■目次
- 記事のポイント3つ
- インプラント1本あたりの費用相場は60万円?
- インプラントが高い5つの理由
- ①公的医療保険が適用されないから
- ②インプラント自体が高いから
- ③高度な技術が求められるから
- ④高価な設備が必要で衛生管理も徹底しなければならないから
- ⑤治療に長い時間がかかるから
- 費用が高いインプラントをあえて選ぶ4つのメリット
- ①自分の歯のように噛める
- ②自分の歯と同じような見た目になる
- ③残っている歯に負担をかけずに済む
- ④ブリッジや入れ歯よりも長く使える
- インプラントにしたいのに十分なお金がないときの4つの解決策
- ①クレジットカードを利用する
- ③フリーローンを利用する
- ④医療費控除を申請する
- まとめ
記事のポイント3つ
・インプラント治療は原則的に自費診療となる。
・インプラントそのものが高額、治療期間が長い、などの理由から大きな費用がかかる。
・クレジットカードやデンタルローンによって分割での支払いができる場合がある。
インプラント1本あたりの費用相場は60万円?
インプラント治療の極一部は公的医療保険が適用される可能性があるものの、原則として自費診療となります。自費のインプラント1本あたりの費用は歯科医院によって大きな差がありますが、インプラント1本あたりの相場は40-60万円ほどです。
2025年12月 株式会社メディカルネット調べ
インプラントが高い5つの理由
インプラントが高額な理由は、自費診療以外にも5つ理由があります。
①公的医療保険が適用されないから
インプラント治療は入れ歯やブリッジと違い、基本的に自費診療です。公的医療保険が適用されるのは、先天性の疾患や交通事故による歯の欠損・喪失に限定されます。
②インプラント自体が高いから
低品質なインプラントを使用すると治療後のトラブルのリスクが高まるため、歯科医院としては安全面を考慮して高品質なインプラントを選ぶところが多くなります。しかし、その分金額が高くなり、治療費も高くなります。
③高度な技術が求められるから
外科的な手術が必要で、検査の段階からインプラント埋入まで歯科医師の知識や経験、技術力が要求されます。専門的なスキルをもつ歯科医師が治療を担当するため、費用も高くなります。
④高価な設備が必要で衛生管理も徹底しなければならないから
外科手術をするにあたり、手術中の感染を防ぐことがとても大切です。オペ室など衛生管理の設備が必要になります。また、精密検査をするための歯科用CTや手術専用の機材などは高額です。
⑤治療に長い時間がかかるから
顎骨にインプラントを埋入したあと、骨と結合するのを待つ治療期間(治癒期間)があります。治癒期間は、上顎が6ヵ月ほど、下顎が3ヵ月ほどです。治癒期間の終了したら、アバットメントとよばれる部品を取り付ける手術が必要です。
こうしたことから、全体の治療期間は6ヵ月ほどかかることもあり、期間が長いほど費用もかかる傾向にあります。
費用が高いインプラントをあえて選ぶ4つのメリット
高額な費用がかかるのにインプラント治療が多くの患者さんに選ばれるのは、それに見合うメリットがあるからです。4つ紹介します。
①自分の歯のように噛める
入れ歯は異物感があり、外れやすく、自分の歯よりも噛みにくいですが、インプラントは顎骨にしっかり固定するので安定し、天然歯のように強く噛めます。食べ物を噛むときには無意識に強い力が働きますが、インプラントであればこれまでと同様に食事を楽しめます。
②自分の歯と同じような見た目になる
インプラントで使われる人工歯の被せ物(上部構造)の多くには、ジルコニアやオールセラミックといった白い素材が使われます。セラミック系の素材は強度と透明感があり、色や形を天然歯に合わせやすいです。自然な見た目になり、口元を気にせず会話できます。
③残っている歯に負担をかけずに済む
部分入れ歯は固定源となる歯に金属のバネ(クラスプ))を掛けて固定し、ブリッジは両隣に残っている天然歯を大きく削ることになり、天然歯に負担をかけます。インプラントは残っている歯を削らず、歯を失ったところの顎骨にネジで固定するので、周囲の歯に負担がかかりません。
④ブリッジや入れ歯よりも長く使える
入れ歯の寿命は3~5年ほど、ブリッジは7年ほどと言われていますが、インプラントは10~15年の残存率が90%ほどとされるなど、ほかの治療方法に比べて寿命が長いと考えられています。
ただし、寿命の長さはセルフケアによって大きく影響します。日々の歯磨きをしっかり行い、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けていれば、長くインプラントを使える可能性があります。
参考:宮城県医師会
インプラントにしたいのに十分なお金がないときの4つの解決策
天然歯のようにしっかり噛めるなど、魅力あるインプラントですが、費用を考えると気軽に受けられる治療ではありません。すぐに予算の都合がつかない場合でも、治療を受けられる方法を紹介します。
①クレジットカードを利用する
クレジットカードの分割払いやリボ払いにより、月々の支払い額を抑える方法です。一括払いが難しい方も、月ごとに少しずつ支払って負担を軽くできます。
ただし、金利や手数料がかかるので総額をしっかり確認しておく必要があります。また、クレジットカードの種類によっては対応していない歯科医院があるので、こちらもチェックしましょう。
②デンタルローンを利用する
金融機関が歯科医院に立て替え払いする方法で、歯科治療専用のローンになります。クレジットカードの分割払いよりも手数料が低く設定されていることが多く、総額の負担を抑えられます。また、ローンを決める金額が高めに設定されています。
しかし、ローンの契約には審査があります。審査に落ちる可能性もあるので注意が必要です。
→デンタルローンのメリット・デメリット、利用の流れについて詳しくは「デンタルローンの利用でインプラント治療をあきらめない!」をご覧ください。
③フリーローンを利用する
使用目的を限定しないローンです。フリーローンは金融機関で取り扱っているサービスです。歯科医院でデンタルローンを用意していない場合でも利用できるという利点があります。
しかし、デンタルローンよりも金利が高いとされています。審査もあるので、借り入れできない可能性があることも頭に入れなければなりません。
④医療費控除を申請する
1年間に支払った医療費が基準額を超えた場合、確定申告をすることで原則10万円を超えた医療費の部分が所得控除されて税金の一部が還付されます。これが医療費控除です。
対象となる医療費は患者さん本人だけでなく、同一家計の家族の分も含められます。また、通院のために使った公共交通機関の交通費なども対象です。
治療費自体が安くなるわけではないものの、還付金を受け取ることで負担を抑えることができます。しかし、領収書の保管や確定申告が必要になるなど、最初は面倒に感じるかもしれません。
→高額なインプラント費用の負担を少しでも軽くするためにも活用できる、医療費控除について詳しくは「【2025年版】 よくわかるインプラントの医療費控除 まとめ」をご覧ください。
まとめ
インプラント治療は高度な治療で、自費診療になるため、費用が高くなります。一方、天然歯のような感覚で噛める、見た目が自然、周りの歯に負担をかけずに長く使えるなど、さまざまなメリットが魅力です。
治療を受けるのに十分な予算がない場合、クレジットカードやデンタルローンによる分割払いを検討すると良いでしょう。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。