ソケットプリザベーション - 抜歯即時埋入ができない場合

インプラント総合サイトです。歯科インプラントに関する治療説明『ソケットプリザベーション「(歯槽骨温存療法)』についてご紹介します。歯を失ってお困りの方、入れ歯・ブリッジが合わない方は是非ご覧下さい。

更新日:2019/10/01

■目次

  1. 抜歯即時埋入ができない場合とは?
  2. 抜歯即時インプラントが望ましくない場合
  3. ソケットプリザベーションの流れ
  4. STEP1
  5. STEP2
  6. STEP3
  7. STEP4
  8. ソケットプリザベーションの治療例
  9. ケース1・・・左上のブリッジが動くので抜歯してインプラントにしてほしい
  10. 2ヵ月後

抜歯即時埋入ができない場合とは?

抜歯即時埋入ができない場合とは?
どうしても抜歯をしなければならない場合、或いは抜歯をしたほうがより望ましい結果が得られる場合、第一選択は抜歯即時インプラントであることに間違いはありません。しかしながら、全てのケースで抜歯即時インプラントが可能ということではありません。
以下のような状態の場合は、いったん抜歯を行い、傷が治るのを待って改めてインプラントを埋入する手術を行うことがあります。

抜歯即時インプラントが望ましくない場合


・抜歯を予定している部分に著しい感染が見られる場合
・骨の吸収が著しく、インプラントの初期固定が得られないと考えられる場合
・骨の吸収により抜歯即時埋入では審美性の回復が困難と考えられる場合
・抜歯の原因が重度の歯周病である場合(事前に十分な初期治療を行うことにより可能な場合もあります)
・その他、全身的な基礎疾患(糖尿病など)があり、傷の治りが悪いと予想される場合


そのような場合でも、抜歯をした穴に人工骨や自家骨を入れることにより抜歯後の骨の吸収を最小限に食い止める、すなわち骨を温存することが可能となります。 この場合に用いるテクニックをソケットプリザベーションを言います。

ソケットプリザーベーションを行うことにより、その後のインプラント治療を有利に進めることが出来るようになるだけでなく、インプラント埋入時の骨造成を最小限に食い止めることが可能になります。また、インプラント以外のブリッジなどにおいても非常に有益な治療方法と言えます。

ソケットプリザベーションの流れ

STEP1

抜歯後、そのままにしておくと骨が吸収してしまい、後のインプラント治療が難しくなってしまいます。
※分かりやすくするために切開~剥離をしている図を使用していますが、通常は切開などを行いませんので通常の抜歯のような腫れや痛みはほとんどありません。

STEP2

抜歯して出来た穴に人工骨や自家骨を入れていくことにより、周囲の骨を温存(状況により増大)することが出来るようになります。

STEP3

入れた骨が流出しないように、コラーゲンのシートやメンブレン(膜)で覆うこともあります。これにより、人工骨が定着しやすくなり更なる効果が期待できます。

STEP4

ソケットプリザーベーションの効果をより確実にしたい場合は歯肉の縫合をするときもあります。
(このレベルの処置にまでになるとGBRとさほど変わらなくなります)

ソケットプリザベーションの治療例

ケース1・・・左上のブリッジが動くので抜歯してインプラントにしてほしい

抜歯時(上写真2枚)
ブリッジを外して抜歯をしたところです。
レントゲンを見れば分かりますが、歯根の先までほとんど骨がなくなっており、このまま何もしない場合はインプラント埋入時に大掛かりな顎堤造成術(GBR)をせざるを得なくなります。そうならないよう歯肉が退縮しないうちにソケットプリザーベーションを行い周囲骨組織を温存し、可能であれば増大を試みます。

2ヵ月後

2ヵ月後(上写真2枚)
ソケットプリザーベーションをしたおかげで、術前の状態より骨が回復しています。
この状態であれば無切開無痛手術が可能となり、あらゆる面で患者さんの負担を減らすことができます。

記事提供

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。