インプラント治療は入院が必要?

インプラント治療は、入院が必要な手術を伴う治療なのでしょうか? インプラントは大きな手術をしなければいけないというイメージをお持ちの方もいると思います。 「インプラント治療に興味があるけれど、仕事を長く休めない」「家事や子供の世話がある」という方にとって、入院の有無は大事なポイントではないでしょうか。 今回は、インプラント手術後の入院の必要性や、入院が必要なケース、さらには治療後の日常生活における注意点などについて解説します。

更新日:2020/11/09

インプラント治療は入院が必要?

■目次

  1. ①インプラント埋入手術は入院の必要がない?
  2. ②入院が必要なケース
  3. ③当日帰宅でも…インプラント埋入後の注意点

①インプラント埋入手術は入院の必要がない?

インプラントは外科的な治療を行いますが、基本的な手術であれば入院の必要はありません。

まず、インプラント治療の流れを見ていきましょう。

検査や虫歯など事前の治療を終えて手術当日を迎えます。治療計画によって、1回法と2回法という方針に分かれます。

1回法では、初回の手術でインプラントの一部分を歯茎から露出させておき、インプラントが骨にしっかりくっついたのを確認したらアバットメントと呼ばれる人工歯の土台を形成します。

2回法では、初回の手術でインプラントを歯茎の中に完全に埋め込み、インプラントが骨にくっついたのを確認してから再び歯茎を切開し、インプラントを一部分露出させてアバットメントを形成します。

1回法では1度の手術のみ、2回法では一次手術と二次手術の合計2回の手術が行われますが、どちらの手術も入院を必要とすることはありません。

インプラントの手術は全身麻酔ではなく、局所麻酔の元で行います。インプラント治療というと大変な手術を想像するかもしれませんが、手術当日に帰宅することができます。

インプラント手術の痛みに不安を感じる、歯科治療そのものに恐怖感があるという方のために、歯科医院によっては治療中の恐怖を和らげる「静脈内鎮静法」と呼ばれる処置を併用しているところもあります。

静脈内鎮静法とは、鎮静剤を静脈に注入することで患者さんがリラックスした状態になるというものです。完全に眠った状態ではなく意識はありますが、うとうとしたままで治療を受けられるので恐怖感が和らぎます。歯科治療が怖いという方や、パニック障害を患っている方などに適している治療方法です。手術中のことは覚えていないので、「気づいたら終わっていた」という感じです。

静脈内鎮静法を受ける場合でも、車や自転車といった自分で運転する移動手段でなければ、当日のうちに帰宅できます。
ただし、静脈内鎮静法の設備が整っている歯科医院は設備が整っている傾向にあり、入院が不要だとしても入院設備が整っている施設で治療を受ける可能性があります。
≫静脈内鎮静法について詳しくはこちら

仕事や家庭のことで忙しく入院はできない方にとって、当日のうちに帰宅しほとんど日常的な生活に戻れるというのは、大きな安心材料になります。

②入院が必要なケース

一般的にインプラントの手術で入院が必要になることはありませんが、一部入院が必要な場合があります。

・事故に遭ったなど別の理由で入院が必要になる
・重度の糖尿病や白血病など、重い全身疾患がある
・大規模な骨の移植が必要で、全身麻酔をしなければならない
・極度の歯科恐怖症により、心身の安静が必要
・患部が多量に出血しやすい傾向にある

などが、入院の必要な事例として挙げられます。

また、健康保険が適用されるインプラント治療を受ける事ができる病院は、入院可能(20床以上)な施設でなければならない規定があります。そのため、入院が必要ないとしても、入院設備を持つ施設で手術を受けることになります。

③当日帰宅でも…インプラント埋入後の注意点

多くの場合は入院が必要ないインプラント治療ですが、手術では麻酔をしているほか、歯茎を切開して傷ができています。インプラント手術後に注意していただきたいポイントをご紹介します。

・激しい運動を控える
手術から1週間は、激しい運動を控えた方がよいでしょう。
運動をすると体内の血の巡りがよくなり、患部が腫れやすい、出血しやすい、炎症を起こしやすいといった状態になります。
手術から数日は、ウォーキングなどの軽い運動もなるべく控えた方が安全です。

・手術後1~2時間は食事を控える
手術をした部分に局所麻酔が効いた状態です。ほっぺたを内側から噛んでしまっても痛みを感じる事ができないため傷ができやすくなります。麻酔が完全に切れるまで1~2時間は食事を控えた方がよいでしょう。
また、インプラントを埋入してから2~3日は激辛料理や炭酸飲料といった刺激物の摂取を控え、おかゆや麺類、スープ類など、なるべく柔らかい食べ物をとるとよいでしょう。手術したのとは反対の歯で噛むとより安全です。

・1週間程度はお酒を控える
アルコール飲料を飲むと、運動と同様に体内の血が巡りやすくなります。すると、患部が腫れたり、出血しやすくなったりする可能性があります。手術後に処方された薬と一緒に飲むのも望ましくないので、手術後1週間程度はお酒も控えるようにしましょう。

・長風呂を控える
お風呂に長い時間入ることも、血の巡りがよくなって患部の出血などを促す恐れがあります。手術から2~3日はシャワーで軽く済ませるようにしましょう。

・薬をきちんと飲む
手術後に処方された薬は、歯科医師に指示された用法を守って服薬しましょう。決められたとおりに薬を飲むことで、感染症の予防や、痛み・腫れを軽減することができます。

・禁煙・節煙
インプラント治療を受けた方にとって、喫煙は大きなリスクが伴います。感染症の可能性が高まる、患部の回復が悪くなる、インプラント周囲炎・歯周病が悪化する、といったデメリットがありますので、インプラント埋入後は基本的に禁煙、難しい場合は節煙を続けていくことが望ましいでしょう。

・痛みが強い場合は手術した歯科医院に問い合わせる
インプラント手術を受けた周囲の痛みが数日続く、痛みが強くなる一方の場合は、我慢せず手術した歯科医院へ問い合わせましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事カテゴリ

①治療前にチェックしたい!インプラントの基礎知識

②安心してインプラント治療を進めるために

③インプラントとお金に関すること

④いろいろなインプラントの治療法

⑤インプラントの種類について

⑥インプラントと骨の関係性

⑧インプラントを長持ちさせるためのケア・メンテナンス

⑨インプラント治療に関わる専門家

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。