<イラスト付>GTRとは?組織再生誘導の治療の方法と流れを簡単解説

歯茎や歯槽骨、歯根膜など歯の周りの組織を再生する治療方法『GTR(組織誘導再生)』についてご紹介します。インプラント治療を行わなくても、ご自身の歯を残せるかもしれません。歯周病が進行してきてインプラント治療を検討中の方はぜひご覧ください。

更新日:2020/11/09

■目次

  1. GTR(組織再生誘導)法とは
  2. 治療について
  3. 治療の流れ Step.1 患部を清潔にします
  4. 治療の流れ Step.2 人工膜(メンブレン)で覆います
  5. 治療の流れ Step.3 歯槽骨や歯根膜の再生を待ちます
  6. 治療の流れ Step.4 人工膜(メンブレン)を取り除きます
  7. 注意点

GTR(組織再生誘導)法とは

GTRとは「Guided(誘導) Tissue(組織) Regeneration(再生)」の略称です。

GTR(組織再生誘導)法とは、重度の歯周病によって歯茎・歯根膜歯槽骨などの破壊された歯周組織(歯の周りの歯を支える組織)の再生を誘導する治療方法です。

治療について

歯周病や歯槽膿漏で失った歯槽骨(歯を支える顎の骨)は、歯周病治療を行っても歯周病の前の状態まで再生されません。
これは、歯槽骨が元の状態に再生される前に、周りの歯茎が回復し、歯槽骨が再生するスペースがなくなってしまうためです。

そこで、歯槽骨や歯根膜(歯と歯槽骨をつなぐ線維)の再生が終わるまで、歯茎が再生するためのスペースに入らないようにすることで、歯槽骨と歯根膜の再生が見込めます。
これを歯周組織の再生を行うためのGTR(組織再生誘導)法と呼びます。

GTR(組織再生誘導)法は歯周ポケット(歯と歯茎の境目)の内部の歯垢や歯石、菌をきれいに清掃(スケーリングルートプレーニング)した後、メンブレンと呼ばれる人工の膜で歯周組織が再生するスペースを確保します。確保されたスペースに再生する歯槽骨・歯根膜は、個人差はありますが1ヵ月に1mm程度の速さで再生するといわれています。

治療の流れ

治療の流れ Step.1 患部を清潔にします

まずは、歯茎をメスで切り開いて歯茎をめくり、付着した歯石・歯垢をキレイに除去します。
また、歯周病に侵された歯茎と歯槽骨の表面を取り除きます。
歯周組織を清潔な状態にすることで、歯周病の進行を抑制します。

治療の流れ Step.2 人工膜(メンブレン)で覆います

歯槽骨や歯根膜が不足している部分を、人工膜(メンブレン)で覆います。人工膜により、歯槽骨などの硬い組織を再生するスペースに歯茎を再生する細胞が入り込まないように防ぐことができます。

治療の流れ Step.3 歯槽骨や歯根膜の再生を待ちます

歯槽骨や歯根膜が再生するまでお口の中を清潔な環境で保ち、人工膜によってスペースへの歯茎の侵入を防ぎます。
個人差がありますが、数ヵ月で新しい歯槽骨と歯根膜が再生します。

治療の流れ Step.4 人工膜(メンブレン)を取り除きます

歯槽骨や歯根膜が再生したら、再度歯茎を切り開き、人工膜(メンブレン)を除去します。
治療終了後も、口腔内の衛生管理を徹底して再び歯周病が進行しないよう心掛けましょう。

注意点

歯周組織や全身の状態によっては、GTR(組織再生誘導)を行えない場合がございます。
歯周病によって歯槽骨が大きく失われている場合は、GTRが適応にならない可能性があります。
詳しくは、歯科医院にお問い合わせください。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。