40代になったら歯が抜ける!? 理由と対策まとめ

自分も40代になり、知り合いが抜歯でブリッジやインプラントにしたという話を聞いた。
同年代の人の口元を見ると、歯がない部分や被せ物や詰め物で治療した部分が目立つ人も…

そう、40代は歯周病などで歯を失い始める年代ともいわれています。

40代は加齢にともなう身体の状態が変化する節目でもありますが、40代でも若々しさを保ちたい、お口の健康を保ちたいですよね。

今回は、40代になると歯が抜ける理由と、具体的な対策について、詳しく紹介していきます。

更新日:2023/04/03

40代 歯が抜ける

■目次

  1. 40代になると歯が抜ける理由
  2. 歯周病や歯周病が進行している
  3. 長年の歯ぎしり
  4. 女性ホルモン(エストロゲン)のバランスの乱れ
  5. 40代で歯が抜けないための対策とは?
  6. 歯周病の早期発見・治療
  7. 虫歯の早期発見・治療
  8. セルフケアの見直し
  9. まとめ
  10. 記事監修

40代になると歯が抜ける理由

なぜ40代になると、お口や歯のケアを変えていないのにも関わらず歯が抜けてしまうのでしょうか。

歯周病や歯周病が進行している

冒頭でも触れましたが、気が付かないうちに歯周病や虫歯が進行しているのかもしれません。
特に、歯周病はサイレントディジーズと呼ばれ、痛みなどの症状に気が付きにくい病気です。

40代まで気が付かずに進行した歯周病で歯を支える骨が溶けて、歯が動揺し最終的に歯が抜けてしまう可能性があります。

違和感を感じて歯医者さんへ通院した時には、時すでに遅し。
歯を抜くしか手段がないこともあるのです。

長年の歯ぎしり

無意識のうちに行う歯ぎしり。
40代になるまで続けた歯ぎしりは少しずつ歯に負荷を与え続け、積もり積もった負荷で遂に歯の根が割れてしまうことがあります。

特に歯の根が縦に割れてしまうと修復することは難しく、抜歯をする可能性が非常に高くなります。

また、長年の歯ぎしりは歯を支えている顎骨にもダメージが蓄積してしまいます。
また、歯軋りによる力が歯周病でグラついた歯をさらに動揺させ、歯が早く抜けてしまうリスクを高めてしまいます。

さらに、歯ぎしりは歯と歯を支える骨の間でクッションの役割をしている歯根膜という組織にも負荷がかかり、歯根膜炎という炎症を起こし、歯に痛みを感じたり歯茎が腫れたり、歯の根の先で膿を作ることもあります。

女性ホルモン(エストロゲン)のバランスの乱れ

女性が40代になるとホルモンバランスが大きく変化していきます。特に、女性ホルモンの活性は、歯周病の進行を加速させてしまう可能性があるのです。

とある歯周病菌はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンを栄養に増殖します。したがって、妊娠期に女性ホルモンが増加するので歯周病になりやすいです。また、40代の更年期になり女性ホルモンが低下すると、ドライマウスになります。お口が乾燥し細菌が増加しやすくなり、歯周病に罹りやすく、悪化しやすい傾向になります。

40代で歯が抜けないための対策とは?

40代になったから歯が抜けても仕方がないとは思いたくないですよね。
また、40代でももちろん歯は抜けず、きれいな口元を保っている人も少なくありません。

どうしたらお口の環境を清潔に保てるのか、見直してみてほしい対策をご紹介します。

歯周病の早期発見・治療

既に紹介しましたが、歯周病は自覚症状に乏しい病気です。
これまで通り歯磨きをしているから大丈夫、という思い込みの40代は危険。


まずは自分自身で日頃からお口の状態をチェックしましょう。
歯茎が腫れていないか、歯磨きの時に出血していないか、歯茎が下がっていないか、などお口の中に異変が起きていないかを確認してください。

また、定期的に歯科医院で歯周病チェックを受けましょう。
自分自身でのチェックも大切ですが、確実ではありません。

歯科医院で歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)の状態やレントゲンによって歯を支える骨の状態をチェックしてもらうことで、歯周病の早期発見・早期治療が可能です。

すでに歯周病が進行している場合は、しっかりとした治療が必要です。歯周病を早く発見するために、定期的な歯周病のチェックをするようにしましょう!

虫歯の早期発見・治療

虫歯が悪化し治療ができなくなった場合や根の先に膿ができた場合も、歯を抜かなくてはいけないことがあります。

虫歯は痛みなどの自覚症状が出やすいので歯周病に比べれば早期発見は容易ですが、虫歯が神経に到達し強い痛みが出た後、神経が死んで痛みがなくなります。痛みが無くなったことで治療を受けなくてもいいやと思ってしまうことがあるようです。

しかし、虫歯を放置しておくと最終的に抜歯につながるほか、顎の骨が細菌感染して骨髄炎や蜂窩織炎などで入院することも。

歯歯や身体を守るためにも、虫歯の早期発見・治療を欠かさないようにしましょう。

セルフケアの見直し

歯医者さんで受けるプロフェッショナルケアと自分自身で行うセルフケアのどちらが欠けても歯周病や虫歯の治療は奏功しません。

いくら歯医者さんに行ってクリーニングを受けていても、日々のセルフケアができていなければ虫歯や歯周病を予防することはできないのです。

まずは歯医者さんで、セルフケアの仕方について指導を受けてみましょう。
歯科医師・歯科衛生士から、年齢に合ったセルフケアの方法を教えてもらうことができますよ。

まとめ

40代になったら虫歯や歯周病などで徐々に歯を失うことがあっても、何の前触れもなく歯が抜けるわけではありません。

少しずつ、虫歯や歯周病が悪化したり、長年の歯ぎしりなどによる歯への負担が積み重なり、最終的に歯が抜けるというタイミングが主に40代以降に起こり始めます。


歯科医院を受診してお口の問題点を解決してしまえば、歯が抜けずにすむかもしれません。歯が抜けてしまう前触れがあってもなくても、歯を失わないために歯医者さんを定期的に受診してみてはいかがでしょうか。

記事監修

記事監修:古川雄亮

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。
2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。