インプラントとブリッジとの比較

歯科インプラントに関する治療説明『ブリッジ』についてご紹介します。歯を失ってお困りの方、入れ歯・ブリッジが合わない方は是非ご覧下さい。

更新日:2019/09/20

■目次

  1. ブリッジ(固定式義歯)について
  2. ブリッジでの噛み心地
  3. ブリッジの審美面
  4. ブリッジの寿命

ブリッジ(固定式義歯)について

ブリッジは、抜けた歯の両隣の歯を削って、そこに橋のように義歯をかぶせて固定する方法です。固定されるため、噛み心地に不便さや違和感を感じにくい治療といえます。

治療部分の構造としては、抜けた歯とその両隣の歯に被せる治療物を作りセットします。1本の歯を失った場合は3歯分、2本並んで失われた場合は4歯分の治療物が必要になります。ブリッジは、抜けた歯の隣に丈夫な歯がある場合に選択されることが多い治療法で、1本から数本までの欠損に対して行われます。

ブリッジ治療を選択する上で知っておきたい点は、支えにする歯(抜けた歯の両隣の歯)を大きく削らなければいけないこと、さらにその歯に抜けた歯にかかるはずの負荷までが過剰にかかることです。そのため、支えの歯の寿命は短くなってしまう傾向があります。

具体的には、健康な成人の歯の場合、噛む瞬間に通常で45?75kg、歯をくいしばった際には100kg近くまで力がかかるといわれます。抜けた歯にかかるはずだったこの負荷は、支えにしている歯に分散してかかることになります。削られて多少弱くなっている歯にこういった負荷が余分にかかることでさらに弱くなり、長期的には、支えにしている歯も失われる可能性が高くなる傾向があるのです。

ブリッジでの噛み心地

ブリッジ治療を行った場合、被せ物の歯が周囲の歯とぴったり合うように作られていて、支えになる歯が健康で十分な強度があるなら、天然の歯の噛み心地と比べても違いや違和感は少ないといえます。

ただ、型を取って治療物を作る段階で噛みあわせの適合がうまくなかった場合や、支えになる歯が弱い場合には、治療後のブリッジがぐらぐらしたり揺れたりする可能性があります。また、はじめは良好だった噛み心地も、時間の経過につれて支えの歯が弱くなれば噛みにくくなってくる可能性があります。どれだけの期間ブリッジで良好に噛めるかは、支えの歯の強さによるところが大きいといえます。

ブリッジの審美面

ブリッジには様々な形状と材料のものが存在します。すべて金属性のもの、裏側だけが金属のもの、すべてセラミックのもの、表面がセラミックで内側が貴金属のフレームのものなどがあり、それぞれに特徴があります。

健康保険では、治療する歯の本数や場所によって、使える材料や形状が細かく定められています。健康保険で定められた形状、材料以外のブリッジを希望される場合は、健康保険適応外になります。

ブリッジの寿命

ブリッジの寿命は、ブリッジの設計やブリッジを支える歯の強さによって異なります。短くて数年、長くて十数年程度が一つの目安です。

ブリッジを支える天然の歯は、ブリッジとの接続部分が大きく削られます。削られることで歯が弱くなる上、抜けた歯の分も含めた負荷が過度にかかりますので、徐々にダメージで弱まり、ブリッジを支えなかった場合に比べると寿命が短くなります。

ブリッジを支える歯が弱まり、ぐらぐらになってくると、ブリッジが揺れたり不安定になります。そして支えの歯に限界が来ると、その歯は抜けてしまう場合が多いと思われます。そうなると再度治療を行わなくてはなりません。再度ブリッジで治療する場合は、今まで支えにしていて抜けてしまった歯のさらに隣の歯を新たな支えの歯として利用する事になります。ただし、その歯がまた弱ってしまうと、歯を失う負のスパイラルに陥る可能性があります。

一方で、これといったトラブルも無く、長くブリッジをご使用になれる方もいらっしゃいます。ブリッジは違和感も少なく、噛み心地も良好に回復しますので、健康な歯を支えに利用できる方の場合は、現実的な選択肢の一つとして一般的に行われる治療法です。上記のようなブリッジのメリットとデメリットをご理解頂いた上で、他の治療法と比較し、ご自身により適した歯の治療法をご選択下さい。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。