サイナスリフトとソケットリフトの特徴比較/奥歯の骨が足りない時の骨造成

奥歯の骨が足りない時に用いる【骨造成術】。上顎の奥歯の部分の骨を増やすために行うソケットリフトとサイナスリフトついて解説しています。それぞれの手術法の違いや適応できる手術範囲、リスクについても比較してご説明します。骨造成術が必要だと診断された方、検討中の方はこちらをご覧ください。

更新日:2020/10/29

■目次

  1. 奥歯のインプラント
  2. 3D動画でよくわかるサイナスリフトの流れ
  3. サイナスリフトとソケットリフト
  4. それぞれの治療の比較
  5. サイナスリフトのメリットデメリット
  6. ソケットリフトのメリットデメリット

奥歯のインプラント

上顎奥歯の骨の上には、鼻と繋がる空洞(上顎洞)があり、その空洞の周りは粘膜(シュナイダー膜)で覆われています。上顎洞までの骨の厚みが薄い部分へインプラントを埋め込むと、その粘膜を傷つけて炎症を引き起こす場合や、骨が十分にないためインプラントをしっかりと支えられない場合があります。これを避けるために行う治療として、サイナスリフトとソケットリフトがあります。

3D動画でよくわかるサイナスリフトの流れ

サイナスリフトとソケットリフト

▲サイナスリフト(左)とソケットリフト(右)

骨が薄い方がインプラント治療を受けるためには、骨の厚みを増やす必要があります。
骨を増やす方法として,
■上顎洞の位置(小鼻くらいの高さ)の歯茎を切り開き、骨を削って人工の骨を補填する「サイナスリフト(図左)」

■インプラントを埋め込む部分の歯茎を切り開き、インプラントを埋め込む位置に穴をあけて人工の骨補填材を挿入します。その後上顎洞を傷つけないように専用の器具で押し上げます。十分押し上がったところでインプラントを埋入する「ソケットリフト(図右)」があります。

>>サイナスリフトを行う人の主な症状

>>ソケットリフトを行う人の主な症状

※サイナスリフトは別名、「開窓法」、「ラテラルウィンドウテクニック」
※ソケットリフトは別名、「非開窓法」、「オステオトームテクニック」ともいます。

それぞれの治療の比較

サイナスリフトのメリットデメリット

患者さんの負担
・外科手術の範囲が広いので負担が大きい

粘膜の損傷のリスク
・手術部位を目で確認しながら処置ができるため、低い傾向にある※

造成できる骨
・広範囲に骨を増やすことができる

上顎洞損傷時の修復
・状態により可能

ソケットリフトのメリットデメリット

患者さんの負担
・外科手術の範囲が狭いので負担が少ない

造成できる骨
・部分的で制限がある

粘膜の損傷のリスク
・目で見ることのできない状態での処置のため、高い傾向にある※

上顎洞損傷時の修復
・難しい

※どちらも治療を行う歯科医師の技量や患者の口腔内の状態などによって大きく変わりますので、あくまでも目安です。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。