インプラントは虫歯にならない?歯磨きしない場合はどうなる?

天然歯は歯磨きをしないと虫歯になりますが、インプラントは人工物のため「虫歯にならない」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

インプラントは本当に虫歯にならないのでしょうか?また、歯磨きをしなくても問題ないのでしょうか。

本記事では、インプラントと虫歯の関係、歯磨きをしない場合のリスク、長持ちさせるためのケア方法までわかりやすく解説します。

更新日:2026/04/30

インプラント 虫歯にならない

■目次

  1. 記事のポイント3つ
  2. インプラントは人工物のため虫歯にならない
  3. インプラント治療後に歯磨きをしないとどうなる?
  4. インプラント周囲炎のリスクが高まる
  5. 周辺の歯が虫歯になりやすくなる
  6. インプラント治療後に注意したいトラブル
  7. 上部構造の破損・破折
  8. インプラント体の動揺・脱落
  9. 麻痺やしびれ
  10. 対合歯(噛み合う歯)の損傷
  11. インプラントを長持ちさせるためのケア方法
  12. 毎日の歯磨きを丁寧に行う
  13. 歯間ブラシやデンタルフロスを活用する
  14. 歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける
  15. 「インプラントは虫歯にならない」に関するよくある質問
  16. Q.インプラントが臭いのはなぜ?
  17. Q.インプラントは虫歯になる?
  18. まとめ

記事のポイント3つ

・インプラント自体は虫歯にならないが歯磨きは必須
・歯磨きをしないと「インプラント周囲炎」のリスクが高まる
・周囲の歯が虫歯や歯周病になる可能性が高い

インプラントは人工物のため虫歯にならない

インプラント 虫歯にならない

結論、インプラントは虫歯になりません。虫歯は、細菌が出す酸によって歯のエナメル質や象牙質が溶かされて起こる病気です。

一方、インプラントは、以下人工素材でできています。

・インプラント体:チタンなど
・上部構造:セラミック、ジルコニアなど

これらは酸で歯の表面のように溶けないため、虫歯菌の影響を受けません。

インプラント治療後に歯磨きをしないとどうなる?

インプラントそのものは虫歯にならなくても、歯磨きなどのケアを怠ることでお口の健康を損ねます。

インプラント周囲炎のリスクが高まる

インプラント周囲炎は、歯垢(細菌)の付着によってインプラントの周りの組織が感染し、炎症が広がる病気です。最終的にはインプラントを支える骨が大きく溶けて、脱落する可能性があります。歯周病に似ていますが、インプラント周囲炎の方が進行が早いとされています。

→インプラント周囲炎について詳しくは「インプラント周囲炎は自然に治る?症状や原因、治療法、費用、予防法まで」をご覧ください。

周辺の歯が虫歯になりやすくなる

インプラント自体は虫歯になりませんが、歯磨きをしないと隣にある天然歯との境界に歯垢が溜まり、周囲の歯が虫歯になる可能性があります。

インプラント治療後に注意したいトラブル

インプラント 虫歯にならない

インプラント治療にもリスクがあります。治療後に注意すべきトラブルを解説します

上部構造の破損・破折

噛む力が過剰だったり、長く使うと、人工歯(上部構造)が破損することがあります。

上部構造の破損を放置していると、人工歯根であるインプラント体の破折や、支えている骨の吸収などが起きる可能性があります。

インプラント体の動揺・脱落

インプラント周囲炎、手術時のトラブルによる骨吸収、固定用のスクリューの弛みなどにより、人工歯根(じんこうしこん)であるインプラント体が動揺することがあります。不安定なインプラント体をそのままにしていると、骨から脱落してしまうおそれがあります。

麻痺やしびれ

インプラント体を埋入する手術によって顎の神経を損傷し、知覚麻痺やしびれが起きるリスクがあります。特に、下顎の奥歯は下顎管(かがくかん)という顎の中にある太い神経を傷つけ、神経麻痺を起こす可能性があります。

対合歯(噛み合う歯)の損傷

噛むときの力が強すぎると、インプラントと噛み合う天然歯が損傷することがあります。噛む力だけでなく、歯ぎしりや噛み合わせの問題もリスクを高めます。

インプラントを長持ちさせるためのケア方法

口腔環境の改善が、インプラントを長持ちさせるための大きなポイントになります。日ごろから意識してほしいケアについてチェックしましょう。

毎日の歯磨きを丁寧に行う

歯垢汚れが付着してお口の衛生環境が悪いと、インプラント周囲炎を発症しやすくなります。また、インプラント体には歯根膜という組織がなく、インプラント周囲炎のような炎症が起きると、感染がすぐに進行していきます。

インプラント周囲炎を予防する対策が、日々の歯磨きです。歯垢が溜まらない清潔な口腔環境を維持することで、炎症が起きるのを未然に防げます。

歯間ブラシやデンタルフロスを活用する

お口のケアの基本は歯ブラシでの歯磨きですが、歯垢の約50~60%ほどしか取り除けないと言われています。

残りの歯垢を取るためのケアが、歯間ブラシやデンタルフロスです。歯ブラシが届きにくい歯間の汚れをしっかり落とすことで、歯垢の80%以上を落とせるとされています。

参考:下北沢駅前歯科クリニック

歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける

日々の歯磨きと合わせて大切なのが、定期的なメンテナンスです。お口の中を調べて歯茎に炎症がないか確認するほか、噛み合わせの問題がないか、レントゲン撮影で骨の状態が問題ないか、などを診査します。

クリーニングも実施してお口の中を隅々まできれいにし、歯垢が付着しにくい環境を作ります。

「インプラントは虫歯にならない」に関するよくある質問

「インプラントは天然の歯と違うから虫歯にならないのでは?」と考える方もいるかもしれません。インプラントと虫歯の関係性についてよくある質問と回答を紹介します。

Q.インプラントが臭いのはなぜ?

A.インプラント周囲炎が進行すると、歯肉に炎症が起きて膿が出ることがあります。こうした状態が続くとインプラントの周囲から悪臭がします。

インプラントから臭いがするようであればインプラント周囲炎の可能性があるため、放置せずに検診を受けることをおすすめします。

Q.インプラントは虫歯になる?

A.虫歯の原因となる細菌は酸で天然歯を溶かしますが、人工物であるインプラントは溶かしません。インプラントそのものは虫歯になりませんが、ケアを怠っているとインプラント周囲炎という歯周病のような症状が早く進行して抜けてしまうかもしれません。

また、周囲の歯の虫歯や歯周病リスクを高めます。日ごろから丁寧に歯磨きをしましょう。

まとめ

インプラント自体は人工物なので虫歯にはなりません。しかし、歯磨きをしないと、周囲の歯茎や歯槽骨が感染してインプラント周囲炎となり、インプラントの動揺・脱落を招きます。また、周囲の歯が虫歯や歯周病にかかりやすくなります。

インプラントを健康的に長く使うために日々のセルフケアを徹底し、定期的に通院してメンテナンスを受けることが大切です。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。