インプラント治療において、歯がない期間は避けられないの?

インプラント治療は月単位の長くかかる治療なので、特に歯のない期間を心配する方も多いのではないでしょうか。 いったい何ヵ月くらいになるのか、そして、歯がない期間はどのような対応がとられるのかを紹介します。

更新日:2023/08/21

■目次

  1. 歯がない期間が続く3つの理由
  2. 歯がない待機期間は治療内容によって異なる
  3. 歯がない待機期間を過ごすためのオプション
  4. インプラント治療中にほかの歯を失ってしまったら?
  5. まとめ

歯がない期間が続く3つの理由

インプラント埋入治療では、抜歯をしてから実際に人工歯が取り付けられるまで長い期間がかかります。そのなかには、歯がない状態の期間もあります。

抜歯した後の治癒期間

抜歯してインプラントにする場合、抜歯したところの骨の回復を待って、手術日を設定します。骨はインプラントを埋め込む土台となるので、しっかり回復してから手術をすることになります。

歯茎の治癒期間

抜歯したときに歯茎を切るなどして傷がつくことがあります。その場合、歯茎が回復するまで治癒期間を設ける必要があります。

インプラントを埋め込むときも歯茎に穴を開けるので、同じように治癒期間を設けることになります。

インプラントと骨が結合するまでの期間

手術でインプラントが顎の骨に埋め込まれた際、インプラントが骨と結合するのを待つ期間が必要です。
インプラントが定着して安定した状態になるまでは、一般的に数ヵ月から半年はかかります。

歯がない待機期間は治療内容によって異なる

歯がない期間は、患者さん一人ひとりの状況によって異なります。

骨の治癒期間

インプラントを顎骨に埋め込んだ後、しっかりと結合するまで待つ治癒期間があります。治癒期間は数ヵ月から半年で、骨の状態や密度などによって個人差があります。

また、骨の量などが十分でない場合は、骨造成という骨を増やす治療を行いますが、骨造成をしない場合に比べて治療期間が長くなる傾向にあります。

インプラント治療の種類

インプラントを埋入する手術の方法には「1回法」と「2回法」の2種類があります。

上記の1回、2回というのは手術回数を表したものです。1回法は、歯の根の代わりとなる「インプラント体」とインプラント体と被せ物をつなぐ「アバットメント」が一体化しているインプラントを使用して行う方法です。
インプラント体の埋入直後から、アバットメントが歯茎から露出した状態になります。既にアバットメントが装着されているため、骨とインプラントが結合したらすぐに人工歯を装着できます。2回法に比べて1回法の方が早く「歯が入る」、被せ物が装着されるでしょう。

2回法はインプラントを埋め込んだあとにインプラント体にヒーリングキャップと呼ばれる蓋を装着し、歯茎でインプラント体を覆って骨と結合するのを待ちます。
インプラント体と骨が結合したら再び歯茎を切開し、インプラント体からヒーリングキャップを外してアバットメントとよばれる部品を装着します。

また、インプラントを埋入したら、あらかじめ作製しておいた仮の被せ物を取り付ける抜歯即時埋入という治療方法もあります。抜歯即時埋入であれば、仮の歯ではありますが歯がない期間が他の方法より短くなります。

歯がない待機期間を過ごすためのオプション

歯がない待機期間に仮歯や入れ歯を選択することもできます。
歯科医院によって対応しているかどうか異なりますので、事前に確認してください。

それではそれぞれ、仮歯や入れ歯の特徴や費用をみていきましょう。

仮歯
インプラントの上部にレジンで作った被せ物を装着します。レジンなので比較的白い歯を選択できます。
インプラント治療は自費診療のため、インプラントに装着する仮歯も自費診療となります。

費用
約3,000円~8,000円程度
※2023年4月メディカルネット調べ

入れ歯

歯が一部分だけ無ければ部分入れ歯を作製して、歯がない部分を一時的に補います。固定の仕方は一般的な部分入れ歯と同じで、クラスプとよばれる金具を隣の歯に引っ掛けます。また、すべての歯がない場合は総入れ歯です。

入れ歯だった部分をインプラントにした場合、使用していた入れ歯を調整して使用することもできます。

費用:約30,0000~50,0000円程度(新しく作成した場合)
※2023年4月メディカルネット調べ

ブリッジ

患部の両隣の歯が治療中だったり、インプラント治療と並行して治療したりしている場合は、ブリッジを作って一時的に補える可能性もあります。

ブリッジは入れ歯よりも見た目が自然になり、強く噛めます。しかし、隣の歯を大きく削らなければなりません。

また、固定源となる天然歯に過剰な負荷がかかり、インプラント治療中にもかかわらず噛み合わせに問題が生じるおそれがあるため、あまりおすすめな方法とは言えないでしょう。

費用:保険診療(3割負担)の場合 約10,000円~20,000円程度
       自費診療の場合 約50,000円~15,0000円程度

※2023年4月メディカルネット調べ

インプラント治療中にほかの歯を失ってしまったら?

インプラント埋入治療中にほかの歯が何らかのトラブルによって抜けてしまったら、どのような対処法があるのでしょうか?

歯を失った場所や骨の状態などにより、さまざまな対処方法が存在しています。

治療を中断する

インプラント治療中にほかの歯を失ってしまった場合、現在の治療を一時中断して再び治療計画を立て直すこともあります。

例えば、追加でインプラント治療を計画する、歯を移植する、一時的に仮歯を入れてインプラント治療と併行して治療を進めるなど、さまざまな方法が考えられます。
治療をせずに放置した場合はどうなる?

治療をしないという選択肢もありますが、放置してしまうと歯並びが悪化し噛み合わせのバランスが悪くなり、より大掛かりな治療が必要となる場合もあります。

現在治療しているインプラントにも影響する可能性があるので、後悔しないよう歯科医師とよく相談する必要があります。

まとめ

インプラントの上に人工歯を入れるまでの待機期間については、一般的には仮歯を入れることが多いです。前歯などの目立つ部分を治療をしている場合、仮歯があった方が良いですよね。

インプラント治療の目的は審美性の向上や噛み合わせの改善です。先にあるゴールを見据えながら、じっくり治療を続けていきましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。