インプラントの治療計画書とは?内容や治療の流れ、費用相場を紹介

インプラント治療を検討しているなかで、「治療計画書に知りたい情報が載っているのかどうか気になっている」という方もいるかと思います。特に、最終的な治療費はいくらになるのか治療期間はどれだけかかるのかなど、治療計画書に明確に記載されていないと不安に感じますよね。

この記事では、治療計画書に記載されている内容をはじめ、インプラント治療の流れや費用相場なども紹介します。

更新日:2023/11/27

インプラント 治療計画書

■目次

  1. インプラントの治療計画書とは
  2. 治療計画書に記載されている内容
  3. 治療計画書はセカンドオピニオンを求めるときにも役立つ
  4. インプラント治療の流れ
  5. 1. カウンセリング
  6. 2. 精密検査
  7. 3. 検査結果と治療計画の説明
  8. 3. 検査結果と治療計画の説明
  9. 4. 1次手術
  10. 5. 待機期間
  11. 6. 2次手術
  12. 7. 人工歯の製作・装着
  13. 8. メンテナンス
  14. インプラント治療のメリットとデメリット
  15. インプラント治療のメリット
  16. インプラント治療のデメリット
  17. インプラント治療の費用相場
  18. まとめ

インプラントの治療計画書とは

インプラント 治療計画書

治療計画書とは、インプラント治療の具体的な内容を把握できる書類のことです。

通常の歯科診療では、痛みなどの問題を検査して治療を行う対応が基本です。この場合、「治療はいつまでかかるの?」「治療費はいくらになるの?」などの不安を抱いた方もいらっしゃるでしょう。
治療計画書があれば、このような疑問・不安の解消に役立ち、より安心して治療を受けられるようになります。

治療計画を立てる際、患者さんの希望をはじめ、インプラント治療の可否・全身状態・局所の状態・生活習慣・年齢・職業などが考慮されます。

また、歯科医院によっては治療計画書の作成が有料の場合もあります。

治療計画書に記載されている内容

治療計画書の記載内容は歯科医院ごとに異なりますが、以下の内容等が記載されることが多いでしょう。

・治療内容
・治療期間
・通院回数
・治療費
・レントゲン写真
・口腔内写真 など

治療計画書はセカンドオピニオンを求めるときにも役立つ

治療計画書を見れば、治療内容や治療費などがすぐにわかるため、セカンドオピニオンを受ける時にも役立ちます。

セカンドオピニオンとは、現在診療を受けている担当医とは別の歯科医院の歯科医師に、治療についての意見を求めることです。通う歯科医院を変えるという意味ではありません。

担当医からの説明に納得がいかない場合、疑問や不安を抱えたまま治療を受けても良い結果につながらない可能性があります。そこで別の歯科医師の意見を聞き、担当医の意見と比較して最終的に治療を受けるかを検討しましょう。

治療計画書があれば、担当医の意見とセカンドオピニオンをする医師の意見を比較しやすくなるでしょう。セカンドオピニオンの医師に、治療計画書を見せることも可能です。

インプラント治療の流れ

インプラント 治療計画書

インプラント治療を受ける場合には、次のような流れで治療が進んでいきます。

1. カウンセリング

患者さんの要望などを把握するためのカウンセリングが実施されます。治療に関する疑問・不安、希望などもあれば、伝えておきましょう。遠慮せずにコミュニケーションをとれば、治療も円滑に進むでしょう。

2. 精密検査

お口の中の状態を把握するために、歯科用CTなどを使用して検査を実施します。歯科用CTでは顎骨の密度や厚み、神経・血管の位置などが把握でき、治療の可否の判断や精密な治療につなげることができます。

3. 検査結果と治療計画の説明

カウンセリングや検査結果をもとに、担当歯科医から治療計画の説明があります。治療計画書が渡される場合、多くがこのタイミングです。

治療計画の内容で気になる点があればその場で質問しましょう。もし納得できない点があれば、担当医としっかり話し合うことが大切です。

3. 検査結果と治療計画の説明

カウンセリングや検査結果をもとに、担当歯科医から治療計画の説明があります。治療計画書が渡される場合、多くがこのタイミングです。

治療計画の内容で気になる点があればその場で質問しましょう。もし納得できない点があれば、担当医としっかり話し合うことが大切です。

4. 1次手術

2回に分けて手術を行ないます。1回目の手術では、人工歯根(インプラント体)を顎骨に埋め込みます。

5. 待機期間

人工歯根と顎骨が結合するのに、3ヶ月~6ヶ月程度かかります。

6. 2次手術

人工歯根と顎骨が結合した後、2回目の手術を行ない、人工歯根にアバットメントという部品を装着します。アバットメントとは、人工歯根と人工歯を連結させる小さな部品のことです。

治療方法によっては、2次手術が不要な場合もあります。

7. 人工歯の製作・装着

2次手術後に歯肉が治癒したら型取りを行い、人工歯を製作します。その後、人工歯を装着して治療完了です。

8. メンテナンス

治療完了後は、3ヶ月~6ヶ月に1回程度を目安にメンテナンスを受けます。定期検査や噛み合わせの調整などを定期的に受けることで、インプラントを長持ちさせられるでしょう。

インプラント治療のメリットとデメリット

インプラント 治療計画書

インプラント治療にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。後悔のない治療が受けられるように、事前にメリット・デメリットの両方を把握しておきましょう。

インプラント治療のメリット

メリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

・強く噛めるようになる
人工歯根があることで、自分の歯に近い感覚で噛めるようになります(特に入れ歯は自分の歯よりも噛む力が弱くなります)。また、入れ歯のように外れたりしないので、会話への影響が少ないといえるでしょう。

・健康な歯を削る必要がない
ブリッジの場合、土台となる健康な歯を大きく削る必要があります。また、部分入れ歯だと残っている歯にかける針金を設置するために、残っている自分自身の歯を少し歯を削ることがあります。一方、インプラント治療では、人工歯根を埋め込んでその上に人工歯を装着するため、他の歯を削る必要がありません。

・審美的に優れている
インプラント治療では、人工歯にセラミックやジルコニアなどの素材が多く用いられます。これらは天然歯と同じような色味や質感を再現しやすく、審美的に優れている点が特徴です。
ただし、患者さんのお口の状態や歯科医院によっては金属の被せ物を装着する場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

・顎の骨が痩せるのを防ぐのに役立つ
入れ歯やブリッジは顎骨と結合するわけではないため、噛む力が顎骨に十分伝わりません。一方、インプラント治療では顎骨に直接人工歯根を埋め込むため、噛んだときの刺激が直接顎骨に加わります。歯を失って噛む刺激が無いと顎骨が痩せることを予防してくれます。

インプラント治療のデメリット

さまざまなメリットがあるインプラント治療ですが、以下のようなデメリットもあります。

・外科手術が必要になる
顎骨に人工歯根を埋め込む外科手術が行われます。歯肉を切開したり顎骨を削ったりするため、精神的に負担を大きく感じる患者さんもいます。

・公的医療保険がきかない
インプラント治療は、基本的に公的医療保険の適用外です。そのため、一般的な歯科治療に比べて、治療費が高額になります。

・治療期間が長い
インプラント治療の平均治療期間は3ヶ月~6ヶ月です。一方、公的医療保険適用の入れ歯・ブリッジの治療期間は、平均2週間~1ヶ月です。インプラント治療は、入れ歯やブリッジに比べて治療期間が長くなる傾向にあります。

・術後はメンテナンスが必要になる
インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲が歯周病のような状態になりやすいのがデメリットです。これをインプラント周囲炎といいます。
インプラントの寿命はメンテナンスによって左右され、ケアが不十分でインプラント周囲炎が起こると、最悪の場合インプラントを取り除く処置が必要です。治療が終わっても、定期的にメンテナンスのために通院する必要があります。

インプラント治療の費用相場

インプラント 治療計画書

インプラント埋入治療の費用相場は、1本30万円~50万円です。歯科医院により費用は異なり、お口の中の状態や使う材料によっても異なります。

2023年6月 株式会社メディカルネット調べ

まとめ

インプラント治療の「治療計画書」には、治療の内容・期間・費用などが記載されています。記載内容は歯科医院ごとに異なる可能性がありますので、ご自身が知りたい情報があるかを確認しましょう。

また、治療計画書を作成してもらっても、同じ歯科医院で治療を受けなくても大丈夫です。内容に納得がいかない場合には、治療計画書をもとにセカンドオピニオンを求めるのも治療を検討する上で良いでしょう。
ご自身が納得したうえで治療を開始することが大切ですので、疑問・不安があれば早めに解消しておきましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。