インプラントにしたらガムはNG!?治療後に食べられない食べ物とは?

「インプラントにしたら何でも食べられるようになった」という感想(口コミ)や広告を見かけたことはありませんか。本当にインプラントにしたらなんでも食べられるのでしょうか?

高いお金を払ってインプラント治療をしたのに、好きなものが食べられなかったら嫌ですよね。特に歯にくっつき易いガムなどは食べていいのか不安な方もいるのではないでしょうか。

インプラント治療後に食べられない物はあるのかを紹介します。

更新日:2025/05/22

インプラント ガム

■目次

  1. インプラントはしっかり食べられると聞いたのに…
  2. インプラントはガムは食べられない!?
  3. わざと外れやすく被せ物をつけることもある
  4. ガムや歯にくっつく食べ物を食べる際のポイント
  5. 歯間ブラシやフロスを使用したブラッシング
  6. 定期的なチェックとプロフェッショナルケア
  7. インプラント治療後の食事に関するよくある質問
  8. Q.インプラント治療後、食事はいつから普通の食事ができるようになりますか?
  9. Q.インプラント治療後、ガムやナッツなど固いものを食べてもいいですか?
  10. まとめ

インプラントはしっかり食べられると聞いたのに…

インプラント ガム

インプラント治療をしたら、しっかり噛んで食べられるから、入れ歯よりもいいなんて耳にします。
でも、インプラント治療後に歯科医師から「食べる物に気を付けて」と言われてびっくりしたという人も一部いるようです。

SNSやインターネットで検索すると「食べ物でインプラントが壊れた」「インプラント周囲に痛みが出た」などのトラブルがみられます。

せっかく高いお金をかけてインプラント治療をしても、食べられないのは残念ですよね。インプラント治療後に食べられないものなどあるのでしょうか?特に、食べられないといわれるガムのようなくっつくものはどうでしょうか。

インプラントはガムは食べられない!?

結論、インプラント治療後もガムは問題なく食べられます。インプラントは骨に埋め込まれるため、ガムやお餅がくっついても骨から抜けてしまうことはありません。ガムでもお餅でも食べることができます。

入れ歯ではガムやお餅などのくっつくものは食べにくいケースがほとんどですが、インプラントは土台となる顎の骨にインプラントを埋めこんでいるため、インプラント周囲炎などでグラグラしない限り、ガムやお餅のように歯にくっつき易い食べ物であっても安心して食べることができます。

しかし、ひとつだけ注意点があります。
それは、仮歯の期間です。

インプラント治療の途中で使用する仮歯(プラスチックの被せ物)にはガムやお餅がくっつきやすいほか、インプラントと被せ物が強固に接着されているわけではないため、被せ物が外れてしまうこともあります。

セラミックやジルコニア、金属などの最終的な被せ物を取り付けるまでは、くっつきやすい食べ物は避けておきましょう。

食べていいタイミングがわからない方は、歯科医師に聞きましょう。

インプラントで食べられない食べ物とは?

インプラント装着後に食べられない物は基本的にありません。

インプラントは第二の永久歯と呼ばれるほど自分自身の歯のように噛め、治療が完了すればしっかり噛むことができます。

基本的に何でも食べられるインプラントですが、食べるとトラブルに繋がる食べ物はあります。例えば、硬い殻を持つナッツや梅干しの種、氷など硬いものを噛み砕こうとすると、インプラントに強い衝撃が加わって痛みが出ることがあります。
自分自身の歯であっても硬いものを噛んで歯が割れたり痛みが出ること自体はあります。インプラントでも同じことが起こり得るので注意しましょう。

→インプラント治療を受けたあとの食事について詳しくは『インプラントを入れた後に注意したいことや食べ物って?』の記事をご覧ください。

わざと外れやすく被せ物をつけることもある

インプラント治療が終わったら、インプラントが壊れるなどの大きなトラブル以外は起きないと思っていませんか?実は、インプラントの被せ物をわざと外れやすいセメントでくっつけておくことがあります。

インプラントの被せ物は「ネジ式」と「セメント式」のどちらかでインプラントとくっつけます。「セメント式」の場合、外れにくいセメントでしっかりくっつけていないと外れやすくなります。

ですが、それはインプラント治療の失敗ではありません。
外れにくい強いセメントでくっつけてしまうと、何かあった時に被せ物を完全に壊して外すしかなくなってしまいます。

そうすると、外した被せ物は破棄、作り直さなくてはいけません。再作製を避けるために、わざと外れやすくすることがあるようです。その場合は、くっつきやすいガムやお餅を食べると被せ物がとれてしまうことがあります。

食べ物によってはすぐに被せ物が取れてしまう、などのトラブルがある場合、歯科医師に相談してみてくださいね

ガムや歯にくっつく食べ物を食べる際のポイント

インプラント ガム

インプラント自体に強度があり、天然の歯に近い感覚で食事ができますが、インプラントの寿命を保つためには治療後の適切なケアが必要です。

ガムやキャラメル、チューイングキャンディや粘着性の高いお菓子は歯にくっつきやすいことから歯磨きの際に汚れが落としきれず、¥歯周病のような症状「インプラント歯周炎」を引き起こす可能性があります。

また、強力に歯にくっつく食べ物を長年食べ続けることによってインプラント周囲の組織に負担がかかり寿命が短くなってしまう恐れもあります。

インプラントをより長持ちさせるために、治療後にガムや歯にくっつく食べ物を食べる際のポイントを紹介します。

歯間ブラシやフロスを使用したブラッシング

ガムを食べた後は、インプラントに残っている汚れをしっかりと取り除くために、歯間ブラシやフロスを使用すると良いでしょう。

定期的なチェックとプロフェッショナルケア

インプラントの状態を保つためには、定期的な歯科検診とプロフェッショナルなクリーニングが必要です。歯科医師や歯科衛生士による定期的なチェックを受け、インプラント周囲の状態を確認することが大切です。

→インプラント具体的なメンテナンス方法に関しては「大事なインプラント治療後のメンテナンス」をご覧ください。

インプラント治療後の食事に関するよくある質問

インプラント治療後の食事に関するよくある質問と回答を紹介します。

Q.インプラント治療後、食事はいつから普通の食事ができるようになりますか?

インプラント治療後、初めの数日間は軟らかい食事を選ぶことが推奨されます。インプラントを埋め込んだ後は、骨とインプラントがしっかりと結合するまで数ヶ月かかるため、その間は硬い食べ物を避け、軟らかい食品を選びましょう。

通常、インプラント手術後1週間から2週間は、なるべく固い食事を避けることが一般的です。治療後の経過を見ながら、歯科医師から食事に関する具体的なアドバイスを受けることが大切です。

Q.インプラント治療後、ガムやナッツなど固いものを食べてもいいですか?

仮歯の期間を除き、インプラント治療後はガムやナッツ、キャラメルなど固い食べ物や粘着性の強い食べ物も食べることができます。食べて良いタイミングがわからなければ担当の歯科医師に確認するようにしましょう。また、食べた後はインプラント周辺をしっかりとケアしつつ、定期的な通院が大切です。

まとめ

インプラントの治療中は進行具合に応じて、食べることができるものが制限されることもあります。治療を受ける際には、歯科医師に確認しながら食事をとりましょう。治療の進行状況に合わせて適した食べ物を選び、無理をせず食事を楽しんでください。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。