「Back to the Future」 - 第26回 米国インプラント学術大会 2011

米国インプラント学会の会場 国立スミソニアン博物館
▲ 米国インプラント学会の会場

国立スミソニアン博物館

■ 「AO」 26th Academy of Osseointegration (第26回 米国インプラント学術大会)

2011年3月3日(木)から5日(土)の3日間にわたり、アメリカの東海岸ワシントンD.C.において第26回目となる世界最大級のインプラント学会、米国インプラント学術大会「Academy of Osseointegration(AO)」が開催されました。

「AO」は、アメリカを中心として毎年行われているインプラントの最先端治療を発表をする学会で、世界で約70カ国、会員数が6000人を超える世界最大級の歯科学会です。
 同学会は、毎回異なる都市で行われますが、今年はアメリカ合衆国の首都、ワシントンD.C.で開催されました。ワシントンD.C.は三権機関やホワイトハウスなどが集まり、また多くの記念建造物が点在します。国際的に影響力のある世界都市であるだけでなく、博物館や美術館も徒歩圏内にあり、全て無料で入館できるという文化的にも優れた都市でもあります。

3月4日(金)に開催されたプレジデントレセプションパーティーは、世界各国の本物の航空機を展示する、国立スミソニアン博物館を貸し切って盛大に行われました。パーティーでは各国の著名な先生方との交流が図ることができ、大変貴重な経験となりました。


メインプログラム

今回の学会は”Back to the Future”をメインテーマに開催され、過去25年間を振り返り、次の25年のための新技術と原理原則との融合を考える講演が多数行われました。


【研究発表:診断から最終補綴までにおける最先端のインプラント治療】

収容人数1000人を超える会場は満席となり、大変注目度の高い内容であることが感じられました。こちらのプログラムでは、下記の項目における研究が発表されました。

間葉系幹細胞を用いた歯槽骨再生医療
スピーカー:Dr. Minoru Ueda, DDS, phD
骨量の足りない患者へ対して自家骨を使用することなく骨を増やす研究結果を発表されました。
5年後の結果 ― 前歯部の1回法と2回法】
スピーカー:Dr. Dean Morton, BDS
前歯部における即日インプラントと従来の6ヵ月期間を置いて埋入するインプラントの5年後の結果についての研究結果を発表されました。
インプラント歯科学のこれからの課題
スピーカー:Dr. Michael S. Block, DMD
幹細胞を使った硬組織と軟組織の再建の研究結果を発表されました。
rhBMP-2を使用した歯槽堤と額顔面欠損の再建
スピーカー:Dr. Daniel B. Spagnoli, DDS, MS, PhD
ヒト組み替え骨形成蛋白 (rhBMP-2) を使用して、歯槽堤と額顔面欠損の再建についての研究結果を発表されました。
▲日本のドクターによるポスターセッション

【世界各国の歯科関連メーカーが集結】

155社のエキシビターによるブースの出展が行われており活気が溢れておりました。


企業出展ブース 会場内の様子
▲ 企業出展ブース

■ 第25回米国インプラント学術大会に参加して

今回の学会では、イミディエートローディングについての発表が多数なされておりました。

前歯部はエステティックゾーンと称され、従来の2回法(インプラントが定着するのを待つ方法)に比べ、即日にインプンラントが入る事で負担も軽く、かつ安全な治療が受けられるのも患者様にとって大きなメリットです。

インプラント手術はより身近になり、手術を受けられる患者様は年々増加の一方を辿りますので、こういった学会での最新技術を歯科医師が積極的に取り入れることは、今後の歯科業界の発展にも繋がります。

インプラントネットでは、今後も各国の学術大会・デンタルショーに積極的に参加し、世界の歯科事情を的確に情報発信していくことで、インプラント治療の理解と普及に努めて参ります。

レポート:インプラントネット事務局
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