 歯の壊死とは?
  2. 歯が壊死してしまう原因
  3. 歯が壊死している場合の症状は?
  4. 歯が壊死してしまった場合の治療方法
  5. 歯の壊死による変色は白くなる?
  6. まとめ

歯の壊死とは?

歯の神経が壊死の可能性

歯の壊死とは、正確には「歯の神経の壊死」のことです。

壊死が起こる流れとして、まず歯の中には歯髄(しずい)と呼ばれる神経や血管が通っています。虫歯が進行して歯髄に到達すると、冷たいものや温かいものがしみたり、何もしていなくても痛みを感じたりする「歯髄炎」という症状が起こるのです。

さらにこのまま歯髄炎を放置していると、歯髄が死んでしまう「歯髄壊死」となり、歯の神経が壊死することになります。

歯が壊死してしまう原因

健康な歯と虫歯が神経まで侵食してしまっている状態を比較

歯の壊死が起こる原因はいくつかあり、重度の虫歯や歯周病のほか、歯を強くぶつけたり、歯がひび割れたり、噛み合わせが悪かったりすることでも歯髄壊死に至るのです。その他にも、矯正治療を行った際に歯の壊死が引き起こされるケースも考えられます。

虫歯が原因となる場合は、虫歯を治療せずに放置していたときだけでなく、深くまで進行した虫歯を治療した際に、神経を傷つけてしまい壊死することもあるのです。

歯が壊死している場合の症状は?

歯の壊死による変色

歯が壊死していると以下のような症状が見られます。

歯の変色

歯髄壊死が起こった歯は、他の歯と比べて白さがなくなり、黒っぽい色や茶色っぽい色へと変色するのです。どれほど変色するかは、患者さんそれぞれで違いがあります。

痛み・しみることがなくなる

例えば、虫歯が進行して歯髄炎になっている場合には、その箇所はしみたり痛みを感じたりします。その後歯髄壊死に至ると、冷たいものや温かいものでしみるということがなくなるのです。

しみたり痛んだりしなくなったことで、自然と虫歯が治ったと勘違いする患者さんも多くいらっしゃいます。しかし、実際には虫歯が治ったのではなく、神経が死んでしまったことで何も感じなくなったのです。

歯が壊死してしまった場合の治療方法

歯が壊死してしまった場合の治療方法

「いつの間にか歯が変色してしまった」という患者さんは多くいらっしゃいます。歯の壊死を放置していると、骨の中に膿ができたり、さらに歯の変色が進んだりしてしまうのです。

そうなるといずれ抜歯することになるため、将来にわたって長く自身の歯をもたせるには、壊死した部分の治療が必要となります。

壊死した歯髄の除去

根幹治療の図解

壊死した神経が元通りに蘇ることはないため、歯の根の中の歯髄を取り除く「根管治療」というものを実施します。

根管の消毒・清掃

根幹の清掃・消毒の図解

歯髄を除去できたら、細菌を繁殖させないよう根管の消毒・清掃を十分に行います。

根管の封鎖

根幹に薬剤・詰め物を充填した図解

新たな細菌が根管に侵入しないように、詰め物で封鎖して完了です。

歯の壊死による変色は白くなる?

歯が壊死してしまっても歯が白くなるのか

歯の壊死した神経の治療が完了しても、歯の変色が気になる方も多いと思います。歯が壊死しているケースでは、歯の中から変色が起こっているため、歯を外側から白くするホワイトニングや、着色除去などではさほど白くなりません。

といっても歯を白くする方法がないわけではなく、歯の壊死のためのホワイトニングがあります。

ウォーキングブリーチ

「ウォーキングブリーチ」は、歯の中にホワイトニング剤を入れて白くする方法です。

壊死した歯髄を除去して、根管の消毒・清掃が完了した後に、根管にホワイトニング剤を入れていきます。ホワイトニング剤の交換を数回繰り返すことで、徐々に歯が白くなっていくのです。最後は詰め物で封鎖して治療完了となります。

セラミック治療

該当の歯が全体的に変色していたり、極端に黒く変色していたりする場合には、ウォーキングブリーチよりもセラミック治療が適しているかもしれません。

セラミック治療の一つは、歯を削ってセラミッククラウンですっぽりと歯を覆う「オールセラミッククラウン」という方法。セラミックを被せることで、見た目は健康的な白い歯になるのです。

また、「ラミネートベニア」という治療法もあります。これは、歯の表面に薄い板を貼り付けて白く見せるもの。オールセラミッククラウンは歯を大きく削る必要がありますが、ラミネートベニアでは表面を少し削る程度で済むため、自身の歯を残すことができるのです。

ラミネートベニアは、もともとの歯の状態も見栄えに影響するため、ウォーキングブリーチと一緒に行うことも多くあります。

まとめ

虫歯を放置していると歯が壊死することがあり、この場合は歯髄の除去が必要となります。歯が変色しているなど「壊死しているかもしれない」と感じたら、放置せずに適切な治療を受けるようにしましょう。

また、変色に対してのホワイトニングなどもあり、壊死していたとしても歯の見た目を改善させることができます。審美性が気になる場合には、歯科医に相談してみてはいかがでしょうか。

この記事でお口に対するあなたの不安が少しでも解消されたら幸いです。

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歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。