抜歯の前に、歯を残すための治療が行えるかもしれません

歯石や歯垢が溜まっている、歯が一部欠けている、歯茎にできものがある、歯や歯茎に異変があるなどお口の中に違和感や痛み、気になることはありませんか。今のうちに速やかに治療を受ければご自分の歯を残せるかもしれません。

更新日:2020/10/27

抜歯の前に、歯を残すための治療が行えるかもしれません

■目次

  1. 歯を失う多くの原因は虫歯や歯周病
  2. 歯の神経に異常があるケース
  3. 歯石や歯垢が溜まっているケース
  4. 歯や歯茎に大きな異変のあるケース

歯を失う多くの原因は虫歯や歯周病

インプラント治療を行うのは、 虫歯歯周病 などで自分の歯を失ったことにより噛み合わせを調整するためという理由が大半です。。インプラント治療はほとんどの場合、公的医療保険が適用されない自由診療(自費診療)での治療となり、インプラント1本あたり全国の平均で40~50万円です。

>>インプラントの相場ってどのくらい?

インプラント治療で費用がかかる前に
歯や歯茎に症状や違和感が出た時点で歯科医院を受診すれば、歯が保存できなくなる可能性は低く、公的医療保険適用の治療が可能な場合が多いため、治療費を抑える事ができるかもしれません。
ここでは、インプラント治療一歩手前の状態の例や、簡単な治療内容、治療期間、費用などについてご紹介します。

歯の神経に異常があるケース

虫歯が進行し大きな穴が空いている
虫歯が進行し、歯の神経まで到達していることが考えられます。

歯根側の歯茎ににきびのようなものがある
歯根の周囲や先端で炎症が起きて膿がたまっている事が考えられます。

<治療内容>
歯を削って歯根の中の神経を専用の器具で取り除き、根管内(歯の神経が通っていた空洞)の消毒を行います。炎症が落ち着いたら根管内を薬で埋め、被せ物を作製し、装着します。

<治療期間>
初診から被せ物が入るまで1~6ヶ月間程度(状態によって大きく異なります)

<費用の目安>
公的医療保険が適用されるため1歯あたり6,000円~10,000円(3割負担の場合)

歯石や歯垢が溜まっているケース

歯茎から出血する・歯茎が腫れている
歯周炎あるいは歯周病が進行している事が考えられます。

<治療内容>
主に歯磨き方法や食生活の指導を受け、炎症の原因である 歯垢歯石 の付着を少なくします。併せて、既に付着している歯垢や歯石を専用の器具や機械で除去します。

<治療期間>
定期的な通院が必要
歯石の付着量や歯肉の炎症程度によって通院頻度や通院期間は大きく異なります。軽度の場合は1~3ヵ月程度の通院で経過観察に移行できる可能性が高いです。

<費用の目安>
公的医療保険が適用されるため1度の診療につき2,000~7,000円(3割負担の場合)

歯や歯茎に大きな異変のあるケース

歯がぐらつく・歯茎から膿が出る

中程度~重度の歯周病が考えられます。

<治療内容>
主に歯磨き方法や食生活の指導を受け、歯垢や歯石の付着を少なくします。併せて、歯垢や歯石を専用の器具や機械で除去します。
重度に進行している場合は歯根に歯石が付着している場合や、歯と歯茎の境目(歯周ポケット)が深くなっていてお口の中の清掃が困難になっているなど、状態によって歯周外科治療(歯茎に麻酔をし、歯茎を切り開いて歯石を取る、歯茎を切り取って歯周ポケットを浅くする外科処置)が必要となることもあります。
>>歯周病治療のための外科手術

<治療期間>
歯周病が中~重度に進行している場合は、長期的な通院が必要
炎症が強く、部分的に繰り返し歯石除去の治療や歯肉の処置などを行うため、患者さんによって通院期間は大きく異なります。

<費用の目安>
公的医療保険が適用されるため1度の通院で3,500~20,000円(3割負担の場合)
歯茎の外科的治療を行う場合は金額が高くなるため、治療前に費用について説明を受けるようにしてください。
>>初期・中期・重度の歯周病治療について

抜歯になる前に適切な治療を受けておくと、費用を抑えることができます。歯が痛いときだけ歯科医院を受診するよりも定期的に歯科医院を受診する方が治療費を安くできるという報告もあります。

症状がありながら放置しておくと、抜歯の可能性が高まります。被せ物の治療などが始まり、時間とお金も多くとられてしまいます。歯を失うリスクを低減するために、痛みや違和感があればすぐに歯科医師の診察を受けましょう。

インプラント治療は、他の歯に負担をかけないという点で優れていますが、高額な費用負担が伴う治療です。全身疾患をお持ちの方の身体的負担も入れ歯やブリッジに比べると大きいため、患者さんによって適切な治療法は変わります。詳しくは、かかりつけの歯科医師とよく相談してください。
>>インプラントとブリッジ、入れ歯の治療比較

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。