治療後に起こりうる様々な症状 〜治療後半年以上〜 

インプラント手術後に起こりうる症状

インプラントの構造
▲インプラントの構造

歯科インプラントは、あごの骨に埋め入れる「インプラント」と、上部構造とも呼ばれる「人工歯」と、そのインプラントと人工歯を連結する「アバットメント」の3つの部品で構成されています。インプラント治療の成功率は、約96〜98%といわれており、適切な治療とメインテナンス(かみ合わせの調整やインプラント部分の清掃など)を行えば、長期的に安定した状態で使い続けられるとされています。しかし、しっかりと噛めていた(使えていた)インプラントでも、突然、何らかの理由で問題が生じてしまう場合があります。ここでは、治療後半年以上たって起こり得る問題について、ご紹介いたします。

埋め込んだインプラントに起きる問題

インプラントに起きる問題
■インプラントが抜けた・インプラントを支えるあごの骨が痩せた
稀なことではありますが、インプラントが、あごの骨から抜け落ちたり、インプラントを支える骨が痩せ、歯茎の中に埋まっているはずのインプラント(歯根部分)が見えてくる場合があります。原因の一つとしては、噛み合わせなどのお口全体の変化があげられます。もう一つは、歯に付いた食べカスやブラッシング不良による磨き残しが、時間がたって“プラーク”とよばれる細菌のかたまりになり、それが炎症を起こした場合です。これは「インプラント周囲炎」と呼ばれ、初期の段階で治療できれば、あごの骨から抜け落ちることを防げる場合があります。
いずれにしても、埋め込んだインプラントに問題が起きた場合は、すぐに歯科へ連絡し、診察を受けて今後の治療方法について、しっかりとご相談されることをお勧めします。すぐに受診できない場合は、舌や指でその部分を触らないようにしましょう。

■インプラントが折れた
ごく稀なことですが、インプラントが折れてしまうケースもあるようです。その場合も同様に、すぐに連絡して受診をし、原因と今後の治療方法について検討してもらいましょう。

上部構造(人工歯)に起きる問題

人工歯に起きる問題
■人工歯が取れた・ぐらつきがある
人工歯やアバットメントをネジで連結している場合は、それらをつなぐネジが緩んでいるか、部品が折れている可能性があります。その場合は、ネジを締め直すか、部品を交換することで、再びお口の中で使うことができます。人工歯をセメントで固定している場合は、セメントが流れ出た可能性がありますので、洗浄をして再びセメントで付け直せば、使うことができます。このセメント固定タイプの人工歯が、頻繁に取れるような場合は、人工歯がお口の状態に合っていないことも考えられますので、歯科医師と相談しましょう。

■人工歯が欠けた・割れた・ひびが入った
打撲や、硬すぎる物(氷や食べ物に混じった石など)を噛むなど、インプラントに強い衝撃があると、天然歯(自分の歯)と同じように、人工歯も欠ける・割れる・ひびが入ることがあります。インプラントやアバットメントに異常が無ければ、人工歯を補修、または作り直しをすれば、再び使うことができます。衝撃を受けていないのに、このような状態になった場合は、噛み合わせなどに問題があることが考えられます。診察を受け、問題点を改善してもらいましょう。

歯茎に起きる問題

歯茎に起きる問題

■歯茎が腫れる・出血する・膿が出る
インプラント周囲の歯茎の腫れや、出血したり膿が出たりする場合は、「インプラント周囲炎」の可能性が高いです。歯科に連絡し診察を受けましょう。インプラントの周囲に付着した細菌のかたまり(歯石やプラーク)を落とし、洗浄と消毒を繰り返し続けると症状が落ちつくこともあります。放っておくと、あごの骨から抜け落ちることも考えられますので、早めに診察を受けましょう。

■歯茎の締め付け感
歯茎に締め付けるような違和感がある場合は、人工歯を外して洗浄と消毒を行い、締め直しをすると落ち着くこともあります。まずは、受診して原因を検討してもらいましょう。

その他

■噛むと痛む
噛むと痛む場合は、噛み合わせに変化が生じた場合や、インプラント周囲の粘膜が、炎症を起こしている可能性があります。早めに診察を受けましょう。

■発音がしにくい
人工歯を装着して半年以上経っても、発音がしにくい場合は、人工歯の修正や新しく作り換える必要があるかもしれません。歯科医師とよくご相談ください。

■隣の天然歯(自分の歯)がぐらつく
インプラント治療の隣の天然歯がぐらつくことで、お口の中の噛み合わせの状態が変化し、インプラントに負担がかかる恐れがあります。放っておくと、インプラントが抜け落ちることも考えられますので、早めに診察を受けましょう。

インプラントには、天然歯(自分の歯)のように歯の中に神経がないため、炎症などが進んでいても自覚症状が出にくい特徴があります。具体的な症状が出たときには、治療が難しくなる場合もあります。インプラントをより長く使い続けるために、必ず定期検診を受けましょう。「今までとは何か違う」というようなお口の中の違和感があれば、早めに歯科医師に相談されることをお勧めします。

保証制度 インプラントの保証制度

インプラントに問題が起きた際に、再修復・再手術の費用を歯科医院または歯科医院と提携している保証会社が負担を約束する「保証制度」を設ける歯科医院があります。保証制度に加入した場合は、保障内容について明記された証明書が発行されることがあります。何か症状が出て歯科へ行く際は、この証明書を忘れず持って行きましょう。
※保障内容の詳細は、医院や提携している保証会社によって異なります。保証範囲(保証される費用、自費で負担しなければならない費用)について、事前に把握しておきましょう。