歯科医院と大学病院で受けるインプラント治療の違い

インプラント治療をご近所や職場近くにある歯科医院(以下、歯科医院)で受ければいいのか、大学病院で受ければいいのか迷うことはないでしょうか。ここでは、治療を受ける場所によって、どのような違いがあるのかについて簡単にご紹介します。

更新日:2020/01/09

歯科医院と大学病院で受けるインプラント治療の違い

■目次

  1. インプラント治療を受けたい、再治療を新たな施設で受けたいとお考えの方へ。
  2. 歯科医院での治療を選択する際のポイント
  3. 大学病院での治療を選択する際のポイント①
  4. 大学病院での治療を選択する際のポイント②
  5. 予約方法の比較
  6. 設備の比較
  7. 治療費の比較
  8. 大学病院でインプラント治療を受ける場合の注意点(歯科医院とは違う点)
  9. 大学病院と歯科医院の違いまとめ
  10. 【まとめ①】医療体制や設備の充実度は大学病院が有利
  11. 【まとめ②】土日・夜間診療あり、通院のしやすさは歯科医院が優勢

インプラント治療を受けたい、再治療を新たな施設で受けたいとお考えの方へ。

インプラント治療をご近所や職場近くにある歯科医院(以下、歯科医院)で受ければいいのか、大学病院で受ければいいのか迷うことはないでしょうか。ここでは、治療を受ける場所によって、どのような違いがあるのかについて簡単にご紹介します。

歯科医院での治療を選択する際のポイント

時間に制約のある方、早く治療を進めたい方は、歯科医院で治療を受けることを検討されるとよいでしょう。施設によっては、夜の遅い時間や、日曜・祝日など、幅広い時間帯で診療しているので、大学病院よりも予約が取りやすいことが考えられます。

お口の中の調整や清掃また、インプラントを長持ちさせるポイントの一つとして、お口の中の調整や清掃をしてもらうこと、ブラッシングや食生活の指導を受けることなどが挙げられ、インプラント治療後も定期的な通院が必要となります。大学病院に比べ、歯科医院であれば、自分の生活スタイルに合うところが見つけやすいといえます。

参考:歯科医院で行うメインテナンスとは?

大学病院での治療を選択する際のポイント①

重い全身疾患のある方、骨が薄く大幅な骨を造る手術が必要な方は、設備や機器が整い、他の診療科(内科など)が併設している大学病院で治療を受けることを検討されるとよいでしょう。

病気や事故などにより顎の骨を1/3以上失ってしまった方は、保険適用の「インプラント義歯治療」が受けられることもあります。この治療が行える施設基準として、入院用のベッドが20床以上ある病院の歯科で、一定の治療経験を有する歯科医師がいるなどの条件があり、大学病院がこれを満たしている傾向にあります。

>>保険適用されるインプラント義歯について

大学病院での治療を選択する際のポイント②

大学病院は研究や教育を行う場所でもあります。研究や教育のために任意で協力を求めてきたり、指導医の元で研修医が治療に携わったりすることもあります。また、歯型取りやお口の中の写真を定期的に撮影し、歯科医院よりも経過の記録を細かく採る傾向にあるようです。これを、丁寧な治療が受けられると感じる方は、大学病院での治療が負担にならないことが考えられますが、研究・教育の治療対象となることが嫌な方は、治療を始める前によくご検討・ご相談された方がよいでしょう。

治療技術については、歯科医院と大学病院、経験の長短などで評価することはできません。治療を受ける歯科医師、または施設に信頼がおけるかどうかが歯科医師・施設選びのポイントです。

>>インプラント治療を行う歯科医院の選び方

予約方法の比較

■歯科医院
初診でも再診でも電話予約が可能です。歯科医院によってはインターネット予約できるところもありますので、ホームページを確認してみましょう。

■大学病院

<初診で歯科医院から紹介状がある場合>
歯科医院が患者様の受診希望日を聞き、大学病院と調整して予約日を決めるところもあれば、患者様自身で電話予約をするところ、初診は予約制ではないので直接来院するところなどがあります。

<初診で紹介状がない場合>
電話予約ができるところもあれば、初診は予約制ではないので直接来院するところなどがあります。

<再診>
電話予約が可能です。

設備の比較

■歯科医院
施設によって大きく異なります。【例】 インプラント手術用の部屋、歯科用CTなどの有無

■大学病院
設備や機器が充実している傾向にあります。

治療費の比較

■歯科医院
インプラント1本あたり全国の平均で30~40万円、首都圏や都市部では約35~45万円

■大学病院
インプラント1本あたり30~40万円
※保険適用の治療費は、失った顎の状態によって異なりますので、直接ご確認ください。
>>インプラントの相場ってどのくらい?

大学病院でインプラント治療を受ける場合の注意点(歯科医院とは違う点)

紹介状が無い場合、初診時に治療費以外に「保険外併用療養費(選定療養)」として3,150円~5,250円の負担が必要となります。

大学病院と歯科医院の違いまとめ

大学病院と歯科医院では、様々な違いがあることをお分かりいただけたかと思います。上記の内容と重複する部分はありますが、改めて大学病院と歯科医院の違いを解説します。

【まとめ①】医療体制や設備の充実度は大学病院が有利

大学病院では入院ベッドやバリアフリーの設備が完備されており、他の診療科目との連携も可能です。一般歯科医院では対応が難しい事故や病気、全身疾患をお持ちの方などリスクの高い難症例にも対応できるため、設備の充実度や医療体制の安心度においては大学病院に軍配が上がるでしょう。また、大学病院は国が定めた「保険適用のインプラント治療を行える条件」をクリアしています。患者さんの症例によっては健康保険(公的医療保険)の範囲内でインプラント治療が受けられることもあり、そのケースにおいては金銭的な負担を軽減できるでしょう。

しかし、大学病院で治療を受けるには紹介状が必要な場合が多く、診察も完全予約制。担当医の指定もできないケースが多いようです。歯科医院と比べて診療時間も限られているため、時間に融通がきく方でなければ通院は難しいかもしれません。また、大学病院は歯科医療を学ぶ学生の研修の場でもあるため、大勢の学生に囲まれながらの治療や、研究材料として資料提供に協力を求められる可能性があります。

【まとめ②】土日・夜間診療あり、通院のしやすさは歯科医院が優勢

一方で、歯科医院はお住まいの地域や勤務先の近くなどアクセスが良く、土日診療や夜間診療など通いやすいことがメリットです。お仕事帰りや休日に無理なく通院できるほか、駐車場やキッズスペース、個室診療など患者さんのニーズに合わせた様々な工夫がされており、インプラントや審美治療など、自由診療をメインとした医院ではホテルのようにホスピタリティーが行き届いている医院も存在します。また、担当の歯科医師やスタッフの方と距離が近く、信頼関係を築きやすいのも歯科医院のメリットのひとつ。親しみやすさや通院のしやすさでは、歯科医院の方が有利でしょう。

ただし、歯科医院は医院差が大きいということを覚えておいてください。大学病院並みの充実した設備を整えている医院もありますが、そのような医院は全国的に見てもほんの一部に限られています。また、医院によってコンセプトも違えば得意分野も異なり、当然ながら歯科医師の腕にも差があります。自分と相性の良い歯科医師に巡り合えればラッキーですが、その反対もあることも事実です。

医院とのミスマッチを回避するために、様々な方面から医院情報を収集しましょう。例えば、医院のホームページや口コミサイト、お知り合いからの情報も有効です。特にホームページは医院のアクセス情報だけでなく、医院の特徴やコンセプト、さらには所属学会やインプラントの症例など詳しく掲載されていますので医院選びの参考になります。

大学病院、歯科医院のどちらにも一長一短があり、一概にどちらの方が良いとは言えません。大学病院と歯科医院のメリット・デメリットを踏まえたうえで、ご自身のライフスタイルに合う医院を選択してみてはいかがでしょうか。

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記事カテゴリ

①治療前にチェックしたい!インプラントの基礎知識

②安心してインプラント治療を進めるために

③インプラントとお金に関すること

④いろいろなインプラントの治療法

⑤インプラントの種類について

⑥インプラントと骨の関係性

⑧インプラントを長持ちさせるためのケア・メンテナンス

⑨インプラント治療に関わる専門家

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。