抜歯した7番の治療について 7番にインプラントって必要?
歯が抜けてしまった場合、インプラントや入れ歯、ブリッジなどの治療で歯を補う治療が必要ですよね。
しかし、「前から7番目の歯(一番奥の歯)抜いた場合はインプラントなどの治療は必要ない」という話を耳にしたことはありませんか?
7番目の歯が抜けた場合、本当に治療は必要ないのでしょうか。
治療が必要なケース、不要なケース、また治療しない場合のメリットデメリットをご紹介します!
更新日:2025/12/15
■目次
7番を抜歯したら治療が必要?
前から7番目、一番奥の歯が抜けても治療は必要ない、と聞いたことはありませんか?
本当に歯が抜けたのにインプラントなどの治療が必要ないのでしょうか。
まずは7番目の歯の治療が必要なケースと必要ないケースについてご紹介します。
7番の治療が必要なケース
歯の治療は見た目だけでなく、噛み合わせなども考慮して行います。
歯は上下で噛み合い、上下どちらかの7番目の歯だけを失った場合、噛み合っていた反対の歯が、抜けた歯のスペースに伸びてきてしまうことが多いです。
歯が動いて食べ物が挟まりやすくなったり、頬や歯茎を傷付けてしまうこともあります。歯が1本足りない分、ほかの歯に噛む力の負担がかかって、歯がダメになるも考えられます。
親知らずが残っている場合、抜けた7番のスペースに親知らずが斜めに生えてきたり、まっすぐ生えていた親知らずが斜めに傾いてしまうことがあります。
7番目の歯が抜けたままにし、噛み合わせなどお口の機能が悪くなる可能性がある場合、インプラント、ブリッジ、入れ歯などの補綴治療が必要なケースでしょう。
→インプラントネットの相談室では、抜歯後のインプラント治療と放置する選択肢について迷われている方の質問に答えています。今後インプラント治療を受けようか悩んでいる、という場合はぜひ参考にしてください。
7番の治療が不要なケース
既に噛み合う歯を失って、噛み合わせに問題が無い場合、上下共に7番目の歯がない状態でバランスがとれているため治療を行わないケースがあります。
また、歯並びの問題でもともと7番目の歯が噛み合ってない場合や、顎の骨がほとんど残っていない場合はインプラント治療はおこなわないこともあります(入れ歯を入れる可能性はあります)。
そのほか、7番目の歯がなくても十分に噛める機能が保てると診断された場合や、お口を大きく開けることが難しく、7番目の部分の治療が十分に行えないと判断された場合なども治療しないことがあります。
歯を失ったことによる噛み合わせの影響が少なく、お口の機能を損なわない場合、治療しないことが検討されるでしょう。
7番抜歯後のインプラント以外の治療方法3つとは?
7番目の歯を抜いたあとに治療したほうがいいのはわかったけどインプラント治療は高いと感じる場合、インプラント以外の治療を検討しましょう。
インプラント以外の治療法を3つ紹介します。
入れ歯
部分入れ歯は、金属製のバネを残っている歯に引っ掛けます。
取り外しができるので清掃しやすく修理もしやすいほか、支点となる歯を大きく削る必要もありません。
しかし、金属のバネが目立つほか、発音がしにくい、違和感がある、といったデメリットがあります。
→インプラントネットの記事「入れ歯とインプラントの比較、あなたに合う治療はどっち?」ではそれぞれの治療法の特徴とメリットを比較し、あなたにぴったりな選択肢を提案します。ぜひ参考にして、最適な治療法を見つけてください。
延長ブリッジ
ブリッジは抜けてしまった歯の両隣に残っている歯を土台として人工歯を被せるという治療方法です。
7番の歯が抜けてしまうと、手前にしか歯が残っていないというケースが考えられます。その場合、手前の2本の歯を土台にする「延長ブリッジ」というブリッジを作製することが多いです。
矯正(歯の移植)
親知らずなどの歯を抜き、なくなってしまった7番目の歯の部分に移植する治療方法です。ブリッジや入れ歯のような人工物を使わないので、違和感が少なくなります。また、抜歯する前に近い状態まで回復させることができます。
一方、移植するためには歯を骨に結合させるため、数カ月の治療期間が必要となります。移植する歯は一度取り出すことにより神経が死んでしまうので、根の治療もしなければなりません。
その他、親知らずの歯を矯正で動かして、7番目の歯の隙間を埋めるなどの治療方法もあります。
7番目の歯の役割とは?
7番目の歯は「第二大臼歯」とも呼ばれますが、そのひとつ手前にある「第一大臼歯」、そして一番奥に位置する「第三大臼歯(親知らず)」という3つの大臼歯が並んでいます。
臼歯は食べ物をすりつぶして細かくするなどの役割があります。そのため、奥歯を失ってしまうと食事が難しくなってしまいます。
また、噛み合わせの高さにも大きく影響します。奥歯がなくなったまま放置すると、歯の移動により歯並びや噛み合わせが悪くなり、肩こりや顎関節症といった全身症状を引き起こす可能性があります。
まとめ
7番目の歯を失った場合、自分だけで判断して放置せず、歯科医師と治療方針を相談しましょう。特に、インプラント治療を検討する場合、メリットとデメリットを把握したうえで選択してみてくださいね。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
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