インプラント治療ができない!?治療に不適応な疾患とは?

インプラント治療ができないとはどういった状況で起こるのでしょうか?この記事では、2つのパターンについて解説します。インプラントの治療前には医療面接、口腔内検査、X線・CT撮影などを経て、患者さんの口腔内の状態と全身の健康状態を把握します。正確な診査・診断の結果、まれにインプラント治療に不適応な場合があります。

更新日:2020/01/09

インプラント治療ができない!?治療に不適応な疾患とは?

■目次

  1. インプラント治療不適応な疾患(絶対的禁忌症)
  2. インプラント治療不適応だが余地がある疾患(相対的禁忌症)
  3. インプラントができる・できない まずは診断を
  4. 記事監修

インプラント治療不適応な疾患(絶対的禁忌症)

絶対的禁忌症(ぜったいてききんきしょう)とは、改善をすることが難しい疾患にかかっており、インプラント治療ができないとされるケースです。

また、疾患ではありませんが子供や妊娠中の方もインプラント治療は避けるべきです。

・ 1型糖尿病
免疫力の低下により傷が治りにくく、細菌感染のリスクが高いだけではなく、骨の治癒やインプラント体と骨との結合に影響を及ぼしリスクが高いとされています。

・ 免疫不全
リウマチ、天疱瘡、膠原病などにかかっている方が服用しているステロイド薬が、骨の治癒やインプラント体と骨との結合に影響を及ぼしリスクが高いとされています。

・ 放射線治療を受けている
放射線治療などを受けている方も、特に顎骨に放射線を受けている場合には外科処置は禁忌です。インプラント治療により顎骨骨髄炎を起こす可能性があります。
また、放射線治療後には唾液の分泌量の減少が起きることが多々あります。唾液の分泌が少なくなると、虫歯や歯周病がおこりやすくなり治療が難しいことがあるため、放射線治療後には口腔内の管理に十分注意が必要です。

・ 血液疾患
白血病や血友病などは出血を伴うインプラント手術は禁忌とされています。

・ チタンアレルギー
インプラント体は主にチタンが使用されているため金属アレルギーを引き起こす可能性があります。(ジルコニア製のインプラント体を使用すれば金属アレルギーは起こりません)

・ 子供
顎の骨が未発達であり、顎の骨の成長にあわせ歯も動くその時期にインプラントを埋め込んでしまうと、健康な歯にインプラントが当たり影響を及ぼす可能性があります。

・ 妊娠中
レントゲン撮影や麻酔、出血を伴う外科手術、術後に処方される抗生物質、痛み止めの薬など副作用が起こる可能性があるため避けるべきでしょう。

さらに詳しいページへ・・・・・・・インプラント治療説明「糖尿病とインプラント」

インプラント治療不適応だが余地がある疾患(相対的禁忌症)

相対的禁忌症(そうたいてききんきしょう)とは、全身疾患に罹患している場合でも、専門医によってコントロールがなされ、手術に対するリスクが少ないと判断されればインプラント治療が可能になるケースです。

・ 2型糖尿病
インプラント体を埋め込む手術を行う際、糖尿病がコントロールされていることが前提です。当然、インプラント治療後も糖尿病がコントロールされていることが重要です。

・ 重度の歯周病
重度の歯周病にかかっている場合、せっかくインプラントを埋め込んでもインプラント周囲炎という合併症を引き起こし、インプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。
そのため、インプラント治療を行う前に必ず歯周病の治療を先に行い、改善をしなければいけません。

・ 顎の骨が少ない
インプラントを埋め込むために、他の部位の骨を移植する方法や骨再生治療を行い十分な骨の厚みを確保してからインプラント治療を行います。

・ 骨粗鬆症
骨粗鬆症については、閉経後の女性で50%にこの症状があるといわれています。骨粗鬆症になると、歯槽骨も当然もろくなりますので、禁忌ではありませんが手術が難しくなります。
どうしても治療が必要な場合には、あらかじめ他の部分の骨を移植したり、人工の骨組織を入れたり、骨を増えるのを待ってからインプラント治療を行う必要があります。(ただし、骨粗鬆症の薬(Ex.ビスホスホネート系薬剤)を服用されている方は禁忌です)

・ 高血圧症
手術に対する不安や緊張などにより血圧が上昇しやすいため、静脈内鎮静法を併用し、安定した血圧を保ちストレスを減らす血圧管理が必要です。

・ 喫煙者
喫煙により血流が悪くなり、傷が治りにくく骨との結合にも影響が出るため禁煙が必要です。

・ 歯ぎしり、食いしばりがある
天然の歯と顎の骨の間にはクッションの役割をする歯根膜という組織があります。しかし、インプラントにはクッションの役割をする歯根膜がないため歯ぎしりや食いしばりをした際、過大な力が加わりインプラントが抜け落ちてしまう可能性がありますので、マウスピースを用いた治療や生活習慣の改善が必要となります。

さらに詳しいページへ・・・インプラント治療説明「歯周病でもインプラントはできるのか」
さらに詳しいページへ・・・インプラント治療説明「インプラントと喫煙」

インプラントができる・できない まずは診断を

インプラント治療の前には、絶対的気禁忌症・相対的禁忌症のそれぞれに該当するかを判断するため、必ず検査・診断が行われます。上記で挙げた以外の全身疾患にも注意を払い、インプラント治療に対するリスクの有無を確認し、適切にインプラント治療が行えるか判断をします。

そのため、何らかの疾患にかかっている、またはかかったことがある場合は必ず担当の歯科医師に報告・相談をしてください。

また、服用している薬の種類によっては治療の前に服用を中止しなければいけない場合もあります(ビスホスホネート系薬剤を服用されている方は原則的に禁忌とされています)ので、服用している薬がある場合は必ず報告をしてください。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事カテゴリ

①治療前にチェックしたい!インプラントの基礎知識

②安心してインプラント治療を進めるために

③インプラントとお金に関すること

④いろいろなインプラントの治療法

⑤インプラントの種類について

⑥インプラントと骨の関係性

⑧インプラントを長持ちさせるためのケア・メンテナンス

⑨インプラント治療に関わる専門家

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。