HAメンブレンテクニックを用いた骨再生誘導法(GBR)

インプラント総合サイトです。歯科インプラントに関する「HAメンブレンテクニック」についてご紹介します。

更新日:2019/09/30

■目次

  1. インプラント周囲には充実した骨が必要です
  2. 骨再生誘導法(GBR)
  3. 顎の骨欠損の分類 ―GBRが必要な場合と不必要な場合―
  4. 一壁性の骨欠損
  5. 二壁性の骨欠損
  6. 三壁性の骨欠損
  7. 四壁性の骨欠損
  8. 骨欠損の再生方法

インプラント周囲には充実した骨が必要です

インプラント治療とは、歯を失ったところに歯の根っこの代わりとなるインプラントを埋め入れる治療法です。埋め入れたインプラントは顎の骨と結合することで、しっかり噛める歯を取り戻すことができますが、そのためには、埋め入れたインプラントの周囲がインプラントを支える顎の骨に全てを囲まれていなければなりません。そこで、インプラントを埋め入れる部位の顎の骨が痩せている場合には、骨を再生する必要があります。

骨再生誘導法(GBR)

このような場合におこなわれる治療に、骨再生誘導法GBR法)があります。従来のGBR法は、前もって(またはインプラント埋め入れと同時に)インプラントを埋め入れる部位に骨を充填し、後ほど取り外す必要のある非吸収性のメンブレン(組織の再生を促すための人工膜)で覆ってから、歯肉を閉じる方法がとられてきました。しかし従来の非吸収性のメンブレンは、歯肉の血行を悪化させて、歯肉から露出してしまうことがあり、予定通りに顎の骨が再生しない場合がありました。

現在では、顎の骨の吸収(骨欠損)の状況によっては、メンブレンを使用しなくても、そこにインプラントを入れるだけで、体の自然治癒を利用しインプラントの周囲に顎の骨が再生することがわかってきました。また、メンブレンを使用する際には、HAメンブレンテクニックという方法を用いることが多くなっています。HAメンブレンとは「テラコート」という傷の治癒を促す働きのあるコラーゲンフリースに水に溶けやすい原料の「ソルベース(マクロゴール軟膏)」を使って非吸収性人工骨を接着したもので、従来使用していた非吸収性メンブレンと比べ、歯肉の血行を阻害しないため、傷口の治りが早くなります。

顎の骨欠損の分類 ―GBRが必要な場合と不必要な場合―

顎の骨の欠損は、虫歯が歯の根まで進んだ場合、歯根破折、歯周病などが原因でおこります。現在では以下のように整理されています。骨の周りの「前歯側の壁」「奥歯側の壁」「頬側の壁」「舌側の壁」の4つの壁のうち、いくつ残っているかで分類されています。

一壁性の骨欠損

例えば、「前歯側の壁」「頬側の壁」「舌側の壁」を欠損した状態です。
自然治癒だけでは骨は再生しません。

二壁性の骨欠損

例えば、「前歯側の壁」と「舌側の壁」を欠損している状態です。
自然治癒だけでは骨は再生しません。

三壁性の骨欠損

例えば、「前歯側の壁」の一部を欠損している状態です。「前歯側の壁」「頬側の壁」「舌側の壁」が残っています。
自然治癒で骨は再生します。

四壁性の骨欠損

「前歯側の壁」「奥歯側の壁」「頬側の壁」「舌側の壁」の全てが残り、歯の周辺だけを欠損している状態です。
自然治癒で骨は再生します。

骨欠損の再生方法

骨欠損の種類によって、以下のように再生させる方法があります。

GBRはおこなわず、体の自然治癒にまかせて、顎の骨を再生させる方法
三壁性や四壁性の骨欠損であれば、インプラントの周りに骨は自然と出来てきます。抜歯即時埋入インプラントはこの自然治癒を利用しています。

>>詳しくは 「抜歯即時インプラント」 のページへ

体の自然治癒だけでは顎の骨を再生できないので、人工骨を用いて顎の骨を再生する方法   
一壁性や二壁性の骨欠損がこのケースにあたります。このときにHAメンブレンテクニックを用いて治療をおこないます。

記事提供

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。