ベテラン歯科医師が解説する「知っておきたい!インプラントのリスクと安全性」

近年、インプラト治療の失敗やトラブルのニュースを目にする機会が増えてきているため、インプラント治療を選択するうえで、不安に感じている患者様は多いのではないでしょうか。
そこで、治療を受けるまえに知っておきたいインプラントの「リスクと安全性」について、これまで11,249症例*のインプラント治療を経験されてきた大阪インプラントの代表、岡田隆夫先生にお話を伺いました。

※注・・・2022年時点での数値です。

インプラントの「リスク」と「安全性」

インプラントは人体に悪影響はないのでしょうか。

大阪インプラント 代表 岡田 隆夫 先生

大阪インプラント
代表 岡田 隆夫 先生

インプラントの材料であるチタンは、生体との馴染みが良く、整形外科では人工関節として、脳神経外科では頭蓋骨の代用として使用されている安全な素材です。


また、金属ではありますがアレルギーを発症する可能性も極めて低いとされています。ただし稀にアレルギー反応がでる方もいらっしゃいますので、不安な方は事前に皮膚科でアレルギーテストを受けておくと良いでしょう。

誰でも受けられる治療なのでしょうか?

残念ながらどんな患者様でも治療できる治療法ではありません。


お口の状態や骨量、持病などの体の状態によっては、「インプラントと骨が結合しにくい」「外科手術を受けることが適していない」などの理由で、インプラントをおすすめしない場合があります。

ただし、持病があっても病気の種類や状態によっては、内科主治医と連携をとることで治療できる場合もあるため、歯科医院に確認しましょう。また、顎の骨量が少ない場合は、基本的にインプラント治療は適していませんが、骨移植術(骨を増やす治療)に精通した医院であれば、治療をおこなうことができます。

手術に危険はありませんか?

手術に危険はありませんか?

インプラントを1本を入れる手術の規模は、親知らずの抜歯と同程度です。ただし、外科手術である以上、リスクはゼロではありません。


リスクとしては、大きな血管を切ることによる大量出血や、神経の損傷による唇の麻痺などがあります。
これらは、手術の前にお口の状態を精密に検査し、血管や神経の位置を把握した上で手術がおこなわれていれば、ほとんど発生することはありませんが、術前に精密な検査が行われている医院を選ぶと安心でしょう。

インプラントの寿命はどのくらいですか?

インプラントの寿命はどのくらいですか?

適切な診断のもと、科学的根拠にもとづいた治療が行われていれば、天然の歯と同じくらい持つといってもよいでしょう。


ただし、毎日のブラッシングや歯科医院での定期的なメインテナンスを怠れば、天然の歯と同じように、インプラントを支えている歯茎や骨が歯周病にかかり、インプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。長く機能させるためには十分なケアが大切です。

メインテナンス不足以外の原因で、インプラントが抜け落ちることはありますか?

発生する確率は高くはありませんが、下記のような場合にはインプラントが抜け落ちてしまうことがあります。

メインテナンス不足以外の原因で、インプラントが抜け落ちることはありますか?
  • ・インプラントが適していない患者様に治療した場合
  • ・手術の際に治療部位に細菌が感染した場合

インプラント治療が適していない患者様、あるいは特別な処置が必要な患者様に対して、安易にインプラント入れてしまうことで、インプラントと骨とが結合できず、抜け落ちてしまうことがあります。

また、インプラントの手術の際に治療部位が細菌に感染した場合も、インプラントの周囲の組織が炎症をおこして抜け落ちてしまうことがあります。

インプラントは歯を失った際の優れた治療法ではありますが、パーフェクトな治療法でもありません。安全なインプラント治療を受けるためには、インプラントに対する正しい知識を持ち、リスクを回避するための十分な対策をとっている歯科医院を選択することが重要です。

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岡田先生が解説! 歯科医院選びのポイント

安全なインプラト治療を受けるための、歯科医院選びのポイントを教えてください

信頼できる歯科医院を選択するためには、実際に歯科医院に足を運び、相性が良い歯科医師かどうかを確認するとともに、治療の安全性をチェックするために下記のポイントを確認してみると良いでしょう。

術前の検査が十分に行われているか

CT画像

適切な診断や安全な手術のためには、十分に患者様の体やお口の状態を把握することが必要です。


まず、術前の検査でCT撮影をおこなっているかを確認すると良いでしょう。CT撮影によって従来の平面のレントゲンでは分からない部分を把握することができるため、周りの歯や血管、神経の損傷を防止できます。


そして、問診では既往歴、現病歴の有無やアレルギーの有無、服用している薬について十分に確認しているかどうかが重要です。


また、患者様が体の不調や病気を自覚できていない場合もありますので、全身の状態を把握するために血液検査を行っているところは、より安全性を考慮しているといえるでしょう。

診断力や治療経験が十分にあるか

歯科医院で治療について相談をする際には、下記の点をチェックしてみると良いでしょう。


患者様のニーズを正しく理解し、適した治療法を提示
○患者様のニーズを正しく理解し、適した治療法を提示してくれるか

経験や知識・技術が十分にあるドクターであれば、患者様のお悩みや要望を正しく理解したうえで、それに適した治療の選択肢を複数提示することができます。また、治療のメリットだけでなくデメリットやリスクについても十分に説明してくれる歯科医師であれば安心して治療を任せられるでしょう。


○お口全体の状態を考えて診断し、治療計画をたててくれるかどうか

インプラントを長く機能させるためには、歯周病や不正な噛み合わせなど、インプラント治療のリスクとなる症状の治療も重要です。特に歯を失った原因が歯周病である患者様は、歯周病治療をふまえた治療計画であるか確認しましょう。


○自分と似た症例の治療経験があるか

同じような症例で過去に治療を行ったことがあるかどうかを確認し、症例写真があれば見せてもらいながら治療の説明を受けると良いでしょう。その写真が説明が納得できるものであるかどうかが歯科医師を選ぶための材料となります。

適切に衛生管理が行われているか

インプラントが抜け落ちてしまう原因に細菌の感染があるため、清潔な環境で手術が行われているかどうかも大切なポイントです。


適切な衛生管理に基づいた手術

「手術で使用する器具は洗浄・滅菌処理されているか」
「手袋は常に新品のものを使用しているか」

などを医院に確認すると良いでしょう。ホームページに記載してある医院もあります。私自身は、患者様に触れるものはすべてディスポーザブル(使い捨て)にするのが最も安全であると考えております。

また、手術を行う場所は、空気清浄機を設置するなどして清潔に保つ配慮がされているとより良いでしょう。

メインテナンスの体制が整っているか

患者様のお口の状態の変化がインプラントのトラブルにつながる可能性があるので、インプラントを長く快適に使うためには、治療後のメインテナンスが大変重要です。


充実のメインテナンス体制

メインテナンスの重要性についてしっかりとした説明があり、責任をもって定期的にメインテナンスをしてくれる歯科医院を選ぶと良いでしょう。

また、使用するインプラントは、シェアの高いメーカーのものを使っているかどうかもポイントです。実は、インプラントはメーカーによって使っている部品の形が異なります。

シェアの高いメーカーのものであれば、引っ越しをなど様々な理由で治療をした医院でメインテナンスを受けられない場合でも、扱っている医院が多いため、メインテナンスやトラブルがあった際の対応もスムーズに行うことが可能です。

安全なインプラントのために患者様ができること

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インプラントの寿命を延ばす「メインテナンス」

治療後のメインテナンスでは、どのようなことがおこなわれるのですか?

メインテナンスの内容は歯科医院によって若干異なりますが、多くの場合はお口の清掃とインプラントに不具合がないかのチェックを行います。当院では、患者様一人ひとりに合ったブラッシング(歯みがき)の指導や専用の機具を使った歯の清掃を行うほか、インプラントや周囲の組織などに異変がないかを確認するため、下記のようにチェックを行っています。

大阪インプラントでのメインテナンス

レントゲン撮影で骨のチェック
レントゲン撮影で骨のチェック

インプラント周囲の骨の高さ、天然歯(自分の歯)と周囲の骨の状態、そして歯石の有無を確認します。骨が下がっているようであれば過剰な力がインプラントにかかっている、またはインプラント周囲の組織が歯周病にかかっているなどの可能性があります。

歯肉・粘膜のチェック
歯肉・粘膜のチェック

歯茎・粘膜の状態を確認し、汚れや炎症、出血がないか調べます。特に、インプラントと隣接する天然歯との間は汚れが溜まりやすく、歯茎が炎症を起こしやすいので、念入りにチェックします。

噛み合わせのチェック
噛み合わせのチェック

噛み合わせは術後も変化していきます。噛み合わせが不良な状態でインプラントを使い続けると、人工歯が割れたり、取れてしまったりすることがあります。全体の噛み合わせのバランスを確認し、不具合があれば、人工歯を削って調整します。

部品のゆるみや破折のチェック
部品のゆるみや破折のチェック

人工歯とインプラントが問題なく接続しているか、部品などが緩んでいないか、または人工歯や部品が破損していないか、などをチェックします。

ご家庭でのメインテナンスのアドバイス

様々なデンタルグッズ

残っている天然歯の健康を保ちながら、インプラントを長持ちさせるためには、日々のブラッシングも大変重要です。歯科医院で正しいブラッシングの指導を受け、毎日きちんと歯のケアを行いましょう。
また、ご高齢などでなかなかブラッシングを十分に行うことが難しい場合には、CPC(塩化セチルピリジニウム)などの殺菌成分を配合した液体ハミガキをあわせて使うことをおすすめしています。


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大阪インプラントの安全への取り組み

最後に、今回インプラント治療について解説して下さった岡田先生のクリニックである「大阪インプラント」の「安全な治療のための取り組み」について、お話を伺いました。

安全なオペのための血液検査

大阪インプラントでは、術前に患者様の体の状態を把握したうえで安全な治療を提供するため、レントゲンやCT撮影だけでなく、必ず血液検査をおこなっております。

血液検査

血液検査では、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)という糖尿病の指数となる血液成分を測ることができるため、この検査によって糖尿病であることが判明した患者様もいらっしゃいます。


HbA1cの数値は、4.3〜5.8%が正常とされており、6.1%i以上であると、ほぼ糖尿病と判断されます。血糖値が高いと、感染症にかかりやすいため、手術を伴う治療はリスクが伴います。


血液検査で事前に体の状態を知ることでリスクを把握し、患者様に適した安全な治療を提供することが可能です。


糖尿病の患者様であってもHbA1cが一定数値以下で血糖コントロールが可能な場合は、インプラント治療をおこなうことができます。
当院では、糖尿病の方に対して「血液を固まりにくくする薬を服用されている場合は、最後に服用してから2.3日あけてオペをする」「オペ後は細菌の付着しにくい特別な糸を使用し、出血を極力抑える方法で歯茎を縫合する」など、より安全に治療が受けれるよう十分に配慮しております。
糖尿病などの持病でインプラント治療が心配な方も、ぜひ一度ご相談ください。

オペ時の徹底した感染対策と安全管理

感染を防止するチーム体制によるオペ

感染を防止するチーム体制によるオペ

インプラントのオペは、2〜3人体制で行われることが一般的ですが、大阪インプラントでは、歯科医師1名、直接介助2名、間接介助1名、全身管理担当医1名の計5名体制でおこなっています。

患者様のお口や患部に触れてオペを直接サポートする役割を『直接介助』といい、オペに必要な器具の準備など、手術を外側からサポートする役割を『間接介助』といいます。手術器具を密封しているパックの外側などには細菌が付着しているため、歯科医師や直接介助がその部分に触れずに済むよう間接介助がサポートすることで、患者様への細菌感染を防止することができます。

安全なオペを支えるインプラント専門歯科衛生士

安全なオペを支えるインプラント専門歯科衛生士

安全なオペのためには、執刀医の技術はもちろん、直接介助の歯科衛生士の技術も重要です。

直接介助の歯科衛生士は、患者様のお口の中の唾液が、インプラント体や手術部位に触れることのないよう、細心の注意を払って唾液の吸引をおこないます。また、インプラントを入れる部分の骨がドリルの熱によって炎症を起こさないように十分に冷水をかけて熱をコントロールします。そして、それらと同時にしっかりと患者様の呼吸の確保をおこないます。

これらが適切におこなわれることで細菌感染や骨の炎症によるインプラントの失敗を防止し、安全な治療を提供することが可能となります。ただし、このようなオペのサポートには、専門技術と経験が必要です。

当院では、インプラント手術のアシスト業務を専門に学び、公益社団法人日本口腔インプラント学会が認定する「インプラント専門歯科衛生士」の資格を取得した歯科衛生士がインプラントのオペをサポートしています。

麻酔の専門家による安心の静脈内鎮静法

麻酔の専門家による安心の静脈内鎮静法

当院では、患者様の手術に対する恐怖心を和らげるため、ウトウトと眠ったような状態で手術が受けられる「静脈内鎮静法」とよばれる麻酔をおこなっています。
麻酔は中途半端な知識では緊急事態に対応できないため、インプラントのオペと全身疾患に対する処置に精通した「全身管理担当医(歯科麻酔医)」が担当しています。
全身管理担当医は、手術中の患者様の心拍数・血圧・酸素飽和度などを常にモニターでチェックし、安全に手術ができるように患者様の全身状態を適切にコントロールすることができるため、持病をお持ちの患者様も安心して治療を受けることができます。

また、どんな手術でも全身管理担当医は、手術が終わるまで患者様の側を離れることはありません。
手術中は患者様の手を握り、痛みがないか・異常がないかを、しっかりとコミュニケーションをとって確認いたします。

Dr . 舘林 茂
社)日本口腔外科専門医

Dr . 舘林 茂

Dr . 柴崎世理奈
日本歯科麻酔学会認定医

Dr . 柴崎世理奈

  • DH 千本麻衣
  • DH 前原友香

インプラント専門歯科衛生士

人工歯へのこだわり

インプラントに被せる人工歯は、天然の歯に被せるクラウンやブリッジなどとは型採りの方法が異なります。僅かな誤差でもインプラント治療では、その誤差がインプラントの寿命にかかわるため、より精密な型採りとフィッティングの調整をおこなうことが重要です。


人工歯へのこだわり

当院では噛み合わせと補綴(義歯・人工歯で噛む機能を修復すること)に精通したドクターと連携して人工歯の作製と装着をおこなっております。


また、人工歯はセメントで接着させる方法ではなく、ネジで留める方法(スクリューリテイン)を採用することで、将来、人工歯に不具合がでたときにも対応しやすいように考慮しております。


そして治療後は、しっかりとメインテナンスをおこない、定期的に咬合調整をおこないます。

安全なインプラント治療のための充実の設備

CTスキャンと術前シミュレーションシステム

CTスキャンと術前シミュレーションシステム

適切な診断と安全な手術のために、歯科用CTスキャンを完備しています。 CTで撮影したデータをもとにコンピュータ上で手術のシミュレーションをすることで、より安全で的確な治療の提供が可能です。

徹底した衛生管理とインプラント専用の手術室

徹底した衛生管理とインプラント専用の手術室

患者様のお口に触れる器具類は全て使い捨てのものを使用しています。一般的には滅菌して再利用するドリルも使い捨てにし、できるかぎり感染のリスクを減らすようにしています。また、インプラント専用の手術には、空気清浄機を設置し、清掃・滅菌を行って常に清潔な状態を保つようにしています。そのほかにも、安全な手術のために必要な機器や設備をそろえ、様々な症例の患者様にも対応できる環境が整っています。

酸素飽和度などを計測するモニター

酸素飽和度などを計測するモニター

手術中の手元を影なく照らす大きなライト

手術中の手元を影なく
照らす大きなライト

呼吸管理のための酸素ボンベ

呼吸管理のための酸素ボンベ

手術室を衛生的に保つ専用の空気清浄機

手術室を衛生的に保つ
専用の空気清浄機

鎮静剤を安全に投与するため輸液ポンプ

鎮静剤を安全に投与するための
輸液ポンプ

万が一の時にも対応できるAED

万が一の時にも対応できるAED

ベテランのインプラントドクターによる安心の治療

インプラントを入れる手術は、私が行います。
経験の少ない歯科医師に任せることはありませんので、ご安心ください。

大阪インプラント代表  岡田 隆夫

大阪インプラント代表 岡田 隆夫

岐阜歯科大学(現:朝日大学歯学部)卒業。スウェーデンにてインプラント治療を学び、1992年よりインプラント治療を開始。その後、インプラント治療に携わる歯科医師グループ「OJ」会長を歴任。

  • 博士(医学)  博士(歯学)
  • 元大阪大学歯学部  臨床准教授
  • 朝日大学歯学部  非常勤講師
  • 大阪歯科大学  臨床講師

医療においては、安全性が第一だと考えております。
将来を見据えた治療計画、術前の十分な検査、徹底した衛生管理、最新の設備、そしてスタッフの研鑽。大阪インプラントでは、「患者様の安全のために、なにができるか」を常に考え日々診療にあたるよう心がけております。

インプラント治療に不安や疑問がある方、インプラント治療が難しいと診断されたことがある方も、お気軽にご相談ください。あなたのお口のお悩みを一緒に解決していきましょう。

インプラント治療についての疑問や相談にお答えする 患者様のための窓口を開設し
無料相談なども行っております。 お気軽にご相談ください。

0120-08-8241

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大阪インプラント

所在地
〒 530-0001
大阪府大阪市北区梅田1-11-100 駅前第4ビル1階
TEL 06-6344-8232 FAX 06-6344-8233
診察時間
月〜土 10:00〜13:00、14:30〜19:00
休診日
日曜日・祝日
アクセス
地下鉄御堂筋線梅田駅、阪神電車阪神梅田駅、
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