顎関節症とインプラント

顎関節症の経験のある方がインプラント治療を受けると、顎関節症の悪化を招くリスクがあります。ここでは、その対策や注意点などについてご紹介します。

更新日:2019/10/04

■目次

  1. 顎関節症とは
  2. インプラントを受ける上でのリスクと対策
  3. インプラント治療を受ける上での注意点
  4. ※顎関節症の専門医について

顎関節症とは

顎関節症

主に次のような症状がみられます。

■顎関節や咀嚼筋などに生じる痛み
口を開けたり、食事をしたりすると顎関節やその周囲の組織が痛む。
■顎関節に生じる雑音
口を開け閉めするときに、「カク」、「コキ」「ミシミシ」、「ジャリジャリ」のような音が鳴る。
■開口障害、または顎運動異常
口が開きにくい、または、開かない。(口を開ける幅が、上下顎の中切歯の切縁(中央にある歯の歯冠の先端)の間で38~40mm以下の場合、患者様自身が開口障害を感じることが多いようです。)

インプラントを受ける上でのリスクと対策

インプラント治療を受けるリスクと対策についてご紹介します。

■現在、開口障害を感じている方
そのまま治療を開始すると症状が悪化することもあります。
【対策】インプラント治療を希望する歯科医院で相談し、場合によっては顎関節症を専門とする歯科医師を紹介してもらう、または、顎関節症を主に診ている専門医のいるところへ受診し、顎関節症の治療とインプラント治療の相談をする。

■過去に顎関節症が発症し、現在は完治している方
インプラント治療中や治療後に、顎関節症が再発することもあります。
【対策】過去に顎関節症の治療を受けた歯科医師に相談する、または、インプラント治療を希望する歯科医院で相談する。

インプラント治療を受ける上での注意点

●事前にインプラント治療の効果とリスクを歯科医師に確認し、よく相談して治療を受けるかどうかを決めましょう。
●口の開き具合や顎関節の状態を確認せずに、インプラント治療の話を進める歯科医師は、顎関節症のことを考慮せずに治療を行う恐れがあります。不安があれば、セカンドオピニオンを受けるなどをして、納得してから治療を受けましょう。

⇒セカンドオピニオンとは

※顎関節症の専門医について

顎関節症治療に関する診療科名はなく、治療は主に「口腔外科」や「補綴科」などが連携を図りながら行われているようです。参考までに、日本歯科医学会に登録されている“顎関節症治療に関わる調査や研究などを行っている学術団体”と、“一定の知識や経験を持つものとして認めた歯科医師に交付される資格認定制度を設けている団体”をご紹介します。

一般社団法人 日本顎関節学会 → 日本顎関節学会認定医・専門医・指導医
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 → 日本顎咬合学会認定医・指導医
(ただし顎関節に特化した資格ではない)
公益社団法人 日本口腔外科学会 → 口腔外科専門医・指導医
(ただし顎関節に特化した資格ではない)
日本口腔リハビリテーション学会 → 口腔リハビリテーション認定医・指導医
(ただし顎関節に特化した資格ではない)
日本顎口腔機能学会 → 資格認定制度はない

どんな治療法にも必ずリスクが伴います。納得したうえで治療を進めるようにしましょう。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。