「インプラント治療における医療安全・安心」 - 第39回日本口腔インプラント学会

大阪国際会議場(グランキューブ大阪) 会場案内版
▲大阪国際会議場(グランキューブ大阪) ▲会場案内版
 2009年9月25日(金)〜27日(日)の3日間、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて第39回(社)日本口腔インプラント学会・学術大会が開催されました。
※『日本口腔インプラント学会』は、日本の口腔インプラント学の振興・向上を推進することを目的とし、1986年に日本歯科インプラント学会と日本デンタルインプラント研究学会が合併して設立されました。現在、正会員数10.000名以上を誇り、年1回「総会・学術大会」が開催されています。大会では、多数の一般講演のほか、特別講演、教育講演、シンポジウムなどが行われ、歯科従事者の知識や技能の研鑽・習得が図られています。

 39回目となる今回は、「インプラント治療における医療安全・安心」をメインテーマに開催され、インプラント治療の急激な進歩と展開により危惧されるようになった問題の現状と、問題回避のために必要な医療安全・安心を実現するべくガイドラインの策定に向けた熱心な意見交換が行われました。

基調講演
▲基調講演

【基調講演】
川添理事長により、「インプラント治療の医療安全・安心」というテーマで基調講演が行われました。

本テーマは、改正医療法の施行を受け、また一般医科領域における高度先進医療技術の臨床導入・普及や、インフォームド・コンセント・POSなど、患者の人格を重視する治療方針の進展とも連動して、医療供給者に求められる『医療安全』と、患者の立場を配慮した治療の『安心感の確保』が医療供給者や従事者に対して求められるようになってきたことが背景にありました。

講演の中では、「患者のインプラント治療への不安と期待に対峙し、確かな技術、倫理観を持って患者との丁寧なコミュニケーション行う」など、一定の診療ガイドラインを設けてそれらを学会としてしっかりと保障していくことにより、安全かつ安心される治療の安定的な提供につなげたいという、同学会が今後目指す方向性が示されました。


【特別講演】
 特別講演では、ドイツのインプラント学会より講師を迎え、最新のバイオマテリアルを使った再生医療により安定性と審美性を追及したインプラント治療の難症例が短期間で成功した事例など、国外最新事例の報告と考察が行われました。


【シンポジウム】
 シンポジウムは、本大会のメインテーマである「インプラント治療の医療安全・安心」に関連した3つのテーマで発表が行われました。最終日である27日(日)に行われた「口腔インプラントの臨床エビデンスはどのくらい整ったか―診療ガイドラインの策定に向けて―」をテーマとした講演では、最新技術を用いた臨床検査値による各種の見解が示されましたが、参加者が会場から溢れるほどとなり、実際の診療現場での判断の難しさや、診療ガイドライン策定への意識の高さが伺えました。


【教育セミナー】
 大会校企画として5つの教育セミナーが行われ、インプラントの適応や全身管理、術前の精密診断の重要性や術中モニター、失敗症例の修復などについての発表がありました。特に、難症例の場合のCTを使った術前診断の在り方や、最適な治療計画の選択について、症例写真を用いた形で具体的な治療プロセスの発表が行われ、その後の積極的な質疑応答の場へとつながりました。本教育セミナーでは、安全で永続性の高いインプラント治療を構築しようとする現場の先生方の努力と関心が伺えました。

シンポジウム
▲シンポジウム
歯科医師によるセミナー
▲歯科医師によるセミナー
【様々な企画】
 今回のインプラント学会でも、講師による講演はもちろんのこと、他にも様々な企画がありました。

 歯科衛生士セッションでは「チーム医療の重要性」や「全身管理のための内科知識の必要性」など、外科的侵襲を伴うインプラント手術現場で医師と患者の両者をフォローする立場からの意見を聞くことができました。

また、女性医療従事者のためのセミナーとして「高感度アップのナチュラルメイク」というテーマで実践指導が行われ、一般の方でも楽しめる内容になっていました。

 また、会場通路ではインプラント関連企業が展示販売を行っていました。インプラントネットもブースを出展し沢山の先生方にお声をかけていただきました。

ランチョンセミナー
▲ランチョンセミナー
インプラントネットの展示ブース 関連企業の展示・販売ブース ポスターセッション
▲インプラントネットの展示ブース ▲インプラントの関連企業の展示・販売ブース・ポスターセッション

 今回の学会では、基調講演、特別講演、シンポジウム3題、ワールドサテライトセミナー3題、教育セミナー5題、専門教育講座、研究セミナー、協力学会との集い、課題口演20題、一般口演99題、国際セッション1題、歯科衛生士セッション11題、歯科技工士セッション3題、ポスター発表109題と大規模に実施され、3日間で延べ4.000人以上の参加者となりました。講演を通し、多様化・高度化するインプラント治療の現状を知るとともに、患者様にとって、より正確な情報を提供することが必要であると感じました。


レポート:日本メディカルネットコミニュケーションズ(インプラントネット事務局)
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