インプラント認定医制度とは

歯科インプラントに関する「認定医制度」についてご紹介します。歯を失ってお困りの方、入れ歯・ブリッジが合わない方は是非ご覧下さい。

更新日:2019/09/26

■目次

  1. インプラント認定医制度とは
  2. 「(社)日本口腔インプラント学会」の「認定医」になるためには
  3. 取得と維持が難しいインプラント認定医
  4. 〈参考〉

インプラント認定医制度とは

わが国においては様々なインプラント学会・研究会が多数存在しますが、歯科医学の中心的役割を担う「日本歯科医学会」がインプラントの分野で承認している学会は、「(社)日本口腔インプラント学会」ただ一つです。この、日本を代表するインプラント学会が認定する「指導医」「認定医」の制度が1993年より始まりました。

これは、学会がインプラント治療に関して「適切で充分な学識と経験を持つ」と認めた歯科医師に対し、日本口腔インプラント学会として「指導医」や「認定医」の資格を認定・交付する制度です。この制度により、現在約9000名を越える会員数のうち、日本全国で約660名の歯科医師が「インプラント認定医」として認定されています。(2006年12月現在)

「(社)日本口腔インプラント学会」の「認定医」になるためには

認定医の認定は、ある時突然思い立って取りたいと思っても、簡単に取れる資格ではありません。「(社)日本口腔インプラント学会」「認定医」になるためには、まず、指定されている研修施設で5年以上の研修を積む必要があります。現在の大学では、インプラントの分野に関して歯学部時代に臨床的なことまで学習しないため、卒業後にさらなる専門的な学問や知識を身に付ける必要があるのです。

そして「(社)日本口腔インプラント学会」が定めた資格条件を満たし、認定医試験に合格してはじめて、「認定医」となることができるのです。

取得と維持が難しいインプラント認定医

「(社)日本口腔インプラント学会」で指定している、インプラントの認定医は、その資格を取得するためには厳しい審査規定があります。

長期間の研修を受けて、やっと取得試験の受験資格を得ます。それから、申請の準備から合否発表まで約2年間を要します。この間、論文の提出・発表、症例提出、筆記試験、口頭試問等度重なる審査を潜り抜けた後に試験の結果を、学識経験者をまじえた審査委員会で検討して、決定されます。

いったん、資格を取っても、有効期限は5年間です。5年毎に、認定医更新のための、審査を受けなければなりません。

大学関係者が認定医をとるには、研究室単位での活動が認められますが、開業医にとっては、一人一人が、診療を続けながら、研究活動をしなければならないので、この認定医の取得と更新は非常に大変です。

〈参考〉

(社)日本口腔インプラント学会認定医の申請条件
以下の条件を満たして審査に合格し、登録した人に認定医資格証が交付されます。

・日本国歯科医師の免許を有すること。
・認定医申請時に5年以上継続して本会会員であること。
・学会指定の研修施設に通算して5年以上在籍していること。
・学会の学術大会及び支部学術大会に5回以上参加していること。
・学会の定める研修施設又は本会によって行われた所定の研修を終了していること。
・学会の指導医2名の推薦が得られること。
・学会の定めるインプラント治療の経験があること。
・学会の学術大会においてケースプレゼンテーションを行っていること。
・学会の学術大会及び支部学術大会又は認定委員会が認める国際学会において2回以上研究報告を行っていること。
・口腔インプラントに関する研究論文を本会誌又は本会が指定する外国雑誌に1編以上発表していること。

記事提供

【PR】フィリップス ソニッケアー
歯科専門家使用率NO.1

フィリップス・ジャパン

あわせて読みたい記事

メディア運用会社について

メディカルネット

株式会社メディカルネット(東証グロース上場)は、より良い歯科医療環境の実現を目指し、インターネットを活用したサービスの提供にとどまらず、歯科医療を取り巻く全ての需要に対して課題解決を行っています。

当サイト「インプラントネット」を通して生活者に有益な医療情報を歯科治療の「理解」と「普及」をテーマに、自分に最適な歯科医院についての情報や、歯の基礎知識、インプラントなどの専門治療の説明など、生活者にとって有益な情報の提供を目指しています。

インプラント歯科医院を探すなら「インプラントネット」

インプラント治療を行なっている歯科医院を、全国から簡単に検索できます。お近くのインプラント歯科医院をお探しの場合にもぜひご活用ください。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。