骨結合型インプラントの臨床実績

骨の中に金属などを埋め込むことを総称してインプラントと呼びます。 材料として金、サファイア、鉄、ステンレス、アルミニウムなど多様な素材が使われてきましたが、どれも良好な結果が得られずに淘汰されていきました。

更新日:2023/05/16

■目次

  1. 骨結合型インプラントとは?
  2. 国内でのインプラント治療の増加
  3. インプラント治療の成功率データ

骨結合型インプラントとは?

骨の中に金属などを埋め込むことを総称してインプラントと呼びます。
材料として金、サファイア、鉄、ステンレス、アルミニウムなど多様な素材が使われてきましたが、どれも良好な結果が得られずに淘汰されていきました。

しかし、1965年にスウェーデンのブローネマルク教授(1929年~2014年)が開発したチタン製のインプラントが驚くべき成果をあげました。
最初に治療を受けた患者さんは亡くなられるまでの44年間、問題なく機能していました。10年以上に渡って、機能しているインプラントは96%以上であり、症例としては98.5%です。

この生存率の高さは、チタンが骨と結合するという特質をもっていたからで、この特質により、インプラントは「骨結合型インプラント」へと移行していきました。

どうして人間の身体にとって異物である人工材料を使っているのに、チタン製のインプラントは身体に受け入れられ自分の歯のような感覚で使えるようになるのでしょうか?
それは人工歯根がただ単に骨に埋められているだけでなく、あごの骨と直接結合して、まるで生きている骨として取り込まれたように安定した状態になるためです。

インプラント治療の成功率は残念ながら100%ではありません。部位によっても異なりますが、成功率はおよそ97%だと言われています。失敗というのは骨と結合しないという事です。これは人間の身体がもつ生体的防衛反応、つまり拒絶反応によるものだと考えられます。人間の身体には異物が体内に侵入した場合に、それを外に排せつしようという働きがあります。

インプラントも例外ではありません。身体がインプラントを異物だと判断すれば、骨と結合しないのです。では、異物だと判断させない為にはどうすればよいのでしょうか。それは、無菌的に処置をするということです。
具体的には無菌室に近い手術を使用することや、使い捨ての器具を使用することなどです。

国内でのインプラント治療の増加

1991年からインプラント治療を始めて32年が経ちました。
下記、症例データを提供いただいている歯科医院では、長い期間に渡ってインプラント治療に取り組んできたかが、ご理解いただけるかと思います。
その結果、年々知見が溜まってきていますので、難症例なども対応する機会が増えています。

国内でも骨結合型インプラントが知られるようになった1996年頃から、歯を失った部分の治療の選択肢としてインプラントを選択する患者さんが増えてきました。

インプラント治療の成功率データ

上のデータは、同じく国内のインプラント治療を行う歯科医院での成功率のデータです。
顎の骨が比較的軟らかく、骨がやせやすい上顎でも96.3%と高い成功率でインプラントが骨と結合しています。

難症例や即時負荷インプラントの場合、初期固定が成功しない場合もございます。
※成功率や失敗率は各医院によって算出方法が異なります。

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