【教えてドクター】インプラントの歯が動くQ&A

歯茎に特に腫れや痛みがなくインプラントが動いてしまう場合、原因のひとつにネジのゆるみが考えられます。この点について、本ページでは細かくご紹介いたします。さらに詳しい原因はインプラント処置をしてもらった歯科医院で調べてもらうといいでしょう。

更新日:2019/09/27

■目次

  1. Q:インプラントが動く どうすればいいですか?
  2. 先生からのメッセージ

Q:インプラントが動く どうすればいいですか?

インプラントをした歯が最近わずかですが動くようになりました。

前歯上右側の#8、#7の2本がインプラントなのですが#7が動くようになってしまいました。
治療はアメリカ滞在中の2002年に終了し、約3年間かかりましたが、矯正とインプラントする箇所の骨の移植、歯茎を作るなどをしたあとクラウンをのせて完成でした。
私の場合特殊だったのが、#7の永久歯が本来の場所に生えず上の方に出て、その歯に大人になって菌が入って化膿したため抜いたので大きな穴が出来ていました。#8はその時歯根が短くて少し動く状態でしたが残してくれました。そして自然と#6と#8が寄ってきてその上に歯茎のない穴ができていました。

アメリカ滞在中にまず矯正をして、#7のスペースを広げて作り、次に陥没している骨を移植して作り、歯茎も作ったのですが、それでも十分な位置まで歯茎を下げる事が出来ませんでした。
それで最後にクラウンをつけるときに不十分な歯茎分をそのクラウンの方に歯茎色した偽のセラミック?をくっつける事によって一体化したクラウンをインプラントにつけました。要するに白い歯の部分に偽の歯茎をくっつけて一本の長い歯をまず作り、それを最終的にインプラントにつけました。

治療後はケアをしっかりし、年に2回クリーニングへ行くなど注意をしていましたが、先週歯を磨く時にちょっと強く歯ブラシを当ててしまい、それ以降前後に少し動くようになってしまいました。
痛みはありません。
舌で歯を触るとわずかな音がするような気がします。

クラウンだけが緩くなってしまったのでしょうか、それともインプラント自体が悪くなっているのでしょうか。
もし緩くなっている場合はクラウン部分だけ簡単に締めなおしたりできるのでしょうか?
それともまた型を取って作り直すのでしょうか?

このまま放っておくわけにはいかないので早く何とかしたいのですが・・・。
最悪はアメリカの治療していただいた先生の所へ行かないとならないのか心配です。

先生からのメッセージ

これは、レントゲン写真を撮る、あるいはクラウンを外してみるなどし、調べないとわかりません。

治療は、「アメリカで2002年に終了」と言うことですから、おそらくオステオインテグレーションタイプのチタンインプラントだと思います。
それであれば、腫れや痛みがない事、また、完全に脱離してない事などから推測すると、中のねじが緩んでいるだけではないかと思います。 骨からインプラントが離れていて動揺がある場合には、他と連結している場合を除いて容易に全てすっぽ抜けてしまいます。

「もし緩くなっている場合はクラウン部分だけ簡単に締めなおしたりできるのでしょうか?それともまた型を取って作り直すのでしょうか? 」という部分についてですが、クラウンの作り方や固定の仕方によります。
ねじが外に見えているか? クラウンが仮止めセメントで固定されている、或いは硬いセメントで合着しているか? インプラント自体が緩んでいるのであれば、おそらく撤去するしかないでしょう。その後、可能であれば再度インプラント埋入するのですが、もともと条件がかなり厳しいようでしたので、どうなるかは主治医の判断によると思います。
また、その先生の力量にもよります。 本来処置をしていただいた先生に診ていただくのが一番いいと思いますが、アメリカではちょっと難しいですね。

問題は、世界中で流通しているインプラントの種類がとんでもなくたくさんあり、互換性に乏しいと言う点です。 歯科医院により導入しているシステムが違うためインプラント治療を常にしている歯科医院でも対応が難しい場合も考えられます。
また、インプラント治療は、通常のメインテナンスも必須ですが、いつアフターケアーが必要となるかわからないので、国内で何とか対応できる歯科医院を探されるのが、今後のためにもいいと思います。
その為に、ひとつの方法として、まずいつもクリーニングなどで通っているかかりつけの先生の所へ相談し、そこで対応困難であれば、対応出来そうな医療機関を紹介していただくのが、最もいいのではないでしょうか。
またその医療機関で、インプラントシステムが不明、あるいは、同じインプラントシステムがないと対応困難と言う場合には、アメリカの先生に、システム名を電話で問い合わせるのもひとつの方法だと思います。

記事提供

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。