インターディシプリナリー・アプローチにおける歯周治療の役割 - 日本臨床歯周病学会 第28回年次大会

日本臨床歯周病学会 第28回年次大会が行われた国立京都国際会館 日本臨床歯周病学会 会場入り口
▲ 第28回年次大会が行われた 国立京都国際会館 ▲ 会場入口

■ 静かな古都“京都”で行われた 日本臨床歯周病学会 第28回年次大会

 2010年6月26日(土)・27日(日)の2日間、京都府京都市左京区にあります国立京都国際会館にて、日本臨床歯周病学会第28回年次大会が開催されました。この会場は、ワシントン条約締約国会議やユネスコ世界遺産委員会、地球温暖化防止京都会議「京都議定書」など、さまざまな重要な国際会議が行われていることで有名です。

 今大会では、第1会場「歯科医師セッション」・第2会場「コ・デンタルスタッフセッション」・展示会場「ポスターセッション」と会場を3つに分けて行われ、大会のメインテーマである「インターディシプリナリー・アプローチにおける歯周治療の役割」について、さまざまな講演が行われました。

※『日本臨床歯周病学会』は1983年に「臨床歯周病談話会」としてスタートし、歯周治療の研鑽を通じて歯科臨床の向上に努め、国民の健康、福祉の増進に寄与することを目的としている学会です。現在は、日本を代表する著名な歯周治療の臨床医をはじめ、開業医、大学病院、総合病院の歯科医師など、2,754名の会員を擁し、研究発表や講演会などの 開催、機関紙等の発行、内外の関係学術団体や歯周治療医との連絡および提携などさまざまな活動を行っています。日本臨床歯周病学会 公式サイト >>

【メインプログラム ― 歯科医師向けセッション ─ 】 会場:メインホール


▲ メインプログラム 歯科医師向けセッションの様子

 特別講演では、関西支部 小野 善弘先生(アメリカ歯周病学会 名誉会員)の総合治療(Intardisciplinary therapy)を実践した25年の臨床について講演されました。しっかりとしたコンセプトを待った歯周炎治療・インプラント治療を行うこと、安易なインプラント治療を行うのではなく、出来るだけ天然歯を残すことを考えた治療が重要だと再認識させられました。

 また2日間に渡って行われたIntardisciplinary Sessionでは、アメリカの著名な歯周病の専門医であるケヴィン・マーフィ先生により、インプラントと歯の周囲で起こりうる審美性の問題への対応について講演が行われました。大型プロジェクタにはケヴィン・マーフィ先生のさまざまな症例が参考として映され、歯周形成における外科処置のプロセスや審美性を考えた歯肉組織の形態を変化・回復方法について解説されました。インプラント治療を初めとする最新治療を行うにあたって、基礎である歯周組織学の重要性、より理想的な治療方法など日々新しい治療法が確立されていくことがとても印象的な講演でした。


【 コ・デンタルスタッフセッション 】 会場:RoomA

コ・デンタルスタッフセッションの会場 他の会場では、コ・デンタルスタッフセッションとして、認定歯科衛生士教育講演、シンポジウム、ケースプレゼンンテーションが行われておりました。
 基本となる患者さんとのコミュニケーションからインプラント治療の際の手術前後に注意すべきこと、特に歯周炎患者さんへの適切なメインテナンス方法など、コ・デンタルスタッフ(歯科医師を支えるスタッフ)として、技術を高めていくことにつながる内容になっておりました。


ポスターセッション
インプラントネット 展示ブース 企業展示会場
ポスターセッション ▲ インプラントネットの展示ブース ▲ 他の企業展示会場

【日本臨床歯周病学会に参加して】
今回の参加において、日本でも歯周治療とインプラント治療の密接に関わった予知性を考えた治療計画が必要になってきている流れを改めて実感しました。この概念が多くの歯科医院へ広まることにより、抜歯の基準から、より安全なインプラント治療が普及されていくことを期待したいと願います。


レポート:日本メディカルネットコミニュケーションズ(インプラントネット事務局)
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