■目次
インプラント術後の痛みの経過と期間の目
痛みが続く経過や期間は個人差はあり、以下が一つの目安です。
痛みがそれ以上長引く場合は感染による問題の可能性があるため、早めに歯科医師に相談しましょう。
インプラントの術後に注意すべきポイント5つ
インプラント手術後は、痛みや腫れだけでなく、日常生活での過ごし方にも気をつけることが大切です。術後に注意すべきポイントを解説します。
①薬の服用を忘れない
術後は感染予防のため抗生剤が処方されます。処方薬は用法用量を守って服用しましょう。鎮痛剤も同時に処方されることが多いです。
②食事の注意
麻酔が切れるまでに食事をとると、誤って舌や頬を噛んでしまったり、火傷する恐れがあります。麻酔が切れてから、以下の工夫をすると安全です。
・熱すぎるものや辛すぎるもの、硬すぎるものは避ける
・手術部位ではなく反対側でできれば噛むようにする
③飲酒・喫煙は控える
飲酒は血流を促進して、出血・腫れ・痛みを強める原因となります。喫煙は傷の治りを遅らせ、インプラント定着にも悪影響があります。
→喫煙者がインプラント治療を受ける際の懸念材料の具体例について詳しくは「喫煙者もインプラント治療はできる?リスクや喫煙を止める方法も解説」をご覧ください。
④運動・入浴
激しい運動や長時間の入浴、サウナは血流を促すため、再出血や腫れの原因になる可能性があります。術後数日は控えめに過ごすことが安心です。
⑤傷口周辺に歯ブラシを強く当てない
歯磨きをする際、抜糸までは手術部位に強くブラシを当てないようにしましょう。
インプラント手術後の痛みに関するよくある質問
インプラント手術後の痛みに関するよくある質問と回答を紹介します。
Q1. 術後すぐに食事はできますか?
A. 麻酔が切れるまでは基本的に避けましょう。麻酔が切れた後も軟らかい、熱すぎない食べ物を食べて、できるだけ手術部位で噛まないように気を付けましょう。
Q2. 痛みが強くて我慢できません。
速やかに歯科医師に相談し、鎮痛剤処方や必要な処置を受け、自己判断で薬を増やすなどしないようにしましょう。
Q3.インプラント術後の出血は正常ですか?
術後の出血は通常です。出血時は安静にしてお口を動かさない、手術部位を指で触らない、強くうがいしない、頻回にうがいしない、などが大切です。
出血が止まらない場合、速やかに歯科医師に相談しましょう。歯茎の治りやインプラントの定着に影響している可能性があります。
まとめ
インプラント手術後の痛みや腫れは術後2~3日でピークで、1~2週間で徐々に落ち着き、日常生活も通常通りになることがほとんどです。
痛みや腫れが強い場合は無理をせず、処方薬や生活上の工夫でしっかりケアし、手術部位の回復を促しましょう。異常を感じたときは自己判断せず、早めに歯科医師に相談することが、安全で安心な回復への近道です。
インプラント手術に関して不安や悩みがあれば現役の歯科医師が回答している「インプラントネットの相談室」をご利用ください。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開