骨が少なくてもインプラントができる!?ザイゴマインプラント治療とは

歯を失った時の治療法として選択されるインプラント治療。インプラントを検討したものの、骨量が少ないと診断され治療ができないと諦めたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、骨量が少なくてもインプラントを行える治療法があるのをご存知ですか?
極端に顎の骨が少ない場合でも頬骨にインプラントを埋め込み、固定する「ザイゴマインプラント」と呼ばれる治療法です。

ここでは、特殊なインプラントを使用したザイゴマインプラント治療について紹介します。

更新日:2021/06/22

骨が少なくてもインプラントができる!?ザイゴマインプラント治療とは

■目次

  1. ■ザイゴマインプラントとは?
  2. ■ザイゴマインプラントの特徴
  3. ■ザイゴマインプラントの費用は?
  4. ■ザイゴマインプラントもメンテナンスが重要
  5. ■インプラント治療を断られても諦めないで

■ザイゴマインプラントとは?

ザイゴマインプラントとは、インプラント治療の一種で、頬骨にインプラントを埋め込む治療法です。
ザイゴマとは頬骨(ほっぺたの骨)という意味で、顎の骨にインプラントを埋め込む通常の治療とは違い、とても長いインプラントを使用します。

インプラント治療の一種であるオールオン4と呼ばれる治療と同じように、4~6本のインプラントを埋め込み12~14本の歯の被せ物を装着し支えます。インプラントにかかる力が均等になるよう頬骨に埋め込むことで、インプラントの本数、手術の費用や身体的な負担を最小限に抑えることができます。

頬骨を利用してインプラント治療を行う最大の理由は、顎の骨が不足していることが挙げられます。

重度の歯周病や虫歯で歯を失ってしまったり、合わない入れ歯を長期間使用し続けたことが原因で顎の骨が吸収(骨が痩せてしまう)してしまい、インプラントを埋め込む顎の骨の厚みや高さが足りなくなり、顎の骨にインプラントを埋め込むオールオン4での治療が難しい方でも適応できる特殊なインプラント治療です。

また、口腔がんにより大きく顎の骨を切除された方や、先天的(生まれつき)に顎の骨が欠損している方(顎裂=がくれつ、口蓋裂=こうがいれつ)などといった顎の骨にインプラントを埋め込めない方でもザイゴマインプラントなら治療が可能といわれています。

しかし、ザイゴマインプラントを使用するインプラント治療は顎の骨に埋め込む通常のインプラント治療とは違い、頬骨にインプラントを埋め込むため手術の難易度が高く、技術を要する治療法のため、ザイゴマインプラントを導入している歯科医院はまだまだ少ないのが実情です。

■ザイゴマインプラントの特徴

・上顎に適応できる治療法
頬骨にインプラントを埋め込み固定する治療法なので上顎のみに行えるインプラント治療です。
頬骨は顎の骨とは違い、骨吸収を起こしにくく、非常に硬い骨のためインプラントをしっかり固定するのに適しています。

・骨移植の必要がない
顎の骨が吸収してしまいインプラント治療が困難な場合、骨移植やサイナスリフトなど骨の量を増やす手術を行ってからインプラントを埋め込む手術を行うことになります。
ザイゴマインプラントは顎の骨の量が少なくても頬骨を利用しインプラントを埋め込む治療法ですので、骨移植を行わなくてもインプラント治療が可能ですので、手術は基本的に1回で済みます。

・手術当日に被せ物を装着できる
ザイゴマインプラントは、即時荷重インプラントと呼ばれる治療法で、インプラントを埋め込んだ直後に固定式の被せ物を装着する治療法です。
インプラント手術の当日に見た目の回復や、噛む・話すなどの機能の回復が行えるのはとても大きなメリットと言えるでしょう。
※術後のお口の状態によっては被せ物の装着が当日に行えないこともあります。

■ザイゴマインプラントの費用は?

ザイゴマインプラントは特殊なインプラントを使用し、高度な技術を要するため治療にかかる費用も高額になる傾向にあります。
顎の骨に埋め込む通常のインプラント治療にかかる費用は、1本あたり400,000~500,000円が相場となっています。

歯をすべて失って失ってしまった方が行うインプラント治療の一種であるオールオン4にかかる費用は、1,895,000~2,400,000円が相場となっており、ザイゴマインプラントはオールオン4よりもさらに費用が高くなります。

ザイゴマインプラントにかかる費用は、オールオン4にかかる費用にザイゴマインプラントの費用を加算して算出されることが多く、2,400,000~3,000,000円が相場となっています。
※メディカルネット調べ(2021年5月時点)
ザイゴマインプラントを使用する本数が多くなるほど費用も高くなります。

■ザイゴマインプラントもメンテナンスが重要

顎の骨に埋め込む通常のインプラント治療と同じように、ザイゴマインプラントもメンテナンスが欠かせません。

インプラントは虫歯になることはありませんが、インプラント周囲炎と呼ばれるインプラント周囲の組織が歯周病になってしまう疾患には注意が必要です。
ご自身でのケアはもちろんですが、歯科医院での定期的なメンテナンスを怠ると最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。

また、定期メンテナンスが保証の条件としていることが多いので、メンテナンスを怠るとインプラント治療の保証が受けられなくなってしまうという可能性もありますので注意が必要です。

高い費用を払って治療したからこそ、治療がゴールではなくインプラントの寿命を延ばす、長持ちさせるためにもご自身でのケア、歯科医院での定期的なメンテナンスを受ける習慣をつくりましょう。

※メンテナンスに通う頻度、費用は歯科医院によって異なります。

■インプラント治療を断られても諦めないで

頬骨にインプラントを埋め込むザイゴマインプラント。顎の骨に埋め込む通常のインプラントと違い、頬骨にとても長いインプラントを埋め込むということで恐ろしいイメージを持った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、頬骨は硬く強度があるため手術の当日に被せ物が装着できるほどインプラントをしっかり固定することができます。手術当日にお口の機能を回復させることができるのは大きなメリットといえるのではないでしょうか。

まだまだできる歯科医院は少ないですが、入れ歯が合わず不満をお持ちの方、顎の骨の量が足りずインプラント治療ができないと断念された方など、どうしてもインプラント治療を諦めきれない方はこれを機にザイゴマインプラントを検討してみてはいかかでしょうか。

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記事カテゴリ

①治療前にチェックしたい!インプラントの基礎知識

②安心してインプラント治療を進めるために

③インプラントとお金に関すること

④いろいろなインプラントの治療法

⑤インプラントの種類について

⑥インプラントと骨の関係性

⑧インプラントを長持ちさせるためのケア・メンテナンス

⑨インプラント治療に関わる専門家

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。