インプラントを長持ちさせるデンタルグッズの選び方ガイド

インプラント治療はこれまで以上に丁寧に歯磨きを行う必要があります。磨き残しが多いと「インプラント周囲炎」になるリスクが高くなるからです。ここでは、歯ブラシ・歯磨き粉の選び方ついてご紹介致します。自分に合ったデンタルグッズ選びのヒントにしてください。

更新日:2021/12/07

インプラントを長持ちさせるデンタルグッズの選び方ガイド

■目次

  1. 使用している歯磨き粉や歯ブラシを見直してみませんか?
  2. 歯ブラシの選び方
  3. 歯ブラシはどのくらいで交換する?
  4. 歯ブラシは1ヶ月に1回交換しましょう
  5. 【豆知識―ワンタフトブラシ―】
  6. 歯磨き粉の選び方
  7. 歯磨き粉の使用上の注意点
  8. 記事監修

使用している歯磨き粉や歯ブラシを見直してみませんか?

使用している歯磨き粉や歯ブラシを見直してみませんか?

毎日時間をかけて歯磨きをしているのに、「歯垢や歯石がついている」と、歯科医院で指摘を受けたことはありませんか?インプラント治療をした後は、丁寧に歯磨きを行う必要があります。磨き残しが多いと、インプラントを支える骨や歯茎が痩せ、インプラントが抜け落ちてしまうこともある「インプラント周囲炎」になるリスクが高くなるからです。磨くアイテムを少し変えてみるだけで、磨き残しが少なくなるかもしれません。
ここでは、歯ブラシ・歯磨き粉の選び方ついてご紹介致します。

歯ブラシの選び方

歯ブラシの選び方

■磨きやすい歯ブラシの形を選ぶ
【ヘッドの大きさ】
歯ブラシのヘッド(毛の部分)の横幅は、毛束が横3~4列で、縦幅は上の前歯2本分(もしくは親指幅分)ぐらいの大きさのものを選びましょう。ヘッドが大きすぎると、細かな部分や奥歯などに、歯ブラシの毛先を当てることが難しいため、磨き残しができやすくなります。
【歯ブラシの持ち手】
持ち手はまっすぐなものを選びましょう。
まっすぐなデザインの方が握りやすく、操作しやすいとされています。

■毛の硬さの選び方
通常、歯茎に何も問題がない場合は、「ふつう」を選びます。歯茎に痛みや炎症がある場合や、磨く力が強くなってしまう場合は、「やわらかめ」を選びましょう。「かため」の歯ブラシは、力のコントロールができていなければ、歯茎を傷付けてしまいます。最悪の場合は、歯茎で覆われているはずのインプラント部分が、歯茎がすり減ったことで露出する可能性があるため、注意が必要です。

■毛の種類は何が良い?
主流であるナイロン製のものをお勧めします。動物の毛からできた歯ブラシもありますが、ナイロン製のものよりも吸水性があるので、乾燥に時間がかかります。衛生管理が難しいため、お勧めできません。

歯ブラシはどのくらいで交換する?

歯ブラシは1ヶ月に1回交換しましょう

歯ブラシは1ヶ月に1回交換しましょう

毛先が開き始めた歯ブラシは、清掃効果が減少し、磨き残しができるだけでなく、歯茎を傷付ける可能性もあります。長く使い続けた歯ブラシは、ナイロン毛の歯ブラシでも徐々に水分を吸い始め、細菌が繁殖し、不潔になりやすくなります。歯ブラシの毛先が1~2週間程で開いてしまう方は、磨く力が強すぎます。力のコントロールがしやすい、親指・人差し指・中指の3本の指で歯ブラシを持つ方法に変えましょう。

自分でおこなう歯磨きのコツ→インプラントを長持ちさせるためのセルフケア

【豆知識―ワンタフトブラシ―】

豆知識―ワンタフトブラシ―

叢生(ガタガタの歯並び)の人や、一番後ろの奥歯が磨きにくい場合、ワイヤー矯正中の人、歯ブラシで歯を磨くと嘔吐反射を起こしやすい(えづきやすい)人などに、ワンタフトブラシを使った清掃をお勧めします。小さいブラシで小回りがきくため、ピンポイントで汚れを落とすことができます。

歯磨き粉の選び方

歯磨き粉は、研磨剤・湿潤剤・発泡剤・香味剤を基本成分とし、これらの範囲で製造された歯磨き粉は化粧品(ハミガキ類)の部類になります。これに「有効成分」と呼ばれる効果と効能が認められた薬用成分が添加されたものが、医薬部外品(薬用ハミガキ類)となります。歯磨き粉を使用する場合は、薬用成分に注目し、お口の状態に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

効能・効果 /薬用成分
歯垢の除去、歯垢の付着防止
・デキストラナーゼ(酵素)
歯質の強化、虫歯の発生と進行を防止
・フッ化ナトリウム(フッ素)
・モノフルオルリン酸ナトリウム(フッ素)
虫歯の発生を防止
・合成ビタミンK
虫歯・歯肉炎・口臭予防
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
・塩化セチルピリニジウム(CPC)
・クロルヘキシジン類
・ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)
歯肉炎・歯周病の予防、出血の予防
・アラントイン
・カミツレチンキ
・トウキ軟エキス
・トラネキサム酸
・ヒノキチオール
歯肉炎・歯周病の予防、口臭の防止
・塩化ナトリウム
・グリチルリチン酸ジカリウム
・酢酸トコフェロール(ビタミンE)
知覚過敏防止
・硝酸カリウム
・乳酸アルミニウム
タバコのやにの除去
・ポリエチレングリコール
タバコのやにの除去、歯石の沈着予防
・ポリリン酸ナトリウム

基本的に、上記図の薬用成分が、単独で歯磨き粉に配合されていることはほとんどありません。複数の薬用成分を併用したい場合には、薬用成分を配合した液体歯磨剤(デンタルリンス)が販売されていますので、それと合わせて使用することをお勧め致します。なお、虫歯や歯周病を防ぐためには、歯の汚れ(歯垢)を“磨いて落とす”ことが一番大切です。歯磨き粉の薬剤効果に頼りすぎて、歯磨きがおろそかになってしまうと、配合された薬用成分の効果は期待できません。

歯磨き粉の使用上の注意点

・歯磨き粉を歯ブラシにつける量は“米粒大”が適当です。

<インプラント治療を行っている方>
・研磨剤の粒子の粗い歯磨き粉は、インプラントと歯茎の中に入り込み、炎症の原因となることがあります。粗い粒子が入っていない(つぶつぶ感をアピールしていない)歯磨き粉を選ぶ方が望ましいでしょう。
・タバコのやにを除去する歯磨き粉には、粒子の粗い研磨剤が含まれていることが多いので、インプラント治療の受けた人の使用はお勧めできません。使用したい場合は、歯科医院でご相談ください。

記事監修

歯科医師 古川雄亮先生

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。