■目次
インプラント手術前日 2つの注意
インプラント手術前日は以下の2点に注意し、問題なく手術を受けられる状態にしておくことが大切です。
体調を整える
麻酔をしてから外科手術を受けるため、まずは何より体調を整えておくことが重要です。体調不良・疲労・睡眠不足などの状態で手術を受けると、気分が悪くなるケースがあります。手術前日は食事をしっかりとって、十分な睡眠時間を確保しましょう。また、リラックスした状態で手術当日を迎えられるように、激しい運動は控えてください。
飲酒や喫煙は控える
アルコールは免疫細胞の機能を低下させるため、手術前日の飲酒は控えましょう。また、喫煙は切開した歯肉の治りを悪くし、インプラントと顎の骨の結合にも悪影響を与えます。さらに、喫煙者はインプラント周囲炎を発症しやすく、インプラントの残存率が低いというデータもあるのです。インプラントを長持ちさせるためにも、禁煙することをおすすめします。
インプラント手術当日 5つの注意
インプラント手術当日は、病院に向かう前から帰宅後まで、以下5点にご注意ください。
手術前に丁寧に歯磨きをする
手術に備えて歯磨きでお口の中を綺麗にしておきましょう。歯肉を傷つけないように、やさしく歯磨きしてください。
当日に限らず、手術後も丁寧な歯磨きを継続していくことが大切です。歯磨きなどのケアを怠るとお口の中に歯周病菌が増殖し、インプラント周囲炎を引き起こします。インプラント周りの歯肉や歯槽骨の破壊が進むと、最終的にインプラントが抜け落ちることもあるため注意が必要です。日々の歯磨きに加えて歯科医院で定期検診を受けることで、インプラントに関するトラブルが起こりにくくなります。
体を締め付けない・汚れても良い服装で通院する
手術中に体が締め付けられてつらくならないように、楽な服装で出かけましょう。また、手術中は出血することがあるため、汚れても問題ない服を選ぶと良いです。
食事は手術の4時間前まで
半分眠っているような状態になる静脈内鎮静法を用いる場合は、食事制限があります。制限を守らないと鎮静中に嘔吐して窒息する恐れがあるため、手術の4時間前までに食事を済ませましょう。
通院は公共の交通機関で
静脈内鎮静法を用いる場合は、手術が終わった後に急な眠気やふらつきが起こる可能性があります。そのため、自分で車やバイクを運転して帰ることはできません。ご家族に送迎してもらうか、電車・バス・タクシーなどを利用しましょう。
運動や入浴を控える
手術当日は出血したり痛みが強くなったりする恐れがあります。激しい運動・入浴・飲酒・夜ふかしなどは、体調を悪くする可能性があるため控えましょう。
インプラント手術翌日 3つの注意点
無事に手術が終わった翌日も、まだ注意しなければならない点があります。
安静に過ごす
手術後は、頬や顎の下が痛んだり腫れたりする場合があります。痛みや腫れは手術後2日~3日がピークで、1週間程度続く可能性もあります。できるだけ早く症状が治るように、手術後数日は安静に過ごすことが大切です。
固い食べものは避ける
インプラントと顎の骨が結合するまでは、やわらかいものを食べるようにしましょう。具体的には、おかゆ・うどん・茶碗蒸し・ゼリー・ヨーグルトなどです。固い食べもので患部に刺激を与えると出血する恐れがあります。
処方された薬はきちんと服用する
インプラント手術後は、抗菌剤・胃薬・痛み止め・うがい薬が処方されます。自己判断で止めることなく、処方された薬は必ず指示どおりに服用してください。
まとめ
インプラント手術前日は、体調を整えたり飲酒や喫煙を控えたりする必要があります。そして手術当日は、4時間前までに食事を済ませる、自分で車を運転して来院しないなどの点に注意しなければなりません。手術翌日は安静に過ごして、固い食べものを避けることなどを意識しましょう。
インプラント手術に関して少しでも不安なことがあれば、遠慮せずに担当医師に相談するようにしてください。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。