歯磨きのコツとプラークコントロール

歯科に関する説明『歯磨きとプラークコントロール』についてご紹介します。健康な歯のためのメンテナンス方法です。是非ご覧下さい。

更新日:2020/06/04

■目次

  1. プラークコントロールとは?
  2. 歯磨きのコツ
  3. 歯ブラシの当て方①
  4. 歯ブラシの当て方②
  5. 歯ブラシの当て方③
  6. 歯ブラシの当て方④
  7. 注意点
  8. 歯磨きの時間と回数
  9. 歯ブラシのいろいろ
  10. 歯ブラシの選び方
  11. 歯ブラシの交換時期
  12. 歯ブラシの持ち方
  13. 歯間ブラシ
  14. 電動歯ブラシ
  15. 歯磨き粉
  16. 資料提供

プラークコントロールとは?

プラークとは?
プラークプラークとはデンタルプラークとも、歯垢 [ しこう ] とも呼ばれ、食べかすのことではありません。
細菌の塊 ( 右図参照 ) のことです。しかも、プラーク1g中には1~3兆個の細菌が含まれています。
このプラークがむし歯や歯周病の原因になります。
プラークコントロールとは、このプラークを取り除くためのことを広くいいます。

プラークコントロールとは?
・歯ブラシによる歯磨き
・デンタルフロスや糸ようじによる歯磨き
・歯間ブラシによる歯磨き
・リステリンなどによる、ぶくぶくうがい
・砂糖摂取の制限
・歯科医院で行うPMTC ( 機械的歯面清掃 )

などがあげられます。

歯磨きのコツ

歯ブラシの当て方①

歯の外側をブラッシングする場合は、歯に対して直角 ( 90度 ) に歯ブラシをあてましょう。

歯ブラシの当て方②

歯の内側をブラッシングする場合は、歯に対して45度位の角度で当てましょう。

歯ブラシの当て方③

前歯の内側をブラッシングする場合は、上の写真のように歯ブラシを当てているつもりでも実際に歯ブラシは前歯の内側に当たっていません。

歯ブラシの当て方④

歯ブラシのかかと ( 歯ブラシの毛の一番手に近い部分 ) や、つま先 ( 毛の一番手から遠い部分 ) と呼ばれているところで磨くといいでしょう。

注意点

できれば磨いている最中、特に磨いた後は鏡で歯垢が落ちたかチェックしましょう。
つめで歯を引っかいて白いのりのようなものが付いてきたらまだ歯垢は落ちていません。
歯ブラシは小刻みに10mm以下の巾で動かしましょう。イメージとしてはゴシゴシではなくシュッシュッという感じです。
上の奥歯の外側を磨く時だけは口を閉じましょう。口を大きく開けると歯ブラシが手前に押し出され一番奥歯の外側に歯ブラシが当たらない時があります。注意しましょう。

歯磨きの時間と回数

(1) 時間
1回の時間は最低3分は必要と思われます。
日本人の歯磨き時間は平均20秒というデータもある位ですから3分という時間が、いかに長いか1度ストップウオッチか砂時計で測ってみて
はいかがでしょうか。
歯磨きの最初から歯磨き粉をつけると、泡ですぐにうがいをしてしまうので最初は水で歯ブラシをぬらしただけで歯を磨くことをお勧めし ます。
(2) 回数
1日2回は少なくても磨きましょう。
特に寝る前の歯磨きは一番時間をかけて丁寧にして下さい。
あと朝は生理的口臭 ( 誰にでもある口臭のこと ) が一番強いのでエチケットとしても磨いたほうがいいと思います。
たとえ1日5回磨いていても1回1回の時間が短ければ歯垢は落ちません。回数よりも1日に1回はていねいに歯磨きする事を心がけて下さい。

歯ブラシのいろいろ

歯ブラシの選び方

ヘッド ( 歯ブラシの毛がはえている所 ) は小さめがいいでしょう。
歯ブラシの柄はストレートで毛の硬さは普通か、やや硬めがいいでしょう。
歯ブラシの毛はナイロン製 ( 動物の毛は柔らかすぎても不可 ) いいでしょう。

歯ブラシの交換時期

右のように反対側から見て毛がはみだしたら、交換の時期です。
最低でも3ヶ月は1本の歯ブラシがもつようにしましょう。 3ヶ月未満で歯ブラシの毛が開いて交換するのは持ち方が悪いか、力の入りすぎです。
一番上手な人は1日3回磨いても1年間歯ブラシがほとんど開かなかったそうです。

歯ブラシの持ち方

このように3本の指で鉛筆を持つように持ちましょう。5本の指で歯ブラシを握るように持つと力がはいりすぎ、すぐに毛先が開いてしまい歯垢を落としにくくなりますので注意しましょう。

歯間ブラシ

40歳以上の方は、歯と歯の間のプラークコントロールには、デンタルフロスや糸ようじではなく 「 歯間ブラシ 」 を使いましょう。
歯周病の原因となる歯と歯の間のプラーク ( 特に歯ぐきに近い場所のプラーク ) はデンタルフロスや糸ようじで取るのは難しいのです食べかすもプラークも取れて一石二鳥です。

電動歯ブラシ

電動歯ブラシは、もともとはお年寄りや手が不自由でうまく歯ブラシが使えない人のために考案されました。
普通の歯ブラシと比べて、とりたてて歯垢がよく落ちるということはありません。
あくまでも歯ブラシの1種類と考えて下さい。健常者の人 ( 手が普通に使える人 ) であれば、普通の歯ブラシで上手に磨けない ( 磨かない? ) 人が電動歯ブラシを使ったからと言って上手に磨けるわけではありません。大事なのは 「 歯ブラシ 」 や 「 歯磨き粉 」 といった 「 ハード 」 ではなく、 「 歯ブラシを正確な角度で歯にあててるか 」 とか
「 寝る前にていねいに時間をかけて磨いているか 」 とか 「 鏡を見ながら磨いているか 」 などの 「 ソフト 」 なのです。

歯磨き粉

歯磨き粉はつけてもつけなくてもいいと思います。歯磨き粉の効果はあまり期待していませんので、薬用であろうとなかろうと、塩入りでもフッ素入りでもなんでもいいと思います。「歯垢を落とすのは歯ブラシの毛先の弾力による機械的な力である 」ことをお忘れなく。また 「 歯を白くする 」 といったうたい文句の歯磨き粉は研磨剤を多く含んでいることが多く、歯の付け根などをすり減らし知覚過敏になる恐れがあるので歯科医に相談の上お使い下さい。

資料提供

内田歯科
院長: 内田 成一先生