サージカルガイドとは?インプラント治療の精度を高めるために役立ちます

インプラント治療を行うにあたって、「サージカルガイド」という装置を使うことを提案されるケースがあります。

サージカルガイドとはいったい何なのか、インプラントの手術にあたって本当に必要なものなのか。
サージカルガイドとはどんな装置なのか、どのようなメリットがあるのか、サージカルガイドにかかる費用はどれくらいかかるのか、などの疑問について、それぞれお答えします。

更新日:2022/07/25

サージカルガイド

■目次

  1. サージカルガイドってどんなもの?
  2. サージカルガイドは全てのインプラント治療に必要なの?
  3. Q.サージカルガイドを使用することの利点はなんですか?
  4. Q.サージカルガイドにかかる費用はどのくらいですか?
  5. まとめ

サージカルガイドってどんなもの?

サージカルガイド 理由

「サージカルガイド」とは、インプラントを正しい方向に埋め入れる際に補助的に用いられるプラスチックでできたガイドのことです。

「サージカルテンプレート」とも呼ばれます。
手術時に、治療計画を立案時に予定したインプラントの角度、深度、位置を再現する大きな手助けとなり、インプラント手術の失敗を減らす役割を担います。

作製の手順としては、事前にCT撮影を行って採得した歯型の3Dデータをもとに、インプラントを埋め入れる方向をコンピューター上でシミュレートします。

インプラント体の横幅や長さ、インプラント埋入の細かい位置や角度を決定し、3Dプリンターによってマウスピースのような形をしたサージカルガイドを作ります。
インプラントの手術を実際に行う時に、ガイドを使って行います。

サージカルガイドは全てのインプラント治療に必要なの?

サージカルガイド 必要

理想としては、全てのインプラント治療においてサージカルガイドが使用されると良いと思います。
しかし、サージカルガイドの作製には時間や手間がかかり、部位によってはガイドを入れられないなどの制限があるため、必ずしも使用できるというわけではありません。

また、1歯欠損(中間欠損で両隣に歯がある)の場合はもともと埋入位置の予測が容易であり、骨吸収が進行しているケースも少ないため、サージカルガイドを使用する必要性が低く使用しなくても良いという考えもあります。

現在のインプラント治療においては、サージカルガイドを用いるか否かはケースバイケースとなっています。

Q.サージカルガイドを使用することの利点はなんですか?

サージカルガイド メリット

A.サージカルガイドの使用によりインプラントの埋入がより正確に行えるという点が大きなメリットです。

また、手術前にインプラントを埋めいれる方向をシミュレートできるので、歯科医師の手術時間の短縮にもつながってきます。

さらに、インプラント埋入時の神経や血管損傷のリスクを低減できるため、手術で切開する歯茎の範囲を極力小さくすることで細菌感染の可能性を減らすこともできます。
さらに、サージカルガイドによって理インプラントを予定した方向に埋入することが可能になるため、術後の痛みや腫れを軽減したり、インプラントをより長持ちさせられるといった、手術後のメリットも複数存在しています。

Q.サージカルガイドにかかる費用はどのくらいですか?

サージカルガイド 費用

A.目安としては、インプラント1本につき、およそ5~10万円以上という金額が相場となってきます。

サージカルガイドの作製費用は、埋入するインプラントの本数によって変わってきます。
中にはガイドの作製料金自体が手術代に含まれている例もあります。

まとめ

サージカルガイドが使用される場合、作製費用が加わり、治療費こそ通常よりもやや高くなってしまいます。
代わりに、より精度の高いインプラント治療を受けることが可能です。

それだけでなく、手術中や術後の双方におけるリスクを低減することにもつながるため、サージカルガイドの使用は価値があると思います。

欠損している歯が1本だけで比較的容易な手術である、欠損している場所などに作製できないなどあれば、サージカルガイドが作られないこともあります。

先述の通り、サージカルガイドを使用できるのであれば、全てのインプラント治療においてサージカルガイドを使用するのが理想的かもしれません。

記事監修

記事監修:古川雄亮

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。
歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。
2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。