インプラント周囲炎の治療

インプラント総合サイトです。インプラント治療後に引き起こるインプラント周囲炎の治療法についてご紹介します。

更新日:2020/06/19

■目次

  1. インプラント周囲炎に対する治療法
  2. まずは、細菌の除去から
  3. それでも改善しない場合には外科的な治療を
  4. 非外科的療法いろいろ
  5. 外科的療法いろいろ
  6. 記事監修

インプラント周囲炎に対する治療法

インプラント周囲炎の治療法は2つあります。細菌の除去や薬物投与などの「非外科的療法」と、炎症部分をメスなどで切開して取り除く「外科的療法」です。

まずは、細菌の除去から

インプラント周囲炎の主な原因は細菌感染ですので、まずは、非外科的療法で症状の緩和を図ることが一般的です。

それでも改善しない場合には外科的な治療を

非外科的療法だけでは改善しない場合や、インプラントを支える顎の骨の吸収が大きい場合は外科的療法が行われます。

ここでは、非外科的療法と外科的療法の治療内容について簡単にご紹介します。

非外科的療法いろいろ

■機械的清掃
器具や機器を用いて、インプラントの周囲、または歯と歯茎の溝の間(歯周ポケット)に停滞したプラークや歯石などを落とします。次の殺菌療法と併用されることの多い処置です。

■殺菌療法
洗浄剤を使用して以下のことを行います。
歯周ポケット(インプラントと歯茎の間の溝)に薬剤を入れて、部分的に洗い流す
・薬剤でうがいをして、口腔内に増殖した細菌を洗い流す

■抗菌療法
主に急性炎症を抑えたい場合や、菌血症(細菌が血液中に侵入すること)を予防したい場合に、次のことが行われます。
・処方された抗生物質を一定期間服用する
・抗生物質を歯周ポケットに挿入する

投薬や歯周基本治療よる非外科的療法と併せて、ブラッシングや食生活の指導、噛み合わせの調整なども行われます。インプラントの状態によってはブラキシズム(歯ぎしり)、喫煙、全身状態などに対し、必要な治療や生活の指導が行われることがあります。 

>>インプラントを長持ちさせるためのセルフケア(自分で行う歯磨きのコツ)

外科的療法いろいろ

■切除療法
歯茎を切り開き、汚染されたインプラント体の表面を出して、以下のことを行います。
・薬剤にてインプラント体の表面を清拭する
・器具や機器を用いてインプラント体の表面を磨く
・感染によってできた歯周ポケットを切除する
など、インプラント体に付着した肉芽(不良な)組織を取り除くことを行い、歯茎を閉じます。お口の状態によっては、併せて再生療法が行われることもあります。

■再生療法
感染によって失った歯茎や顎の骨を回復させるために、下記のような再生療法が行われることがあります。
・骨移植…自分の骨や人工骨を移植し、顎の骨を増やす方法 
GTR法…歯茎を切って開いたところに、「メンブレン」という膜を置いて顎の骨の修復を待つ方法
遊離歯肉移植…治療を受ける患者様の上あごの口蓋 [こうがい] から“上皮”と“結合組織”の2層をまとめて切り取りとって、足りない部分に移植し、歯茎に厚みをだす方法
結合組織移植…治療を受ける患者様の上あごの口蓋 [こうがい] から“結合組織”だけを切り取り、足りない部分に移植し、歯茎に厚みをだす方法

>>あごの骨にかかわる手術



これらの治療法を行っても症状が改善されない場合、または回復の見込み無い場合は、インプラントを摘出することになります。

>>インプラント周囲炎を防ぐために

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。