歯科医院と大学病院で受けるインプラント治療の違い

家や職場の近くにある歯科医院でインプラント治療を受ければいいのか、大学病院でインプラント治療を受けた方がいいのか、迷っていませんか。ここでは、治療を受ける歯科医院によって、どのような違いがあるのかについて簡単にご紹介します。

更新日:2020/09/16

歯科医院と大学病院で受けるインプラント治療の違い

■目次

  1. インプラント治療を受けたい、再治療を新たな施設で受けたいとお考えの方へ
  2. 歯科医院での治療を選択する際のポイント
  3. 大学病院での治療を選択する際のポイント①
  4. 大学病院での治療を選択する際のポイント②
  5. 予約方法の比較
  6. 設備の比較
  7. 治療費の比較
  8. 大学病院でインプラント治療を受ける場合の注意点(歯科医院とは違う点)
  9. 大学病院と歯科医院の違いまとめ
  10. 【まとめ①】医療体制や設備の充実度は大学病院が有利
  11. 【まとめ②】土日・夜間診療あり、通院のしやすさは歯科医院が優勢

インプラント治療を受けたい、再治療を新たな施設で受けたいとお考えの方へ

家や職場の近くにある歯科医院でインプラント治療を受ければいいのか、大学病院でインプラント治療を受けた方がいいのか、迷っていませんか。ここでは、治療を受ける歯科医院によって、どのような違いがあるのかについて簡単にご紹介します。

歯科医院での治療を選択する際のポイント

通院できる曜日や時間帯が限られている方、早く治療を進めたい方は、お近くの歯科医院で治療を受けることを検討されるとよいでしょう。歯科医院によっては、夜の遅い時間や、日曜・祝日など、幅広い時間帯で診療しているところもあるので、大学病院よりも予約が取りやすい可能性が高いです。

また、インプラントを長く使用するためのポイントとして、お口の中でのインプラントの調整や、お口の中のメンテナンス、ブラッシングや食生活の指導を受けることなどが挙げられます。インプラント治療後も定期的なメンテナンスの通院が必要となります。大学病院に比べ、歯科医院であれば、継続した通院がしやすいかもしれません。

参考:歯科医院で行うメインテナンスとは?

大学病院での治療を選択する際のポイント①

重い全身疾患のある方、骨が薄く骨を造る手術が必要な方など、設備や機器が整い、他の診療科(内科など)が併設している大学病院で治療を受けることを検討されるとよいでしょう。

事故や特定の病気により顎の骨を1/3以上失ってしまった方は、保険適用の「インプラント義歯治療」が受けられることもあります。この治療が行える施設基準として、入院用のベッドが20床以上ある病院の歯科で、一定の治療経験を有する歯科医師がいるなどの条件があり、大学病院が基準を満たしている傾向にあります。

>>保険適用されるインプラント義歯について

大学病院での治療を選択する際のポイント②

大学病院は研究や教育を行う場所でもあります。研究や教育のために、患者さんに任意で協力を求めてきたり、指導医の元、研修医が治療に携わる事もあります。また、歯型取りやお口の中の写真を定期的に撮影し、経過を細かく記録する傾向にあるようです。研究・教育の治療対象となることが嫌な方は、治療を始める前に検討・相談された方がよいでしょう。あくまで協力は任意のため、拒否することも可能です。

治療技術については、歯科医院と大学病院、経験の長短などで評価することはできません。治療を受ける歯科医師、または施設に信頼がおけるかどうかが歯科医師・施設選びのポイントです。

>>インプラント治療を行う歯科医院の選び方

予約方法の比較

■歯科医院
電話予約が可能な歯科医院がほとんどです。インターネット予約できるところもありますので、ホームページを確認してみましょう。

■大学病院
<初診で歯科医院から紹介状がある場合>
歯科医院が患者さんの受診希望日を聞き、大学病院と調整して予約日を決めるところもあれば、患者さん自身で電話予約をするところ、初診は予約はなしで直接来院するところなど大学病院によって様々です。

<初診で紹介状がない場合>
初診は予約制ではないので直接来院するところがほとんどです。

<再診>
電話予約・もしくは来院時に次回予約が可能です。

設備の比較

■歯科医院
施設によって大きく異なります。
【例】 インプラント手術用のオペ室、歯科用CT、治療器具の種類など
全身麻酔は行えない歯科医院がほとんどです。

■大学病院
設備や機器が充実している傾向にあります。
全身麻酔や笑気麻酔の設備が整っています。

治療費の比較

■歯科医院
インプラント1本あたり全国の平均で30~50万円程度です。

■大学病院
インプラント1本あたり40~50万円です。
※保険適用の治療費は失った顎の状態によって異なりますので、直接ご確認ください。

≫インプラントの値段は?費用相場から保険まで治療費についてまとめました!

大学病院でインプラント治療を受ける場合の注意点(歯科医院とは違う点)

紹介状が無い場合、初診時に治療費以外に「保険外併用療養費(選定療養)」として3,300円~5,050円程度の負担が必要となります。

大学病院と歯科医院の違いまとめ

大学病院と歯科医院では、様々な違いがあります。上記の内容と重複する部分はありますが、改めて大学病院と歯科医院の違いを解説します。

【まとめ①】医療体制や設備の充実度は大学病院が有利

大学病院では入院設備やバリアフリーの設備が完備されており、他の診療科目との連携も可能です。一般歯科医院では対応が難しい事故や病気、全身疾患をお持ちの方などリスクの高い難症例にも対応が可能です。
また、大学病院は国が定めた「保険適用のインプラント治療を行える条件」をクリアしている傾向にあります。患者さんによっては公的医療保険を利用してインプラント治療が受けられることがあり、その場合は大学病院で受けると金銭的負担を軽減できます。

しかし、大学病院で治療を受けるには紹介状が必要な場合が多く、診察も完全予約制です。担当医の指定もできない事が多いようです。歯科医院と比べて平日の開院が基本的で診療受付時間も限られているため、場合によっては通院は難しいかもしれません。また、大学病院は歯科医療を学ぶ学生の研修の場でもあるため、大勢の学生に囲まれながらの治療などの協力を求められる可能性があります。

【まとめ②】土日・夜間診療あり、通院のしやすさは歯科医院が優勢

歯科医院は家や勤務先の近くなどアクセスが良く、土日診療や夜間診療などが行われており、通いやすいことがメリットです。お仕事帰りや休日に無理なく通院できるほか、駐車場やキッズスペース、個室診療など患者さんのニーズに合わせた様々な工夫がされています。また、担当の歯科医師やスタッフの方と距離が近く、信頼関係を築きやすいのも歯科医院のメリットのひとつです。親しみやすさや通院のしやすさでは、歯科医院の方が有利でしょう。

ただし、歯科医院により差が大きいということを覚えておいてください。大学病院並みの充実した設備を整えている歯科医院は一部に限られています。また、歯科医院によってコンセプトも違えば得意分野も異なり、当然ながら歯科医師の腕にも差があります。自分と相性の良い歯科医師に巡り合える事もありますが、その反対があることも事実です。

歯科医院との方向性の相違を回避するために、様々な方面から医院情報を収集しましょう。例えば、歯科医院のホームページや口コミサイト、知り合いからの情報も有効です。特にホームページは歯科医院のアクセス情報だけでなく、特徴やコンセプト、所属学会やインプラントの症例、設備など詳しく掲載されていますので医院選びの参考になります。

大学病院、歯科医院のどちらにもメリット・デメリットがあり、必ずどちらが良いとは言えません。大学病院と歯科医院のメリット・デメリットを踏まえたうえで、ご自身のライフスタイルに合う医院を選択してみてはいかがでしょうか。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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①治療前にチェックしたい!インプラントの基礎知識

②安心してインプラント治療を進めるために

③インプラントとお金に関すること

④いろいろなインプラントの治療法

⑤インプラントの種類について

⑥インプラントと骨の関係性

⑧インプラントを長持ちさせるためのケア・メンテナンス

⑨インプラント治療に関わる専門家

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。