「ガイドラインを備えたインプラント治療」 - 第38回日本口腔インプラント学会

▲東京国際フォーラム ▲会場案内版
 2008年9月12日(金)〜14日(日)の3日間、東京国際フォーラムにて第38回(社)日本口腔インプラント学会・学術大会が開催されました。
※『日本口腔インプラント学会』 は、日本の口腔インプラント学の振興・向上を推進することを目的とし、1986年に日本歯科インプラント学会と日本デンタルインプラント研究学会が合併して設立されました。現在、正会員数5.000名以上を誇り、年1回「総会・学術大会」が開催されています。大会では、多数の一般講演のほか、特別講演、教育講演、シンポジウムなどが行われ、歯科従事者の知識や技能の研鑽・習得が図られています。

 38回目となる今回は、「ガイドラインを備えたインプラント治療」をメインテーマとし、 特別講演では、審美性の追求やインプラントの今後の進展を図られる著名な外国講師を、シンポジウム・公開講座では、国内外の専門分野における著名な講師を迎え、連日、白熱した講演が行われました。

【基調講演】
 川添理事長により、これまでの学会の総括となる 「日本における口腔インプラント学教育基準の卒前教育への導入とインプラント診療ガイドラインの構築に向けて」というテーマで基調講演が行われました。

 基調講演では、インプラントの世界的な普及や、製品の多様化、国家試験の出題数の増加などに伴い、卒前教育の重要性が語られました。
 また、現在のインプラント治療において、ガイドラインを設けることで、EBM(科学的根拠に基づいて診療方針を選択すること)や、インフォームドコンセント(患者が医師より十分な説明を受け、理解をした上での合意)の実践が掲げられました。 現在のガイドライン作成に踏まえ、2009年度の大会では「医療安全と安心」をテーマとすることが明らかにされました。
▲基調講演

【招待講演】
 招待講演では、井出 吉信 教授(東京歯科大学 口腔解剖学)により、「口腔インプラント学の教育基準と各大学の現状」というテーマで講演が行われました。口腔解剖学の視点から、インプラント治療において、神経系統の把握など卒前教育を充実させることで、医療安全を高めていくことにつながるという見解が示されました。

【公開講座】
  公開講座では、基礎医学者の集い・日本医科放射線学会の集い・日本歯科麻酔学会の集い・日本口腔検査学会の集いなど、歯科に関わる各学会での臨床におけるガイドラインについて議論されました。特に、基礎医学者の集いでは、微生物・歯科理工学・口腔病態病理学の各専門家を招き、臨床の立場から疑問が投げかけられ、それに対する質疑応答が行われました。
▲招待講演
【様々な企画】
 今回のインプラント学会でも、講師による講演はもちろんのこと、その他いろいろな企画がありました。

 専門医教育講座や歯科衛生士教育講座、専門医教育セミナーでは「認証医・専門医取得の手順」など、今後の指針となる充実した内容だったのではないでしょうか。また、市民フォーラムでは、「『免疫力をつける生活』きれい社会の落とし穴〜アトピーからがんまで」というテーマで、一般の方でも生活に密着した楽しめる内容になっていました。


 その他、会場通路では、インプラント関連企業が展示販売を行っていました。インプラントネットもブースを出展し沢山の先生方にお声をかけていただきました。
▲歯科医師によるセミナー
▲インプラントネットの展示ブース ▲インプラントの関連企業の展示や販売ブース

 今回の学会では、基調講演、招待講演、特別講演5題、シンポジウム2題、専門講座、市民フォーラム、協力学会との集い、課題講演2題、一般講演193題、歯科衛生士セッション10題、ポスター発表107題と過去最大規模の内容で実施され、3日間で延べ3.700人以上の参加者となりました。講演を通し、多様化・高度化するインプラント治療の現状を知るとともに、患者様にとって、より正確で最新の情報を提供することが必要であると感じました。


レポート:日本メディカルネットコミニュケーションズ(インプラントネット事務局)
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