インプラント治療の流れ 工程4ステップを解説

インプラント治療は期間が長くかかるものです。検査から完了までの流れをイラストで解説していますので参考にしてみてください。

更新日:2021/12/06

■目次

  1. インプラント治療の流れ
  2. インプラント治療全体の流れ
  3. インプラント手術の流れ
  4. インプラント治療・手術の流れ:まとめ

インプラント治療の流れ

インプラント治療とは、失ってしまった自分の歯の代わりに、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着して噛み合わせを改善する治療法です。ここでは、一般的なインプラント治療について、治療全体の流れとインプラント手術の流れの2つに分けて説明していきます。

インプラント治療全体の流れ

インプラント治療は、医院に訪問してから、カウンセリングをして、インプラント治療を行い、メインテナンスをするところまでで、大きく4つの工程に分けられます。

STEP 1 .カウンセリングと術前検査

インプラントの治療方法には、失われた歯の数や位置、インプラントを埋め込む骨の硬さ、量などによって様々な選択肢があります。そのため、事前に患者さんにインプラント治療や手術の内容について説明をしていきます。その後、治療のための術前検査に入っていきます。

インプラントは顎の骨に埋め込むため、神経や血管を傷つけるリスクが起こりえます。そのため、レントゲンや歯科用CTを用いて検査を行います。 また、他にも噛み合わせのチェックなども行います。

STEP 2 .治療計画の立案と決定

検査を行った後、結果をもとに治療計画を立てていきます。しっかりとご自分の要望や希望を歯科医師に伝えましょう。また、費用や手術の具体的な内容、治療期間について確認しておきましょう。

検査の結果によっては、先に他の疾患の治療を行うこともあります。外科手術となるインプラント治療を安全に行うためにも、しっかりと治療してからインプラント治療に臨みましょう。

STEP 3 .インプラント手術

治療計画がしっかりと決まったら、続いてインプラントを埋め込む手術を行っていきます。顎の骨にインプラントを埋め込み、骨とインプラントを結合させた後に、人工の歯を装着していきます。

手術の際には、麻酔を使用していきますが、手術に対する不安が強い方のために、「静脈内鎮静法」という麻酔方法を併用している歯科医院もあります。

>>静脈内鎮静法とは?

STEP 4 .手術後のメインテナンス

インプラントを埋め込み、人工の歯を装着した後は、インプラントを長持ちさせるためにも定期的に歯科医院でメインテナンスを受けましょう。通院の頻度は歯科医院によって異なるため、しっかりと確認して通院しましょう。また、少しでも使い心地が悪かったり、不安が生じたら歯科医院に相談に行きましょう。

インプラント手術の流れ

インプラント治療の工程の中で、皆さんが不安を抱きやすいのが、インプラントを埋入する手術の工程かと思います。

インプラントの手術は1回法と2回法と呼ばれる2つの方法があり、2回法は、1度目の手術でインプラントを顎骨に埋め入れ、インプラントが顎の骨にしっかりとくっつくように期間を置き、2度目の手術で人工の歯を装着していきます。インプラントの埋め入れと同時にインプラントが顎の骨にくっつきやすくなるよう骨補填を施します。骨補填を行った後は唾液に触れてはならず、触れてしまえば骨の補填が失敗してしまいます。そのため、2回手術を行うことが多いです。
1回法はそういった心配のないケースに行う方法ですが、手術回数が少なくて済みますし、その結果患者様の痛みや腫れは最小限になります。

今回は2回法のインプラント手術の流れについて図を交えて解説していきます。

STEP 1 .一次手術

治療計画を立てた後、問題なければ手術に臨みます。1度目の手術では、右側の図のように歯茎を切開して顎の骨を削り、インプラントを埋め込みます。所要時間は本数によって左右されます。一般的に1時間~3時間程度かと思います。

STEP 2 .治癒期間

一次手術の後、通常は約3から6ヶ月の治癒期間をおきます。インプラントに使用されているチタンは、骨とインプラントが結合する性質を持っています。この期間では、仮の歯を使用できることもありますので、仮歯を希望される方は歯科医院に相談しましょう。
この期間を終えると、人工の歯を装着する二次手術へと入ります。

STEP 3 .二次手術

骨とインプラントが結合して安定した後にインプラント体の頭の部分を露出し、そこに人工の歯との連結部分(アバットメント)を装着する処置を二次手術といいます。この状態で歯茎が治るまで、通常約2ヶ月おきます。

STEP 4 .人工の歯の装着

歯茎が治った時点で型を取り、上部構造(人工の歯)を作ります。色や形は人それぞれ違いますので、各々に合わせて製作してインプラントに取り付けます。この上部構造は、様々な素材のものがありますので、先生とよく相談して決めましょう。

このような流れでインプラントの手術は進んでいきます。多くの工程があり、インプラントを長持ちさせ、しっかりと歯として機能させるためにもそれぞれ大事な工程となります。

インプラント治療・手術の流れ:まとめ

インプラントは、ただ、歯を埋め入れるだけではなく、事前にしっかりと検査し、計画を立てて、手術を行い、メインテナンスを行っていきます。工程は多く、期間を要する治療です。また、治療に時間がかかるだけでなく、外科手術をともなうため、リスクもあります。そのため、医院を選ぶ際は信頼のできる歯科医院を選びましょう。

歯科医院選びに迷っている方は、実際に治療を受けた患者様の口コミを見たり、歯科医院の得意とする治療について調べてみたりとすることで、信頼できそうな歯科医院が見つかるかもしれません。このサイトでは、歯科医師がドクターを選ぶポイントもご紹介しておりますので、ぜひ参考にして下さい。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。