HAインプラントとは

歯科インプラントに関する「HAインプラント」についてご紹介します。歯を失ってお困りの方、入れ歯・ブリッジが合わない方は是非ご覧下さい。

更新日:2019/10/02

■目次

  1. HAインプラントと従来のインプラントとの違い
  2. 1. 治療期間の減少
  3. 2. 審美的な修復
  4. 3. ストレスの減少
  5. インプラントを埋め入れる治療方法
  6. 長期に歯がない場合:成熟側(インプラントを埋入する部位に歯がない場合)
  7. インプラントを埋め入れる部分に歯が残っている場合:抜歯対象歯
  8. 3つの治療方法の特徴

HAインプラントと従来のインプラントとの違い

HAインプラント

インプラントはチタンで構成されているチタンインプラントが主流です。HAインプラントとは、材質が2重構造になっており、インプラントの中心部がチタン、その周りがハイドロキシアパタイト(歯や顎と同じ成分)で構成されているインプラントです。

チタンインプラントの場合、骨を軽度に失っている場合には骨を再生する治療(GBR)と同時にインプラントを埋め入れることが可能ですが、骨を大きく失っている場合には、GBRと同時にインプラントを埋め入れることは困難になります。この場合には、GBRによって骨が再生するのを待ってから、インプラントを埋め入れるため、手術回数が増え、治療期間が長くなります。

HAインプラントは、骨を大きく失った場合や、下記のような場合でも、抜歯と同時にインプラントを埋め入れることが可能です。

・歯周病や歯根破折により、骨を大きく失っているケース
・骨がやわらかくインプラントを埋め入れしても、動いてしまうケース(初期固定が取れないケース)
上顎洞(上顎の骨の中にある空洞)まで顎の骨の厚みが5ミリ以下の場合
根尖病巣(歯根の先端部におこる病気)があるケース


また上顎の奥歯を失い、骨が痩せてしまっている場合には、上顎洞を突き破らないようにインプラントを埋め入れる必要があります。上顎洞までの距離が5ミリ以下の場合には、骨を再生する治療をし、約4ヶ月~6ヶ月間待ってからインプラントを埋め入れますが、HAインプラントは上顎洞までの距離が1ミリであっても、上顎洞内に骨を填入しながら、インプラントを埋め入れることができます。そのために、HAインプラントは、チタンインプラントと比較して次の点が優れています。

1. 治療期間の減少

今まで別々に行ってきた治療方法が同時にできますので、HAインプラントは手術回数が減り、治癒期間が短くなります。

2. 審美的な修復

2. 審美的な修復

インプラントの手術はとても繊細さを要求されます。特に上の前歯のように審美性が大変重要視されるところは、同じ部位を何度も手術を行うことにより、歯肉が死んだり機能しなくなる可能性があります。そうなると審美的に取り返しのつかない場合も生じる可能性があります。その点、HAインプラントは処置が同時に行えるので、そのようなトラブルを防ぐことができます。

3. ストレスの減少

1本のインプラントを埋め入れるために、何度も同じ部位を手術することは、患者さんにとっては大変なストレスになります。手術回数が少なくなることは、患者さんにとってストレスの軽減につながります。

インプラントを埋め入れる治療方法

インプラントを埋め入れる治療方法

実際にインプラントを埋め入れる治療方法は、顎の骨の状態や、抜歯をする歯の状態によって、大きく3つに分けることができます。



長期に歯がない場合:成熟側(インプラントを埋入する部位に歯がない場合)

・ 通常埋入
歯を抜いて数年経過し、抜歯窩(歯を抜いた穴)の骨が再生したところに、インプラントを埋め入れるベーシックな方法。

インプラントを埋め入れる部分に歯が残っている場合:抜歯対象歯

インプラントを埋め入れる部分に歯が残っている場合:抜歯対象歯

抜く必要のある歯の状態(具体的には、歯周病・歯根破折・根尖病巣など)によって、次のどちらかの方法を取ります。

・ 抜歯即時埋入
歯を抜いたところに沿って、インプラントを埋め入れる方法。
・ 抜歯待時埋入
歯を抜いて、その周囲の歯肉が治癒をして、抜歯窩が塞がるまで1ヶ月~2ヶ月間待って、インプラントを埋め入れる方法。

3つの治療方法の特徴

通常埋入
歯を抜いて数年経過していますので、抜歯後、歯がない部分には入れ歯やブリッジを装着しているケースが多くあります。この場合、噛む力が歯を介在して顎の骨に伝わっていないため、インプラントを埋め入れる部位の骨は柔らかいことが多くみられます。

抜歯即時埋入
歯を抜歯すると同時にインプラントを埋め入れるため、歯肉を切開することがなく、手術回数、治療期間を大幅に短縮することができます。
また患者様自身の生体の自然治癒力を利用するため、インプラントの埋め入れ方法により、失った骨は再生します。手術時間が短いので、術後の痛みがほとんどありません。

抜歯待時埋入
歯を抜いてから、抜歯窩(歯を抜いた穴)が歯肉でふさがるまで、約1ヶ月から2ヶ月ほど待って、インプラントを埋め入れます。抜歯即時埋入と比べ、手術部位からの出血も少なく、通常埋入とさほど変わらずにインプラントを埋め入れることができます。

※注意
抜歯待時埋入の際、歯肉の治癒を待っている間に、顎の骨が痩せてしまう場合があります。特に上下の前歯の顎の骨はもともと厚みがなく、抜歯後1ヶ月の間に約7割が吸収するといわれています。このように抜歯窩(歯を抜いた穴)の治癒とともに骨が痩せてしまう場合、すぐにインプラントを埋め入れられないので、一度顎の骨を再生するGBRによる治療をおこない、骨が固まるのを6ヶ月程待つ必要があります。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。