咬み合わせと全身の健康

歯科インプラントに関する治療説明『咬合治療』についてご紹介します。歯を失ってお困りの方、入れ歯・ブリッジが合わない方は是非ご覧下さい。

更新日:2019/09/30

■目次

  1. 咬合治療
  2. 咬み合わせが悪くなる原因
  3. 咬み合わせが原因で出てくる症状
  4. 良い咬み合わせ、正しい咬み合わせとは
  5. 予防が一番大事です

咬合治療

合(こうごう)とは、歯の咬み合わせのことです。「ちゃんとごはんも食べられるし、私は歯の咬み合わせには問題がない」「歯並びがいいから私は大丈夫」と思われるかもしれませんが、実は症状が出ていないだけで、咬み合わせが正しくないことがよくあります。

咬み合わせが悪くなる原因

咬み合わせが悪くなってしまう原因は、先天的(遺伝的)なものと後天的(環境的)なものに大きく分けることができます。

■先天的なものが原因となる例:
 ・生まれつきの骨格の問題
■後天的なものが原因となる例:
 ・指しゃぶり
 ・頬づえ
 ・口呼吸(などの生活習慣)

また、上下の顎のバランスが悪いままでいると、以下のようなことが起こります。

・顎の関節(顎関節:がくかんせつ)や顎の周りの筋肉のバランスが悪くなる
・全身のバランスも悪くなり、体に症状が出る
・顎に痛みが出る

これは、かかとの高さが違う靴をはいて歩くのに似ています。体が元気なうちは、「これでも歩けなくはないし、まあいいか」と思ってそのまま歩き続け、そのうち膝が痛くなり、腰が痛くなり、全身がだるくなってすぐに疲れてしまうはずです。

咬み合わせが原因で出てくる症状

顎関節症(がくかんせつしょう)
多くの人がまず気付くのが、顎の痛みや顎が鳴るといった症状です。 顎に痛みがあったり、顎が鳴ったり、口を大きく開けることができない――これらは、顎関節症(がくかんせつしょう)の典型的な症状です。

不定愁訴と呼ばれる症状
頭痛、肩こり、首のこり、腰痛など、不定愁訴と呼ばれる症状が現れる場合があります。

耳周辺に出る症状
耳の痛みや耳鳴り、難聴やめまいといった、耳周辺の症状が現れる場合があります。

口関連の症状
歯や舌の痛み、味覚異常、口が乾く、食べ物を飲み込みにくいといった、口関連の症状などが現れる場合があります。
顎(主に下あご)は、単に上下左右に動くだけではなく、非常に複雑な動きをして食べ物を噛んでいます。私たちがごはんを食べるとき、歯が受けた刺激が脳に伝わって、脳は顎を動かす筋肉に「顎をこう動かしなさい」という指示を出します。咬み合わせが悪いと、悪い刺激が脳に伝わって、脳は「咬み合わせをずらすように!」と顎の筋肉に指示します。すると、顎がずれますから顎の筋肉が疲れ、首の筋肉が疲れ、肩の筋肉も疲れて頭痛になるおそれがあります。疲れた筋肉をフォローするために肩が上がり、肩が上がった分のバランスをとるために首が傾き、背骨や腰にも影響を与え、全身がゆがんで骨盤などにも影響が出てくるおそれもあります。体のゆがみによって神経が圧迫された箇所によっては、他にも様々な症状が出てくる可能性があります。

上記に挙げた症状すべてが、咬み合わせだけが原因で起こるとは限りません。
複合的にいろいろな要素が絡んで、全身の症状となって現れているのかもしれません。しかし、他のあらゆる治療をためしたけれど一向によくならない場合、咬み合わせという原因が見落とされている可能性があります。

良い咬み合わせ、正しい咬み合わせとは

咬み合わせたときに、すべての歯が同時に接触する状態が理想です。どこか一本(あるいは数本)の歯が邪魔をして全体の歯が接触していない場合、たとえ見た目の歯並びがきれいであっても、それは咬み合わせが正しいとは言えません。

私たちがごはんを食べるとき、一番噛みやすいところで食べ物を食べようとします。邪魔をする歯があったり、噛みにくい箇所があったり、痛むところがあったら、そこを避けて食べ物を噛みます。

痛かったり噛みにくくないところで食べ物を噛むということは、つまり顎を本来の位置からずらしているということです。顎の関節の位置が変わると筋肉が緊張した状態が続き、徐々に問題が出てくるようになってしまいます。一番噛みやすい位置が、顎関節の本来の位置とイコールであるという状態が、良い咬み合わせと言えるでしょう。

予防が一番大事です

むし歯になれば歯を削って詰め物やかぶせ物をします。そのたびに、咬み合わせが変わります。歯が抜けてしまえば、失った歯の代わりを入れなければいけませんから、そのたびに咬み合わせが変わります。歯周病がひどくなると、歯ぐきが弱って歯がグラグラになりますから、咬み合わせも変わります。咬み合わせが変わったことで、歯並びが悪くなってむし歯になりやすくなったり、歯周組織に負担がかかって、さらに歯を失いやすくなったりします。

むし歯や歯周病を防ぐことが一番大切だと言えます。むし歯も歯周病も、定期検診を受けてクリーニングすることで、予防することが可能です。 むし歯や歯周病にならない生活習慣、咬み合わせを悪くしない生活習慣を心がけて、数ヶ月に一度の歯科医院での定期検診を受けて、あなたの歯を守ってください。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。