【イラスト解説】よくわかる!インプラントに人工歯が付くまでの流れ

顎の骨に埋め入れたインプラントの上に装着する人工歯ができあがるまでには、長い期間を要します。インプラントを埋め込んでから人工歯が装着されるまでの流れをご紹介します。

更新日:2020/10/30

■目次

  1. 外科手術を行い、人工歯を作製するまでの流れ
  2. 人工歯がインプラントに付くまでの流れ
  3. STEP1 インプラントを顎の骨に埋め込む
  4. STEP2 アバットメントを接続
  5. STEP3 トレー作製のための歯型とり
  6. STEP4 歯型とり
  7. STEP5 噛み合わせの型どり
  8. (STEP6 噛み合わせの型どり 2回目)※治療範囲が大きい場合のみ
  9. (STEP7 フィッティングチェック(試適))※お口の状態や状況による
  10. STEP8 人工歯装着
  11. 人工歯を装着したら、メンテナンスに通いましょう

外科手術を行い、人工歯を作製するまでの流れ

歯科インプラントは、顎の骨に埋め込み土台となる「インプラント体(人工歯根)」、失った歯の代わりとなる人工の歯「人工歯(上部構造)」、インプラント体と人工歯を連結する「アバットメント」の3つの部品で構成されています。

インプラント治療では、まずインプラント体を顎の骨に埋め込む手術を行います。インプラント体埋入後、顎の骨の状態が良く、埋め込んだインプラント体が骨としっかり結合できたと判断できたら、人工歯の作製へ進みます。
顎の骨の状態によっては、インプラント体を埋め込む手術と同時に、仮歯をインプラント体に連結することができます。
顎の骨の状態によって、骨とインプラント体が結合するまで一定の期間(約3~6ヵ月)待ってから、人工歯の作製を始める、あるいは一時的に仮歯をインプラントへ連結することができます。

ここでは、人工歯を装着するまでの治療の流れを一例でご紹介致します。(インプラントの種類やお口の状態によって、治療工程は異なります。)

人工歯がインプラントに付くまでの流れ

STEP1 インプラントを顎の骨に埋め込む

インプラントを顎の骨に埋め込み、インプラント体と骨が結合するのを待ちます。
顎の骨の状態がよく、インプラントが安定しやすいと判断された場合は、インプラントを埋め込む手術と同時にアバットメントと仮歯を接続(STEP2)することもあります。
アバットメントをすぐに接続できない場合は、インプラントを埋め込んだ部分の隣の歯を支えとする仮歯や、入れ歯を入れることができる場合もあります。
インプラントの種類によって、インプラント体とアバットメントが一体化しているワンピースタイプ(STEP1とSTEP2が一体化しているタイプ)の場合もあります。
治療期間中の口元(見た目)について気になる方は、治療を始める前に歯科医師とよくご相談ください。

STEP2 アバットメントを接続

埋め込んだインプラント体に人工歯をインプラント体と連結するためのアバットメントを装着します。
処置後はアバットメントに傷が付かないように保護するキャップを装着するか、仮歯をアバットメントに連結するかのどちらかを行います。

STEP3 トレー作製のための歯型とり

アバットメントを接続後

お口の形に合わせた個人トレー(型どりの枠)を作製するため、歯型をとります。
STEP4で歯型をとる際にシリコン素材を流し入れる、入れ物のようなものです。
既製品のトレーを使用する場合もあります。

STEP4 歯型とり

STEP3から約7~10日後

1. 歯型をとるために、アバットメントに連結している保護キャップまたは仮歯を外します。
2. 歯型をとります。人工歯の作製には精密な歯型が必要なため、正確に型をとることができるシリコン素材を使うことが一般的です。
シリコンの型どり材とSTEP3で作製した個人トレーを使って、型どりをします。シリコンは、お口の中に入れてから固まるまで、少し時間がかかります。

ポイント
型どりを正確に行うための準備と、型どりに使う素材が固まるまで少し時間がかかるため、全体の治療時間が長くかかります(約40分~1時間)。途中で起き上がる、うがいをするといったことが難しいタイミングもありますので、インプラント手術の時と同様に、締め付けない楽な服装で治療を受けるようにしておきましょう。
また、歯型をとっている間はゆっくりと深い鼻呼吸を意識することで、吐き気や息苦しさが軽減できます。
鼻炎など鼻呼吸が難しい場合は、事前に耳鼻科で治療を受けておくことでスムーズに型どりを行えるかもしれません。

STEP5 噛み合わせの型どり

STEP4と同日
噛み合わせ用の型どりのシリコン材を、お口を開けた状態で噛み合わせ部分に流し、次にお口を閉じて(歯を噛み合わせて)固まるまで4~5分待ちます。
間違って途中でお口を開けてしまわないように注意しましょう。

(STEP6 噛み合わせの型どり 2回目)※治療範囲が大きい場合のみ

STEP4,5から約7~10日後
治療範囲が大きい(連続して5~6歯以上の)場合、正確な噛み合わせや顎の高さの位置を知るために、2度目の噛み合わせの型どりを行うことがあります。
この作業は患者さんのお口の中で嚙み合わせを確認しながら、材料に直接ロウを足したり削ったりして緻密に調整する細かな作業です。
時間が長くかかる可能性があります。

(STEP7 フィッティングチェック(試適))※お口の状態や状況による

約7~10日後
人工歯の概形(歯の部分を作製する前段階のもの)の状態で、アバットメントと適合するか、お口の中で合わせてチェックをします。人工歯の色についても、ここで歯科医師や歯科技工士と相談して決めます。
お口の中の状態やインプラントの種類によって、行わないこともあります。

STEP8 人工歯装着

約7~14日後
セラミックやハイブリッドセラミック、ジルコニアなどで作製された人工歯の噛み合わせを確認しながら調整します。
調整が終わったらネジやセメントを使用してアバットメントに装着します。
装着前に人工歯の色が希望した色かどうかを必ず確認しましょう。

人工歯を装着したら、メンテナンスに通いましょう

人工歯を装着した後しばらくは、1~2週間ごとにチェックと調整を繰り返し、問題がなさそうと判断されてからは1ヵ月~1年の感覚で定期的にお口の状態を確認するメンテナンスへ移行します。メンテナンスの通院間隔はお口の状態によって異なりますので、歯科医師の指示に従って通院しましょう。
お口の中でインプラントを長く使い続けるためには、被せ物・インプラント部分・噛み合わせ・歯茎などの状態や、歯垢や歯石などの汚れがついていないか確認するため、メンテナンスが重要です。
痛みなども無く、特に問題がないように感じられる場合も、自己判断でメンテナンスを決して中止することのないようにしましょう。インプラント周囲の汚れによる炎症が痛みなどなく気づかずに侵行して、グラグラしてくることもあります。

また、インプラントの噛み合わせに問題があると、インプラントが壊れる可能性もあります。クリーニング以外に噛み合わせのチェックをしてもらうため、歯科医院を定期的に受診するようにしましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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③インプラントとお金に関すること

④いろいろなインプラントの治療法

⑤インプラントの種類について

⑥インプラントと骨の関係性

⑧インプラントを長持ちさせるためのケア・メンテナンス

⑨インプラント治療に関わる専門家

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。