■目次
記事のポイント3つ
・インプラントはメーカーによって素材や形・サイズが違い、どれを選ぶかで安定性が変わる。
・2ピース・1ピースのタイプや、チタンなどの素材、表面の加工の違いを知ろう。
・国内外の主要メーカーを知っておくと、将来のメンテナンスや修理にも安心。
インプラントのメーカー選びは重要!30種類以上ある中からどれを選べばいいの?
インプラント製品は100種類以上あり、2026年現時点で日本国内では30種類以上あるとされています。インプラント製造会社(以下、メーカー)によって製品規格が異なるので、他社製品と組み合わせて使うことはほとんどありません。
また、同じメーカーのインプラントであっても、種類や大きさ(直径)などの規格が異なり、インプラントに接続する部品や付け外しする器具が異なることもあります。結論、「〇〇〇のインプラントが一番良い」とは一概に言えません。
主要なインプラントメーカー名
2026年最新版の主要インプラントメーカーを見てみましょう。
国内取り扱いメーカー名の例(製造および販売)
・京セラメディカル株式会社
・ストローマン・ジャパン株式会社
・バイオメット3iジャパン株式会社
・株式会社ジーシー
・ノーベル・バイオケア・ジャパン株式会社
・バイコンジャパン株式会社
・株式会社プラトンジャパン
・株式会社ブレーンベース
海外メーカーインプラント(製造)国内販売代理店
・京セラメディカル株式会社 (販売代理店:株式会社 白鵬・株式会社 インプラテックス)
・BIOHORIZONS社インプラント (販売代理店:株式会社 カイマンデンタル)
・アストラテックインプラントシステム (販売代理店:デンツプライIH 株式会社)
・カムログインプラントシステム (販売代理店:株式会社アルタデント)
・SPIシステム(販売代理店:株式会社 モリタ)
・キーストーンデンタル社(RBM インプラント)(販売代理店:白水貿易株式会社)
インプラントのメーカーを選ぶ重要性とは?
インプラント治療では、主に厚生労働省で認可されたインプラントが使用されます。患者さんの同意があれば、歯科医師の責任の下で海外製の未認可インプラントの使用が認められます。
未認可のもので治療を受ける場合、メリットやデメリット、リスク、インプラント治療の担当歯科医師の治療実績やトラブルの対応法をよく聞き検討しましょう。
インプラント製品の規格について
メーカーでインプラントの素材や形状に違いがあり、いろんな特徴があります。メインテナンスで付け外したり、修理で部品を交換したりする際にインプラントの素材が影響することがあります。
インプラントメーカーを知っておいたほうがいいのはなぜ?
メーカーによってインプラントの素材や形状(形態・構造)に違いがあり、特徴があります。インプラントの種類を紹介します。
インプラントの種類【構造の違い】
インプラントは、形状の違いによって「2ピースタイプ」と「1ピースタイプ」の2種類に分けられます。それぞれに特徴があり、患者さんの口腔内状態や治療方針に適したタイプが選択されます。
2ピースタイプ
インプラントとアバットメントをネジで連結させるタイプです。2ピースの場合、インプラントの接続部分の形による違いがあり、その形態に応じたアバットメントが必要です。
インプラントの種類【素材】
インプラントの品質や長期的安定性は、使用素材によって大きく左右されます。インプラントメーカー各社は、骨との結合性やインプラントの耐久性、生体安全性を考慮して素材を検討しています。代表的なインプラントの種類と特徴を解説します。
チタン合金
チタン合金は、純チタンと同様に骨との結合性が高く、インプラントに適し、長期的な安定が期待できます。
チタン・ニッケル合金
チタン・ニッケル合金は、純チタンと比較すると骨との結合性は劣りますが、任意の形状に成形できる特徴があります。また、形状記憶機能を持っているため、さまざまな用途に応じて柔軟に対応できる素材です。
インプラントの種類【表面処理】
あごの骨と金属がしっかりと結合するために様々な表面処理がされます。表面処理には、ブラスト処理・酸処理・酸化処理・機械研磨処理の4つがあり、組み合わせて使用されます。
→ブラスト処理は、鋳造物内面の酸化膜を除去し、粗面に加工することで骨との結合力を向上させる目的で行われる方法です。
→酸処理は、ブラスト処理で発生したブラスト材を洗浄する目的などで活用されています。
→酸化処理は、チタン表面に酸化チタンを付与することで表面に凹凸が作られています。
→機械研磨処理は、表面が滑らかで多くの部分が骨に接触するように処理されています。
※インプラント体の表面にハイドロキシアパタイトをコーティングすると、顎骨に埋め入れた後、早期に骨と結合しますが、感染に弱いとされています。
まとめ
インプラント治療では世界で利用されているメーカーのインプラントシステムを選ぶと安心です。転勤や引っ越しの際に、同じメーカーのインプラントを取り扱う歯科医院で治療やメンテナンスを継続できると良いでしょう。
インプラントは寿命が長いからこそ、信頼性の高いインプラントを入れてもらうことが大切です。
治療後にトラブルなどがあった場合、アバットメントや上部構造の取り外しが必要になることもあるため、インプラントのメーカー名や種類の確認をおすすめします。治療時に歯科医院に確認しましょう。
また、インプラント治療に関する不安・疑問がある場合は、全国の歯科医師がインプラントの悩みに回答している「インプラント相談室」を参考にすると安心です。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開